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本を読むときは音読しなくても、頭の中で自然と声に出して読んでいる。自分の言葉の活動を活性化させ、意識を働かせている。だけどテレビの時は、そこに自分の声はない。
意識は時間の関数。過ごす時間が中ければ長いほど、それだけ意識も大量に生み出されるということ。だから産業はできるだけ多くの時間を奪おうとする。それだけ多くの意識をコントロールするチャンスがあるから。
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ジュニア新書は相変わらずジュニア向けでないハイレベルな本を出してきます。
エンデのモモをベースに議論が進みます。
最後の章は非常に参考になった。
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岩波ジュニア新書の一冊。中、高校生むけの新刊で、私立中学校での課外授業をまとめた。筋は明確ながらも、それなりに難解だとおもう。
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んでくることが前提ではじまった授業。「時間の貯蓄」、「産業社会で失うノウハウ」、「労働者を消費者にする『フォーデズム』」「みんなが欲しいものが欲しい」とわかりやすい項目がある。
他方で、宮沢賢治の詩を引き合いに「『見えないから見える』という原理」となると、子どもにはわかりやすいが、大人には難解ということか。大人にとっても有意な、ジックリ読ませてくれる本ではあるが。
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岩波ジュニア新書という名前のせいで大人はこの本を見過ごすだろうと思うと残念で仕方のないほどの良書だった。また、「情報産業社会を生きる」という副題は、「インターネットの危険性」や「情報(化)社会」などの内容をイメージさせるが、「産業」という言葉が付いているのもお忘れなく。
あくまで『自分と未来のつくり方』なのだ。
この本は中高生向けの講義(図書館の協力により実現というのも興味深い)を書き下ろしたものなので、扱っている内容の割にはそれほど難解とは感じられなかったし、単純に面白かった。また、「新しい技術や世界をどのように考え、そして、どのように受け入れながら生きていくのか」というのは、仕事柄、東大入試の評論文っぽいと思った。
本の内容ついて生徒に話をしたところ、ネットが当たり前の世代ということもあってか反応が良かったが、「そんなこと考えたこともなかった」というのが実際のようだった。ちょうど現代文の授業で佐々木健一の「コピーの芸術」(『美学への招待』)を読んでいたので、我々の経験上ではコピーがオリジナルになっているという言及と合わせて改めて考えさせたいと感じた。
近年、生徒の想像力が年々低下しているなぁと思ってはいたが、その一因がどこにあるのかをこの本ははっきりと示してくれたので、色々な面でとても参考になった。
頭で分かるだけでなく、「実感」できるとよいだろう。
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エンデの「モモ」の世界を例にメディアの本質と拡張性について論じる。
大人が読んでも、しっかり参考になる。研究者の立場からのアプローチは、面白い。
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情報化社会に生きる私達はどう生きていけばいいのかを、メディアの問題や情報産業社会の初歩を通して考える本。
エンデのモモからの引用を多用しているので、まずはモモを見てからこちらを読むと良い。紛れもなく名著である。
メディアという世界を通した意識や文化産業自体の仕組みを考え出すと恐ろしい事実が見えてくる。我々は実態ではなく、情報が産み出した現象ではないのだろうか、という疑問だ。
操るものが何時の間にか操られている。これほど滑稽な話はないが、事実我々は情報に翻弄され感覚も奪われている。スマホ片手に歩く人々が良い例ではないか。
我々が見ているデジタルデータは0と1が織り成した現象である。0と1を見ただけでは私達は理解できない。
それでは0と1を生み出しているものは何か?その先は何があるのか?
そんな事を考えると、全てを生み出す真理というものは、簡単そうな外見なのに現象にすぎない我々には全く理解できない類であるのだろうと思ってしまう。
情報のマリオネットであることを気づかせてくれ、それを断ち切る術も教えてくれる良書であった。
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情報社会到来による影響を社会科学的に書いたジュニア向けの本。わかりやすいけど、書いてあることは非常に意義があって良い。これは大人でも読むべき。
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情報機器を生産する立場にある私として、情報社会を理解し、
どのような方向へ向かうべきなのかを勉強したくこの本を読んだ。
この本の主張としては、メディアに踊らされず、想像力を磨け、
であるとおもう。
私自身、なにか情報を知りたいときは、googleで調べて知り、
ほしいものがあれば価格.comにて評判みて判断し、
買い物はアマゾンで購入し、何となしにあなたへのお勧めを眺めている。
あたらめて、自分の行動や言動の方向を見直してみると、
統計的に多くの人が興味を持つものへと誘導されていることが
よくわかり、いかに嗜好が均質化されているかを認識できた。
これまでも、人気や評判は会話、テレビ、雑誌などで広まっていたが、
ネットが社会に普及することで格段に広く且つ早くなっている。
いち早くこの仕組みを理解しコントロールした人がお金持ちになり、
踊らされている人たちは貧乏になるといった、現代社会の
二極化にの一因であるとも感じる。
いかに情報社会を利用し、情報社会に飲み込まれないかが
現代社会を生き抜くために必要なのかも知れない。
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通読
高校生向けの本なのでさくっと読める。
情報産業社会に生きる僕たちがどうやって未来を作っていくかについて書かれた本。
資本主義の理念や産業のあり方をギリシャローマ時代の哲学にまで還元して説明しているのは分かりやすかった。
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情報化の中で、自分を映した影がネットワークの中に生まれ、振る舞い始める。そんなもう一人の自分をどう見て、どう生かし、付き合っていくか。そんなことを考えるきっかけを与えてくれた。
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中高生に、こんなにスリリングな話しができる大人は、なんてかっこいいのだろう!
自分の脳が情報過多になっていることには、生理学的に気がついていて、別の部位を働かせることが有効だと思う。例えば運転。
そしてオフライン!
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我々の生きる情報化社会がどのようなものかを高校生向けに説明した本。
技術的無意識についての話、アナログ技術革命とデジタル技術革命の話、ミヒャエル・エンデの「モモ」の読解など、興味深い内容がいくつもある。
同じ著者の「新記号論」を以前読み、そちらも大変面白かったが、そこで書かれていた内容がこの本にも出てくる。高校生向けなので表現が平易で読みやすい。
電車の行き帰りの時間に読めた。
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情報メディアをシャットアウトして、自分自身の思考を活動させるタブラ・ラサの時間をつくる。
また自身の情報取得経路を振り返る。そうして自身を成り立たせている情報の生態系、回路の見取り図を手に入れる。そして現実世界で実際に多くの体験をする。最後に自分なりの表現方法で情報の世界に自身の考えを送り出す事で、情報環境を自分の環境とする事ができる。