紙の本
ひとりではどうにもならないことも…
2024/03/30 08:26
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
耀子、立海、照子。
それぞれままならない思いを抱えて生きている。
今の環境の中でしか生きられない。
おとなは、そこを分かった上で、もやもやした想いを抱えながらも、自分の振る舞いを決めることができる。
だけど、こどもは生まれながらにそこにいる。
それが全てだから、環境も自分も変えることができるなんて思いつきもしない。
そんな中、出会い、少しずつ関係性が深まるにつれ、変化していくそれぞれの気持ちを丁寧に描いている。
現実から目を背けて流されるままに生きるのではなくて、自分で変わろうと思えば変われることを教えられ、変わっていこうとする耀子の健気さに胸を打たれる。
一見天真爛漫のように見えながらも、病弱なために、なかなか友達ができず、人との距離感に不安を持つ立海。
初めて得た友達である燿子やWハムたちと過ごす時間を愛し、ずっと続くことを信じていたのに、父の意向で急に東京に連れ戻されることになった時の引き裂かれるような気持ち。
その二人を導く青井先生。
その様子を見守っていた照子も常夏荘を守る主人として、また縁が薄くなってしまった息子のことを想いながら、親子とは違うけれどもそれに近い想いを持つようになっていったのではないだろうか。
自分ではままならない環境の中で、どう生きていくかを決めるのは自分であるが、そういうことできると知らなければ、ただ生まれながらの環境の中で悔しい想いを抱えながらも生きていくしかない。
そう意味で教育は大事だ。
また、周囲のおとなが、こうした環境下にいるこどもたちに温かく接することで、人の優しさ、強さを知っていくこともできるだろう。
こどもは生まれてくる環境を選べない。
だから、導き。見守ってくれる人の存在は大きい。
紙の本
優しい物語
2021/12/10 16:48
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもは大人のおもちゃじゃないのよね。
ようよもりゅうかも可愛くて仕方ない。
ハム兄弟もいい味出してる。
みんな頑張れ。
紙の本
「あるかしら文庫」フェアーで見て買いました
2018/06/20 21:33
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投稿者:いるか - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めてです。本のタイトルも、著者名も確かめずに、ただ、本にかけられたカバーだけを見て購入するなんて。で、一晩で一気に読んでしまいました。勇気づけられるような、じんわり元気が出るような、そんな本。あるかしら?ありました。じんわり、なのですね。ありえないハッピーエンドではなくて、ありえる女の一生を幸せにする本でした。
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もっと面白いウェブサイト多分あなたはそれを愛する
http://newyouie.citylife-new.com/
http://kobe.areablog.jp/blog/1000101643/pc.html
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自立と自律。やらまいか。燿子と立海、照子に青井先生。寂しい辛い人生も心持ち一つで前向きになれる。かおをあげてうつくしく生きて行きたい。
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居場所のない少年少女の話。
どんな環境だろうとも
人に恵まれることがなによりなんだろうな。
逃げ場とか心落ち着ける場所があるだけで
どれだけ救われることか。
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やらまいか、自力と自律。
どうして?、ではなくどうしたら?言葉一つで人は変われる。
全ては自分次第。
涙を止められなかった。
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「自立と自律」の物語
自立 自分の力で立つということ
うつむかずに顔をあげて生きるということ
自律 自らを律すること
美しく生きるということ
母親に見捨てられた7歳の少女耀子と
大金持ちの一人っきりの跡取りという重圧に
苦しむ少年立海と
過去の思い出だけに生きている未亡人照子が
出会いそれぞれ心を癒しあい、一歩踏み出す物語
耀子は母親に見捨てられて会った事もない
父方の祖父に引き取られ、祖父が働きながら
居住している常夏荘に住む事になる。
そして、同じころ東京から身体の静養をするために
常夏荘に来た子供の立海とともに遊びともに
勉強することになる。
しつけもされず、なにもしらなかった耀子が
教養を身につけ洗練され元気になっていく様子や
ひとりぼっちで戦っていた立海が耀子に心を開いて
元気になっていく様子が読んでいてワクワクドキドキ
して大変に心地よい。
常夏荘のおあんさんこと、照子さんも過去の
思い出の中に生きながらも二人の子供に出会って
過去から一歩踏み出すような気がする。
人は孤独でもそれでも誰かと繋がっている
そしてこれから先も繋がることが出来る。
すごく希望のある、そしてガッツの湧く
素敵な物語だった。
どうして?、ではなくどうしたら?と問いかけるとか
やらまいか!と自分を鼓舞する
など考えさせられ元気の出る言葉がたくさん出てきた。
何度も読み返したいので
図書館で借りたけれども購入しようと思う。
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子どもたち(立海と耀子)へ向けられる大人たち(照子、青井、耀子のおじいちゃん)の眼差しが何ともあたたかく、ほっとする物語。
「どうして?」ではなく、「どうしたら?」と考えて前に進むようにと青井が耀子を諭すところは、離れてしまっても境遇に負けることなく、強く生きていって欲しいという耀子への想いが伝わってじ〜んとしてしまった。
常夏荘の様子の描写も美しく、映像化されたら素敵だろうなぁと思った。
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途中までずいぶんことばがずっしりしていた。だんだんきれいなことが増えてきて、こんないいものあったんだな、みたいな。発見。すきです。
と、思ったら四十九日のレシピの人だったのね。懐かしい。あの本も好きだった。
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子供が主人公で感傷的な作品なので、あまり好みではなかったな。
ただ、最後の方で龍一郎が新婚旅行先で語るシーンは良かったです。
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小泉今日子さん「この物語を読みながら私は何度も涙ぐんでしまう。」 いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。
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家族のことや友達のことでうまくいかない少年と少女と”おあんさん”、とりまく人々。劇的に何かが変わるのではなくて、じわじわと変わっていくお話だと思う。
2015/9/16
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大林業家の孫に生まれ、愛情深いが専制的な祖父に振り回される少年・立海と、育児放棄にあった少女・耀子。二人は山深い屋敷で出会い。。。
少年少女の成長の物語です。
でも、これまで読んできた伊吹さんと少しイメージの違います。どこか重苦しく宿命という言葉が思い浮かびます。
しかしそんな中でも幼い二人が育てる友情は清々しく、登場時はお高く留まった感じの家庭教師の青井先生やおあんさん(照子)の二人を見る目の温かさも心地良く。
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ジュニア小説だというが、大人でも十分楽しめる。
大人の事情に左右される子供の不条理という普遍的なテーマだが、没落する地方の名家に集う人たちの情景も含めて、しっとりとした情緒が味わえる。