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本作も青山美智子さんワールド全開で、包まれるような優しさで満たされました。
本作はポッドキャストとそれを聞いた人々の物語で、構成としては連作短編集。本作も充分良作であったと思いますが個人的にはエスキースの方が好みだったように思います。どちらも結末の迎え方は素晴らしかったのですが、結び方に少し差異があるので、そこはまぁ好みは分かれるかなぁとは思います。
再就職や、夢と現実の葛藤、結婚、親からの自立と題材はどれも現代人が抱えてそうな項目の目白押しで、どの短編でも、主人公に優しい手が差し伸べられており、少しずつ勇気を分けて貰える感覚は素晴らしかったです。
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図書室本。この人とこの人はこんな関係。であの人はそこでつながるのか! の繰り返し。いい人がいっぱいの安定の本でした。
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やりたかった仕事の理想と現実の自分に悩んで疲弊したり、夢への焦燥から嫉妬したり、自己否定したり、娘の結婚に対する男親の不器用さと愛情の表現だったり、
親からの愛情への渇望ゆえの逃避だったり、
仕事と夫と義理母との距離間に悩んでたり。
いくつになっても傷きながら生きる。
人にとって何が大切なのだろうか。
多かれ少なかれ、誰もが経験したきたであろう挫折や焦燥や嫉妬を、傷つかないように優しく丁寧に描かれている。
夢を持って臨んだ仕事に、打ち砕かれるのは本当に辛い。そういう時人に優しくできなかったりする。
引力のように引き寄せられた周りの人の光や暖かさにありがたさを感じる。照らされないと見えない月。
居場所を作ってくれていた人を感謝し、大事にしなければならないと思う。
すぐ与えられている愛情を当たり前として、そういう事をすぐ忘れてしまう。
今回は直接関わらない人でも、間接的善意に人には助けられているんだよということも、大事な焦点。
青山さんならではのこの構成力と、感情移入できる人物描写。
私を裏切らず、寄り添っているかのように暖かな気持ちにさせてくれる。本に対しているその時だけは素直にさせてくれる。
青山さんはきっと友人が多いでしょうね。
お気に入りフレーズは12個も登録しました。
夢は今はないけれど、著者からの応援メッセージである下記を胸に刻みたい。
引用
「最後の一文の目を凝らさなければ見失ってしまいそうな、細い細い月を眺めながら私はほほえむ。 あの針金のような光は、これから確かに、ゆっくりと膨らんでいくのだ。」
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ページをめくる手が止まらない!
優しさが渋滞の連作短編集。
「赤と青のエスキース」同様、一話一話の点が最後に繋がり線になる!
「あたりまえのように与えられ続けている優しさや愛情は、よっぽど気をつけていないと無味無臭だと思うようになってしまうものなのよ」肝に銘じます!
うー、早く次回作が読みたい。
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月がテーマのポッドキャスト『ツキない話』を中心としたオムニバス短編集。
お気に入りは「お天道様」「ウミガメ」。
お天道様は、大事な一人娘の授かり婚で、途方に暮れる父。そして、優しいけれど口数の少ない婿との会話。
娘が本当は父の事をどう思っていたか。
どれも愛おしくて涙が出ました。
ウミガメは、父が出ていってしまい母子家庭の那智と、母が出ていって父子家庭の迅。ひょんな事から迅の家でアルバイトをする事になった那智と迅の距離が徐々に近づいていく過程が切なくもあり温かい気持ちになれました。
今回のタイトルや装丁が全て一本に繋がり、タケトリ・オキナの正体とラストのポッドキャストの内容にまた涙が出ました。
私的に「木曜日にはココアを」に次いでお気に入りの一冊となりました。
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8冊目の青山美智子さんは、待ってました!先月出たばかりの新刊です。
長年勤めた病院を辞めたばかりの元看護師
売れないながらも夢を諦めきれない芸人
娘の結婚・出産を素直に祝えない整備士
母子家庭で早く自立したいと願う女子高校生
仕事と家庭の両立に悩むアクセサリー作家
タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』を聴いている悩める5人を描く連作短編集です。
いやぁ〜さすが青山さんの連作短編集!すごく良かったです!いろんなことに悩みながらも、結局答えは自分の中にすでにあるんですよね。そこに気づくまでをとても丁寧に描いています。気がつくきっかけもいつも素敵なんです。お話ごとの繋がりも、本当に大好き。
最後の仕掛けも、おっと…そっちでしたか、と気持ちよく騙されました。登場人物のみなさんに、例えば本田さんには「あなたのこと、ちゃんとみてくれている人がいるよ」とか、朔ケ崎さんには「あなたの落ち着いた対応のおかげで安心した人がいるよ」とか、minaさんには「朔ケ崎さんってあなたの指輪を購入してくれた人だよ」とか、教えてあげたくなりました。
装丁もめちゃめちゃ素敵だし、月についての豆知識も良かったです!
***
「ただ…僕は、月って、願いよりも祈りがふさわしいと思うんです。願いは自分でなんとかしようって強く思って行動できるようなことで、だけど祈りは、なすすべのないことにただ静かに想いを込めることなんじゃないかな」(105頁)
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ツキない話(月にまつわるポッドキャスト)で繋がるお話。誰かと必ず繋がっていて、ひとの気持ちに気づくのは難しく、まわりを見れたら案外簡単だったりもする…。青山さんの物語は元気と励ましをくれる。懸命に生きるって本当にすごくて素敵で感動する。
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青い装丁が素敵な本。
それぞれの人物が、話の中で繋がっている。
私はこの手のタイプが大好き。
誰でも心にモヤモヤしたものを抱えていると思うけど、一度立ち止まり、良く考えてみようと思わせてくれた。
ただ誰かの力になりたいって気持ち、とても素敵だと思う。
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短編集。それぞれの話が緩く繋がっていて、ちょっと驚く種明かしもあり面白かった。月の話が色々出てくるがそれがとても興味深い。新月=月の始まり=月が立つ=ついたち というのはとても素敵な話だと思った。「お天道様」の話にとても共感。不器用で口下手な父親と娘婿。いい関係性だと思う。ポッドキャストというものを初めて知ったので、ちょっと聞いてみたい。
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優しくて心地よい読後感で、さすが青山美智子さん。青山さんお得意の連作短編小説で、どんどん人がつながっていく面白さを堪能です。
タケトリ・オキナは誰なのか?かぐや姫は?と思いながら、すらすらと読み進められました。関係図を描きながら読むのも楽しいです。
三章のお天道様の不器用な父の姿に涙です。
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月にまつわる話のポッドキャスト。必然の様に繋がっていくリスナーたちの短編連作。きっと誰もがこの短編の中の誰かに共感する部分があるのでは。頑な心をそっとほぐす様な優しいストーリー。好き。
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青山さんの描いたお話は本当に面白い!
いつもいつも構成がとても巧みです。
単純な連作短編のお話ではなく、人物が絶妙な距離感で必ずどこかで繋がっていて、読み進めるあいだに、あ!あのときのあの人物だ!と気づく楽しみがあり、とてもワクワクします。
今回の一冊もそっと寄り添ってくれるような心温まるお話ばかり。それでいて会話や心情の描き方が良い意味で日常に近く、共感できる言葉がたくさんありました。
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五つの連作短編集。
「タケトリ オキナ」のポットキャスト「ツキない話」を軸に物語が展開していく。
月にまつわる豆知識も興味深かった。
知らず知らずのうちに、月や太陽に影響を受けながら暮らしている私達。
その影響をポジティブな力に変えながら、登場人物それぞれが前を向いているところがいい。
これから、いつも以上に月が気になってしまいそう。
装丁も内容にマッチして素敵!
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最初から最後まで温かくなれる本。
特に最後。泣けました。。。
「ツキない話」実在しないのは分かっていたけど、思わず検索してしまった。
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ポッドキャストというのを初めて知ったけど、そのポッドキャストのツキない話がキーワードかな。それぞれ主人公の違う短編集だけど、みんなツキない話を聞いていて、少しずつ登場人物がリンクしていく私の好きな形(^^)
それぞれ辛いこととか理不尽なこととかあるけど、前向きになっていける心が救われる一冊だと思う