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偶然、2019年の松方コレクション展に行っていました。当時は「個人の集めた美術品を所蔵するための美術館なんて、松方さんは相当すごい方なんだろうなぁ」という感想しか持てませんでしたが・・・。笑
本書は松方さん本人に加え、このコレクションに関わった人々が様々な思いを抱えてタブローに向き合ってきたことがよく描かれていました。
誰もが松方さんに魅了され、絵画に魅了され激動の時代を歩んでこられたのだと思います。
もう一度国立西洋美術館に足を運んでみたいと思う素敵な作品でした。
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国立西洋美術館の設立背景にあった、歴史の変化の中でタブローと松方幸次郎に魅せられた人たちの物語。国立西洋美術館に足を運びたくなった。
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一気に読み終わりました。
今まで何気なく行っていた上野の美術館ですが、これからは興味深く行けそうです。
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多数の原田マハさんの作品を読んできたが、
自分の中ではこの作品が著者の「傑作」だと思った。
松方幸次郎さんについて、全く知識がなかったけど
この本を読んで好きになってしまった。
自分も美術に関しては全くといっていいほど知識がなく、
ただ「美しい」と思えるから美術館巡りはしている程度。
松方さんもタブローについて知識や関心がなかったのに
外交や戦争を経て、お国の為、青少年のために
日本に美術館を作ろうと思ったのって単純に凄い。
当たり前に享受される芸術を鑑賞するということが
長い歴史と波乱を乗り越えて日本にあることに震撼した。
今回長編で、中弛みするかと思ったけど
松方さんをはじめとした、タブローに関わる人々のストーリーがどれも魅力的だった。
途中からフィクションなのを忘れて
本当にこんなことがあったんじゃないかと
何度も鳥肌が立った。
読み終えて国立西洋美術館に松方コレクションを見に行った。
今回常設展示室は2回目だったが、
絵以外の、建築や歴史についての文章を丁寧に読んでいった。
絵の良さ、技術ではなく、
『松方さんはこの絵を見て、どう思っただろう』
『長い時を経て、これだけの美しさを保つにどれだけの努力があったのだろう』
と、タブローに関わった人達を悼んだ。
本当にありがとうと、過去の偉業を成し遂げた人々に
感謝の気持ちでいっぱいになった。
一番印象に残っているのは
松方さんが田代さんを連れて、モネとあの庭で再開するところ。
暖かい日差しが降り注ぐアトリエで、ナポレオンと笑顔を酌み交わしている穏やかな情景が浮かぶ。
参考文献には見たことが無い程の多数の参考文献。
一冊の本に携わった多くの人たち。
そして何時もながら素晴らしい物語を書き上げた原田マハさん。
この作品に出会えて良かった。
心からそう思える小説を、ありがとうございます。
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すごく良かった。やはりこの方の美術小説は最高!
フィクションの部分もフィクションと思えない、思いたくないストーリー。
戦闘機よりタブローを。戦争より平和を。
今の世の中、世界中の人に伝えたい。
珠玉のタブローの返還にあんな物語があったとは…「美しき愚か者」達に心からありがとうございますと言いたい。
この一冊を読んだ後、国立西洋美術館に行ったり松方コレクションを観たりすると、読む前とは全く違った感情で向き合えるのだろうと思う。
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題名からして哀愁を感じてしまう。
松方コレクション、松方幸次郎とは⁉️
日本初の美術館を造る事を夢見る男にまつわる物語。西洋美術館に行きたくなる一冊!
ナチスドイツからモネ、ゴッホらの絵画を命懸けで守る男とその妻。どこまでが事実でどこからがフィクションなのか?読後に調べるのも原田マハさんの作品を読む楽しみだ。
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松方コレクションの一部がある国立西洋美術館にぜひ行ってみたいと思った。
「違う、ちがう。それは『感じた』ことじゃないだろう。それは君の頭で『考えた』ことだ。君の心は、目は、どう感じたんだ?」
美術館に行くのはもともと好きだったけど、素人の自分には理解不能で魅力を感じない絵もあるな…と正直感じていた。でも、それでいいのだな思った。絵の背景や特徴的な技法を知って、考えて見るのもたしかに素敵だけど、「自分が好き」だと感じた感性を大切にしたいと思う。
変革の時代を生きた人の、決断力、行動力…見習いたいと思う。
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松方コレクションにスポットを当て、国立西洋美術館の設立の経緯を独特の視点から描いた歴史小説。
松方幸次郎、吉田茂、クロードモネなど歴史に残る人物がいきいきと描かれているのが大変、面白い。
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帯に
「戦闘機ではなく、絵画を。
戦争ではなく、平和をー。」
美術館に行くと目にする『松方コレクション』という言葉
その松方幸次郎が集めた絵画コレクション
その周囲で絵画に関わる人々
第二次世界大戦の前のヨーロッパで集めたコレクションの行方
命懸けで絵画を守った人
私たちが日本で観ることが出来る歴史的絵画の数々がある理由
胸熱です
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タブローへ情熱を注ぐ人たちに胸を打たれて涙が自然とこぼれる、美術館に駆け出したくなる一冊。パリへいつか訪れてみたい。
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はーーーーーーーー
マハさんの言葉は本当に一つ一つ綺麗でパリが愛しくなる
世界遺産で勉強してからずっと行きたかった国立西洋美術館、松方コレクションについて
もうこれと書店で出会った時運命かと思った、なにせ表紙がアルルの部屋って、、最高、、
必ず国立西洋美術館に行きます。
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国立西洋美術館に行った時に書皮欲しさに買ったのですが、ここで買う意味のある1冊になりました。
主人公にもモデルとなった人物がいるものの彼以外は実在する人物が登場し『松方コレクション』を中心に史実を織り混ぜた物語。
これから国立西洋美術館へ来館がある方は是非読んで欲しい。
絵画がもたらす豊かさ、
絵画をもつ安泰さ、
絵画によってある平和を感じられる。
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これぞ原田マハ。
フィクションと思えないリアル感。
読み応えあり。
上野の美術館に行きたくなりました。
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日本で本物のタブローを見れることは当たり前じゃない。本物を見せたいという一心から、自分の人生をかけた人たちがいたからこそ、今自分が美術館に足を運んで昔に思いを馳せることができるんだと思うと熱い気持ちが込み上げました。
マハさんの作品を読むと、美術館に行って作品を見てどんな気持ちで描いたのかなとか、どんな景色が見えていたのかなとか、どうやってここに辿り着いたんだろうかと、考えたくなる。
読んでいる間はタイムスリップしたような、自分もその時代に、その国にいた気持ちになるし、とてもロマンを感じるんだよなあ。
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かなり好きな著者の一人。著者名だけで中身も調べずにすぐ買ってしまう。本作もそんな買い方をして読んだ一冊。
期待通り、著者の個性というか「持てるもの」が惜しげなく開花した濃厚な一編。グイグイ惹き込まれ、一気に読んでしまった。
そして、読み進みながら、彼女の紡ぐ物語にどんどん没入しながらも、同時に、そんな素晴らしい創作に繋がる彼女の稀有な才能と経歴に羨望すら覚えてしまう。いつもそんな読み方になってしまうのも面白い。
ただ本作に限っては、若干の物足りなさも無きにしもあらず。
読み始めて初めて知ったが、本作のベースは厳然たる史実。言わば、ノンフィクションをベースにしたフィクション。その面白さは十分に味わえたのだが、終盤からエンディングに掛けてのクロージングに、あともう一歩、フィクションならではの、そして著者ならではの盛り上がりが欲しかった。