紙の本
面白かった
2023/02/23 10:45
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投稿者:mii - この投稿者のレビュー一覧を見る
名画とその絵画に登場する人物(職業)について知ることができます。
時代背景も詳しく掘り下げられていて読みごたえがあり、面白かったです。
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現在でもみられる仕事、廃れてしまった仕事と様々
異端審問官、表紙にもなっているイームズの絵は男の子のこと(この審問の結果)を考えるとやりきれない気持ちになる…
「怖い絵」展で実物を見た作品もいくつか載っており、またこうした絵画展が催されてほしいなと思う
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「働く」という身近な事柄をテーマに絵画を解説するという切り口が新鮮でとても興味深かったです。
今も存在する職業もあれば、現代日本に住む私からするとあまり想像できないような職業も取り上げられているので、職業という面から歴史を学べて面白いなと感じました。
中野先生の御本は定期的に読みたくなる!
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相変わらず中野京子さんの絵画解説は面白くて好き。自分の知らなかった作家に出会わせてくれる。今回はエドワード・ホッパーがとても気になりました。
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絵画に描かれた「仕事」から、当時の西洋の歴史と職業の状況、
生活や人々の生き方、感情等を考察し、解き明かす。
闘牛士 侍女 香具師 宮廷音楽家 羊飼い 女性科学者
道化 警官 思想家 ファッション・デザイナー 大工
看護婦 政治家 修道女 船頭 異端審問官 傭兵
女優 子どもも働く 天使も働く
1種の「仕事」に1~3枚の画と、職業についてや時代背景、
絵解きと考察などの文章での構成。
古来から人間が従事していた「仕事」は様々なものがある。
時代や地域独自のもの、現在にも存在するものもある。
それら職業の内容は異なるけれど、働く者それぞれに、
人間共通の喜怒哀楽がある。紹介されるのは20の「仕事」。
ストップモーションのようにその場面を切り取られたような
絵ではあれど、画家はそんな彼らの心情をも塗り込めて描く。
それらが描かれた絵画から見える西洋史の一端としての
職業には、当時の社会情勢や戦争、宗教弾圧の悲喜こもごも。
様々な差別と貧富の差。上昇志向。騙してなんぼ。
宮廷という場所での苦難。孤独との戦い。暴君に翻弄。
絵の中の鍵を探し、「仕事」と従事する「人間」の内面が
解き明かされていくのを、面白く読むことができました。
天使だって働きます。が、ガブリエルの激務には、驚き!
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表紙の絵は審問官。舞台は17世紀英国。革命果たした議会派が乗りこむ貴族の屋敷。柔和な態度で父の消息を子供に問う。無邪気に答えた少年が10年後に思うことは?...修道女が2人。1人が墓穴を掘り。もう1人は黙って座る。穴掘りも祈りも同じ労働か?いや、座るもう一人こそ埋葬される当人?...医者と称する香具師が行う大イベント。事が終わって泣いている患者。時は18世紀。抜歯は麻酔なし。…意図的または無意識に描かれた絵の中の職業。鑑賞を通じてその仕事への思いを感じてみる。天職か生計手段か?恐ろしさあり、感慨深さあり。
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知っている西洋画といえばダ・ヴィンチの「モナリザ」、ミレーの「落穂拾い」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」とか、それぐらい。という私のようなレベルの人が、絵画に対する関心を深めるのに本書は良いかと思います。
切り口がユニークで、絵画の中で描かれる「職業」と「歴史」にまつわる解説が面白く、絵をただ紹介されても、なかなか興味を持てなかった私も絵画の見方が変わって、じっくりと楽しめるようになりました。美術館の楽しみ方も変わります。
本書紹介の職業の中では、「羊飼い」「異端審問官」「香具師」とか、それでどうやって生計たているのか判らない職業の解説が楽しい。中世に生きているならとおもかく、現代ではお目にかからない仕事ですから。
なんとなく絵画に対する自分の好みが判ったことも収獲。どちらかと言えば印象画より写実的でリアルさを追求した絵に心が惹かれることに気が付きました。
ジョン・エヴァレット・ミレイの「両親の家のキリスト」や、表紙になっているウィリアム・フレデリック・イームス「じゃあ君が最後にお父さんを見たのはいつだったの?」なんかの細かい描写はいつまで見ていても飽きない。極めつけはラ・トゥール作の「大工の聖ヨセフ」で、子供の手のひらを透けて見える炎の描写が、本当の暖かみを感じるほどにリアルなのがとても好き。
好みの絵っていう訳では無いですが、「ジン横丁」の絶望感もなかなかに味わい深く、本書をきっかけにもっと絵画を知りたくなりました。
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絵画の中での「仕事」に着目している。いつもながら中野京子さんのお話は興味深いです。知らない絵画との出会いやその解説がいつもいつも面白い。「天使」も仕事してるんですね。
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印象的だったのは
道化。ピエロの空虚と孤独が描かれて
画家の目は
道化の真の姿をとらえるのですね
各解説は短いながらも
ハイジの御祖父さんがスイス傭兵あがりだとか
ピエロが精神科医を訪ねる小話など
さすがの博学っぷりを
楽しめる一冊です
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[図書館]
読了:2022/12/10
修道女『休息の谷』(タイトルはメンデルスゾーンの合唱曲から取られた)
p. 146「片や土を掘り起こし、片や座っているだけと言うのは奇妙なことではないか。それとも修道女にとっては肉体労働も祈りも同じほど重要だということが示唆されているのか。ミレイは何の手がかりも与えてくれない。
いや、そうでもない。
ここは修道院専用、つまり修道女が埋葬される墓地だ。画面右の修道女が座っているのは、新しい棺の上に置かれた新しい墓石。彼女の両足はすでに半ば墓穴の中に入っている。棺の傍には花輪。私見だが、この修道女こそが埋葬される死者本人ではないのか。仲間の修道女の手で土下に埋められようとしているのではないか。スコップを振るう者の目に、彼女の姿は見えていないのではないか。実体すでにもう棺に横たわっていて、鑑賞者たるあなたに見つめられ、いぶかんでいるのではないか…?」
絵を見ながらここを読むとゾクゾク来た。夕暮と夜のあわいの色合いと、その幽玄の光を受けながらこちらを見つめる女性。
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絵画を凌ぐ文章に圧倒されました。
歴史に人間がいたことを改めて突きつけ、読み手に生きた歴史を紐解く生きている歴史書
突きつけられたら、逃れない。
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表紙の尋問されている少年とその謎について知りたくて購入。絵の解説がわかりやすく、なるほどと思わせられるのだけど、取り上げている絵が今回のはあまりインパクトがないものもあったせいか(絵にも裏のエピソードにも)、そして職業しばりというくくりがあったからか最後は流し読みしてしまった。
この人の本は何冊か読んだことがあるけれど一度読めば充分と感じてしまう。この本もそうだった。
一度美術の読み解き方のちゃんとした本をしっかり読んでみたい。
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中野先生の名画シリーズは必読。今回は働く人にフォーカスしているが取り上げているのは今までスポットライトを浴びなかった職業。闘牛士、羊飼い、異端審問官など多岐に渡っていて絵を観るだけでも充分満足。説明も当時の歴史的な情報も踏まえていて読んで良かったと思える一冊。
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名画の中で働く人々(いろんな職業)を解説しながら、その時代や人物、職業そのもののついて語られている、毎回勉強になる。
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どんな時代も必死に働いてきた人々やその背景文化を良くも悪くも簡潔・軽快に纏めていてつるっと読める。
特に、ちょうどWhitney Museumで見てきたばかりだったエドワードホッパーの描いたものを含む道化(ピエロ)の節が面白くて、ピエロの苦悩を読むと、あの笑顔と涙のメイクもなかなか示唆があるなと思いました。
それから、ガチで人生で3億回は口にしていそうな「アリーナ」の語源はラテン語の「Arena=砂」。闘牛の流血を吸うために砂を撒いた闘技場がもとになっているなんて、この本読んでなかったら一生知らなかったかも。