投稿元:
レビューを見る
「推し」を通して「プロジェクション」を学ぶ。
なるほど…「投影」ね。
「推し活」の不思議を解明してくれた。
特別に変なことではない、ってこと。
ただし、その「投影」は人それぞれであって、多様性を認めないとコミュニティとしては成り立たないわけだ。どの世界も多様性を学ばないといけないね。
推し活で、人生に彩りを!
投稿元:
レビューを見る
推しについての本というよりは、
プロジェクションサイエンスについて主な具体例として推しを中心に挙げて解説した本
プロジェクションというこれまで知らなかった概念で、推し活、死者を思うこと、学術研究活動、さらに人類の歴史までが説明される様子は面白かった。
今ここにないもの、自分以外の人•ものにさまざまな思いを馳せて、人は互いにそれに影響しあっている、そんな人間って素敵だと思う。
ただ、推し不在かつ推し探求中の自分は
どうしたら何かを推せるのか
それを推し続けるにはどうしたらよいか
推しが自分の心から失われるのはなぜか
ということが知りたかった。
その答えが得られなかったのは残念。
投稿元:
レビューを見る
本書の「おわりに」の中に、「私の『推し』はプロジェクションだったんだ!」という筆者の言葉が書かれています。そして、自分自身プロジェクション研究に対して行っていることそのものが「推し活」そのものであったのだという筆者の気づきが表明されています。
本書の特徴は、このエピソードに語り尽くされているように思います。
「『推し』の科学」というタイトルから誤解されることもあるようなのですが、本書は、むしろ「(誰か・何かを)推す」という行為のありよう、「推し」文化といったものについて科学的に解説した書籍ではなく、むしろ「推す」という行為やそれにかかわる文化現象を入口に、プロジェクション・サイエンスの魅力をより広い人々に発信しようとすることをねらった書籍だと思います。
まさに、プロジェクション・サイエンスの「推し」活として発刊された書籍といえるでしょう。
プロジェクション・サイエンスに魅了され、その「推し」活として書かれている本なので、同じ対象を「推す」ことができず、見えているものどころか、世界の「見え」そのものが異なる私のような人間にとっては、見えている世界の異なりばかりが印象に残ってしまいました。
もっとも自分の中で受け容れがたかったのは、「通常の投射」「虚投射」「異投射」という考え方です。本書を最後まで読んでいくと、一人ひとりによって異なるものとしてのプロジェクションについて言及されていると思われる箇所もあり、そうであればなぜ、「通常の投射」という考え方を提示する必要があったのだろう…としばらく悶々と考え続けてしまいました。
他の人々と共有可能な「通常の投射」なるものを想定できず、世界の「見え」の多元性を前提に議論してきた人間にとっては、何が「通常」で「虚」で「異」であると言えてしまうのか、というところで引っ掛かってしまい、それ以降の議論をしっかり理解しきれなかったところがあります。
この他にも、用語の意味がいつの間にかずれてしまっているように感じるところがあり、最後まで、自分が「きちんと読めた」「理解できた」と思えないまま、「おわりに」に辿り着いてしまいました。
一方、プロジェクション・サイエンスっていろいろなことが分析できそう!すてき!という魅力そのものを伝えることには、成功しているのだと思います。「プロジェクション・サイエンス」という言葉を聞いて「なにそれ?」と思った人が「面白そう!知ってみたい!」「もっと関わりたい!」と思うためのルートはしっかり確保されているように思います。そういう意味では、新しい認知科学のキーワードを知って、自分の身の回りの現象を語りあって盛り上がりたい方には、おすすめだと思います。
投稿元:
レビューを見る
『推し』という概念を通して、人間がなにかに何かを投影する『プロジェクション』の営為とその精神的力強さを説明。具体例は少々冗長かもしれないが、言いたいことはとても良いと感じる。
投稿元:
レビューを見る
「推し」のタイトルに惹かれて読んだ。
対象に自分なりの意味を加えることが「推し」と理解したが、「推し」だけでない、身の回りにあるもの、起こるものも「推し」の思考につながっていることが見えて面白く読めた。
推しがあった人、ある人が読めば「そうそう!」となると思うし、今推しがない人も「そういう見え方なのか」と発見がある一冊。
投稿元:
レビューを見る
2024.03.04 とても楽しく読ませていただいた。プロジェクション・サイエンスをよく知らなかったのでとで勉強になった。著者の方の人間性が本のそこかしこに出ていて、とても素晴らしい研究者の方なんだなぁと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「推し」を科学的視点からみるってなんて新しくておもしろい!
「プロジェクション」という言葉、初めて知りました。
著者の視点がおもしろく、推し活、二次創作、腐女子、モノマネ、応援上映、コスプレなどからプロジェクションということを学ぶことができました。
私は子供の頃から常に何かに「はまり」、いわゆる「推し」がいて、世界が広がったり人生をキラキラ彩ってくれています。
本を読みながら、共感ポイント多数、この気持ちは認知科学的にそういうことなのね!という納得ポイント多数。
楽しめました。
特に、二次創作と研究活動の共通点の話、マンガやアニメの実写化におけるプロジェクションがおもしろかったです。
「『推し』に自分の時間や労力、時にお金をつぎこんで、直接的な見返りがあるわけではありません。けれど、そんなことはまったく問題ではないのです。そうすることが人間としての幸せであり、その行為だけでもう十分な見返りをもらっているのですから。」
投稿元:
レビューを見る
「推し」についての心理学からのアプローチ。
主に「プロジェクション」についての論考。「投影」とは違うようだ。どちらかというと「共同幻想」に近いものかもしれない。
宗教もある種の「推し活」なのだなあ。
キーワードは「一体感」。
<アンダーライン>
★★★
「推し」に救われたという経験は、自分をとりまく世界のとらえ方が変わったということなのでしょう。
★★★★
「推し」を応援すると、行動でも感情でも「推し」との一体感が生じる
★★★★★
プロジェクションとは、作り出した意味、表象を世界に投射し、物理世界と心理世界に重ね合わせる心の動き
★★★
二次創作は創造的誤読
★★★
プログラムどおりに動かないのは、現実世界はノイズだらけだから
★★★★★
洞窟の中の壁画や彫刻は、仲間たちと物語を共有することで、集団としての絆をより強固なものにしたのではないか。この物語がプロジェクション。
★★★
サードマン現象
★★★★
ぼんやりした投射はその場にいる人に共有される。それが「マナー」です。
★★★★★
お守りはプロジェクション
★★★★★
物語とは不条理な出来事を受け入れるために、秩序を正しくしたい気持ちからできるのではないか
★★★★★
その人のプロジェクションによって見えているものを否定するのは、その人を否定すること
投稿元:
レビューを見る
I could understand the concept of the projection in the psychology.
投稿元:
レビューを見る
全てが興味深いのは前提として、第6章とおわりにテンションが上がった
初めは自分と推しの2人しか語られない話だと思ったのに、終わってみたら周りに人がいっぱいいる。プロジェクション・サイエンスはそういうとこがある
あとこういう本で大切なのは作者さんがオタクなことよね。安心感すごい