紙の本
過激な部分もありますが、表やグラフなどが見やすい
2023/09/04 13:49
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投稿者:ぽち - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の考える未来が近い将来来るかと言われたら信じられないこともありますが、そういう不安要素があるという点では勉強になりました。
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社会人になりたての頃からずっと追いかけている著者の一人です、私も歳を重ねましたが先輩である著者達も高齢となり、何人かは天国にいかれています。その中でこの本の著者の副島氏は元気に執筆活動を続けてくれています。
今年二月末から勃発したウクライナ戦争、あれに関する副島氏の解説を聞きたかったので、この本が出版されて良かったです。特に世界送金システム(SWIFT)からロシアが外されて、ロシアは自滅すると思っていました、ルーブルの価値が落ちたので予想通りでしたが、その後、ルーブルの価値が戻ってきたのかが何故かずっとわからない状態でした。この本で解説されてあって良かったです。
ウクライナ危機は、長らく続いてきた体制が変わるきっかけになるのだと確信しました。ドルが暴落する、中国元の価値が上がる、円高になる、これらがずっと繋がらない状態でしたが、この本でそれらが結びついた気がしました。
以下は気になったポイントです。
・政府の命令で金の販売と買取を停止させられるのが怖い、それは2年後の2024年より前に起きるだろう。これは、預金封鎖と新札切り替えよりも早く実施されるだろう、今年3月25日にロシア政府が金を国内でのルーブル通貨での固定価格(グラム5000ルーブル)で買い始めたからである、それで大きく金本位制への道が始まった(p14)日経新聞の記事によれば、6月30日までの購入価格はグラム5000ルーブルであり、金の安定した供給を確保し、金鉱産業が円滑に機能することにつながる水準である(p16)4月29日にはルーブルで金を固定相場で買うことを決めた(p223)
・金グラム1万円となるのは、NY市場で1オンス=2500ドルまで上がった時である、この理由はロシア政府がルーブル通貨で、原油と天然ガスを売るという政策を決めたから。そしてルーブルを固定価格で金を買うことで、ある種の金本位制に世界がなっていくから。これは2023年末だろう、この時はウクライナ戦争の泥沼状態は、第三次世界大戦の始まりを見せ始める、手持ちの金の半分を、グラム15000とか2万円で売ることを考えて良い(p18)世界が大恐慌に突入するのは2024年10月くらいだろう(p108)
・今は1ドル120円台だが、ドルの暴落が起きて一桁落ちて10分の1となる時代が来る、それがドル体制の終わりで1ドル=12円となる、所がこの時に日本政府の大きな決断がある、円を10倍に切り上げて、1ドル=1.2円となる。(p22)
・2年後の新札切り替えの時に、今の一万円は、1000円となる。このゼロを一個取ることが、リデノミネーションである。これによりタンス預金(例えば10億円)は新札切り替えで使えなくなる、預金口座の引き出し制限(クランプダウン)が行われる、月給40万円のサラリーマンは月給が4万円となる(p26)
・ペリーがやってきた幕末から為替は「メキシコ1ドル金貨(スペイン帝国の金貨)」が小判1両であった、当時のアメリカはイギリス帝国とスペイン帝国の財力に頭が上がらなかった、その時の1両には金は20グラムしか入っていなかったが、日本では金貨1枚=銀貨5枚に対して、西洋では銀貨15枚であった。外国商��はその小判を溶かして取り出した金を本国で交換すれば3倍の銀貨が手に入った(p41)
・明治、大正時代は1ドル=1円であったが、昭和に入って日本のインフレが激しくなって1ドル=6円となった、金解禁により日本の金が流出したので。高橋是清のデフレ解決のために円安政策をとって外国輸出を増大させて1ドル=12円となった、昭和恐慌は収まった。このまま太平洋戦争へ突入、敗戦後もこのレベルであった。(p44)
・やがて襲いかかってくるインフレに向かって、1万円札よりも高額紙幣を発行しようというのは愚の骨頂である、逆の方向に向かうべきである、ドル体制の崩壊に立ち向かって、円の力を10倍にするリデノミネーションが行われる(p45)
・ウクライナでは「フル・モービライゼーション」をすぐに行った、18歳から60歳までの男は総動員令で国外に脱出・避難できなくした、3月18日には完全徴兵令にして「ドラフトレター=赤紙」が男達に配達された、これで100万人の民兵を作るという。(p82)
・ロシアの外貨準備76兆円の地、半分の38兆円は差し押さえたが、残りの40兆円程度は奪われなかった、内訳は金2300トン(17兆円)、中国元・その他で40兆円(p115)
・ロシアの国連人権理事会の資格停止決議案に対して、国連総会でG20カ国は、11カ国が賛成、反対は中国とロシア、そしてインド、インドネシア、サウジアラビアなどが棄権した。賛成93カ国に対して、反対+棄権が82カ国、欠席が18カ国、国連加盟国は193カ国である(p125)
・初期のブレトン・ウッズ時代(1944-1971)が、ゴールドとドルの結合、ブレトン・ウッズ2時代は、それ以降から現在までで、インサイドマネー=米ドルが裏付けられたとすれば、ブレトン・ウッズ3時代は、アウトサイドマネー(マネー以外のゴールドやコモディティ)に裏付けられる時代になると、ポズサー(元NY連邦銀行、米財務省勤務)は述べ、現在の通貨体制の終焉を、先進7カ国がロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシア外貨準備を凍結した日(2月26日)と位置付けている(p137)
・ヨーロッパ諸国は、今アメリカ産のバカ高い(スポット60ドル/100万BTU、ロシア産パイプライン:6ドル)天然ガスを買わされている、ロシアからの輸入を無理矢理対露制裁で止められたから、いずれアメリカのこの策略に気づくヨーロッパ諸国は怒り出すだろう(p152)
・アメリカはロシアをSWIFTの決済システムから追放したことで、自らドル支配体制を壊したとも言える。これにより世界中の全ての資金の流れをアメリカは監視できていた、その権力を自ら投げ捨てた、だからドルによる支配体制は徐々にどころかあと2年で一気に衰退するだろう(p166)
・令和4年4月21日にあったG20の財務省・中央銀行総裁会議(議長国インドネシア、ワシントンで開催)で、ロシアの財務相と中銀総裁が登場した時、G7メンバーは一斉に抗議の退場をしたが、日本の鈴木財務相と黒田日銀総裁は立ち上がらなかった、他の13カ国の非白人の新興国と共に残った(p172)日本の戦後史で画期的なことである、この時ついに世界史の軸が動いたのである。日本はアジア諸���の一国として、新興国側についた(p175)
・日銀の自己資本は9兆円、540兆円の国債残高があって、それに対して当座預金があるので、国債金利が現在の0.2%から0.3%まで上がったら、日銀はデフォルトする(p203)
・2022年4月から、1部・2部・ジャズダック・マザーズの4市場から、プライム・スタンダード・グロースの3市場へ再編された。プライムでは時価総額100億円、スタンダードでも10億円が義務付けされた、以前は5億円以上で良かった(p233)
2022年5月30日作成
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p14 政府による金小売業者への販売停止の政府命令が怖い
p16 ロシア 金を固定価格で買い付ける 金本位性
p25 日本政府 2024年に紙幣デザインを刷新
p33 金を売って手元に入った現金を、現物資産 タンジブルアセットにかえる 土地、絵画、骨董品、食料
p81 総動員令 full mobilization 赤紙 draft letter
p108 ドル覇権の崩壊 2024
p119 ロシアはSWIFTから締め出された CIPSへ(中国)
p172 G20でロシアが入場 日本以外のG7は抗議の退場 鈴木財務大臣、黒田日銀総裁は退場せず
p180 英国 情報戦の凄さ、タヴィィストック研究所 Tavistock clinicが仕組む心理戦争作戦 psychological war operationsp
p203 黒田総裁 0.25%で無制限に買う
日銀の自己資本その他は9兆円 だから540兆円の国債残高があって、それに対して当座預金ががあるから、国債金利が0.3%まで上がったら日銀はデフォルトします
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<目次>
まえがき
第1章”有事の金”が甦る
第2章第3次世界大戦と大恐慌が襲い来る
第3章”資源対ドルの闘い”が始まった
第4章世界史の軸が動いた
第5章国際のデフォルトが恐ろしい
あとがき
付録底値で買っておきたい株式15銘柄
2022/5/31発行
金の値段は3倍になり、暴落し、売り止めになると
プーチンははめられたと
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2022/11/05:読了
第5章 国債のデフォルトがおそろしい は、新しい情報で、勉強になった。
なぜ、黒田総裁が金利をあげられないのか、それは金利をあげることで、国債の価格が低下する。
日銀は、銀行から国債を買い上げるのに無理に高値で買っているため、国債価格が低下すると、損を抱え込むこみ、ヘタをすると日銀自体が潰れるおそれがある。
黒田総裁は、自分の代では、物価上昇もはじまり、国債崩れの心配もあるため、日本の金利はあげられない。
あげるとすれば、新円に切り替えるドサクサにまぎれて。
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日本人はどうやって自分の財産を守り、平和を守り、戦争をしないで済み、生き延びてゆけるか。
金は実物資産の王者
実物経済の大切さ
世界も日本も第3次世界大戦を通り越して新しい人類の時代が来る。何があっても人間人類は生き延びていく。戦争で死ぬ人々は可哀想だが、生き残った者たちでまた元気で生きていく。
人間は顔にその本性が出る。
日立や松下やソニーら全国に2400社ある大会社の技術者たちが一生懸命に製品をたくさん作って世界中に売ってきた。安月給で努力に努力を重ねて頑張った。理科系の人々が偉かった。だから今の日本人はそれでもこれだけの生活ができている。
人類史の法則は力にものを言わせてもうその力もないくせに弱い者いじめをしたものは逆に皆から嫌われて自滅していく、である。そうやって世界に新しい世界通貨決済態勢が産みの苦しみとともに生まれていくことになる。
日本を必死に守った黒田東彦さんの偉大さ
電子決済の paypay の裏側はデジタル人民元ですね。
ついに日本は欧米以外のロシアインド中国インドネシア他アジア中東アラブ諸国アフリカ諸国ブラジル中南米諸国メキシコの側についた、歴史的大転換。
アメリカは世界中から嫌われている
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論拠はあるものの、極論の応酬。ヒヤヒヤしながら読み進めるが、既に答え合わせが可能な内容もあり、それが見誤りである事も含めて、攻めた本である。「実物資産」が正義、という主張は確かにそうだとは思う。
ー バイデン政権はロシアをウクライナではめて開戦させた。開戦わずか1週間後に勝利宣言とも言える米議会でのステイトオブユニオン。ところがその後、株と債券の暴落。並行してゴールドが暴走した。金ではなくゴールドである。開戦後、英米の指導者たちは一斉に欣喜雀躍したと思ったら、ロシア制裁の綻びが起きた。これがゴールドの暴騰につながる。
ー 戦争になれば、ゴールドなどの実物資産の価値が上がる。ロシア政府は、ゴールドを国内でのルーブル通貨での固定価格で買い始めた。日本政府も、金の小売業者に対し、金の販売と停止をさせる可能性が高い。
ー 1ドル1.2円になる
通貨単位の切り上げ(リデノミネーション)が2024年に断行されて10,000円が1000円札になると言う事態が強く予想される。ちょうどこれは福沢諭吉の紙幣が渋沢栄一の紙幣に切り替わるタイミング。しかしリデノミネーション起こせば、旧札が使えなくなり大混乱になる。それに合わせて預金封鎖を行う。
この辺は過激すぎる部分だ。
ー 伊藤博文は日本陸軍に銃殺された。安重根ではない。
妄想や一説に過ぎないのではないのか。
ー ビットコインは中国で全面禁止になったので、やがて消えてなくなると考えられる。
これは何となくそんな感じもする。
ー 人間は我慢だ。人生は我慢だ。我慢して耐えることこそ、人間を成長させる。この後イギリスとアメリカが日本の政治家たちをどのようにいじめに来るか知らないが、来るなら来い。日本人本来の土性骨を見せてやる。このこともわからないで、一喜一憂している程度の低知能の人間どもなんか、どうせ私の読者ではない。私とは縁なき衆生。見くびるな。
この発言を見て、敢えての極論、暴論なのかとも思う。熱量が凄い。良くも悪くも、考えるきっかけとなるような本だ。それが著者の狙いだろうか。