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感想
知ってはいるが考えたことない問題。哲学は表面的な事象の裏側にあるものを解明し意外なつながりを見つける。新しい問題も古典的なものと通底する。
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(Twitterの連投から誤字や順序等修正した上で転記)
▼稲岡大志・森功次・長門裕介・朱喜哲 共編『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(総合法令出版 2022)
『〔世界最先端の研究が教える〕すごい哲学』の長門さん(長門裕介)の問いの立て方は、情報技術(がもたらしがちな言説状況)に対する倫理学的回答の前線紹介という趣が多く、学問が(そのまま解説者本人の)キャラクターになってもいる。典型は「レアグッズの転売は道徳的に問題なのか?」だが、技術と関係ない「本当の愛に理由はいらないのか?」も好き。「巨大感情としか言えないからといって、その感情は他の恋愛感情や友情より明確に尊いものと言えるのか?」みたいな言い方も可能かもしれない。
千葉汐音「注意の仕方が変われば世界が美しくなる?」(同書: 94-98)で紹介されたペンス・ナナイ(Nanay, B. 2016,2019)を引いた「一つの対象の持つ多くの要素に向けられた注意」という美的経験における特別な注意の条件も面白かった。自分がムハ(=アルフォンス・ミュシャ)の巨大絵画に感動した時の経験を思い出した。
稲岡大志「スポーツとはなんだろうか?」(同書: 18-22)で、バーナード・スーツ『キリギリスの哲学』(※著名なゲーム定義論を提示したことで知られる、ゲームスタディーズでは重要な著作のひとつ)を参照していたり、長門裕介「プレーオフの優勝決定戦に納得がいかないのはなぜか?」(同書: 24-27)も年間のゲームデザインに関わる話としても読めたり、ゲーム研究的な節もよかった。
原虎太郎「差別的な冗談を面白いと感じるのは悪いことなのか?」(同書: 128-132)、遠藤進平「質問をしただけなのに怒られるのはなぜか?(」同書: 178-182)は、Twitterでよく見るお笑い批判・ハラスメント発言批判をもう半歩〜数歩先の目鼻のついた批判に進めるきっかけになりそう。
Tirrell 2012. Genocidal Language Games. という論文がルワンダ虐殺前夜の言説を分析して、『虐殺器官』(伊藤計劃. 2007. 早川書房)における「虐殺の文法」に通じるような言説環境の条件を挙げているらしい。朱喜哲さんの紹介文より。(同書: 194-8)
最後の方の二節使った「妖怪弁神論」(根無一信 ねむ かずのぶ)による宣言、前節で「弁神論は現代では用済みになりそうだ」とレヴィナスを引いて言ったその刀で「妖怪が伝承されてきた諸々の必然性を説明づけるのに弁神論はうってつけ」と言い出す(同書: 251)。今後の展開が気になる。
他の例示してない節も、いい話は多かった。なんというか、実に勝手な妄想であることを断りつつ、「SNSでイキれるだけの十分な知的バックボーンはある優秀な学生が、この著者陣の人文カラテで次々ふわっと投げられる」ような光景が想起された。「今のはメラゾーマではない、メラだ」感も含めて。自分も社会学の学部生向け教科書に寄稿してるので、インサイダー的な方向性でも勉強になった。自分の場合はissueをふんわり渡す感じで仕事をしたが、この『すごい哲学』は大学卒業以降のビジネスパーソンめがけてもissueで殴りつけるようなパンチの伸びが感じられて、いいですね。
あと『すごい哲学』の紙書籍としての面��いところ、「ノンブルが見開きページの左側に2ページ分ずつまとめて印字している」ことですね。たとえばp.149にあたる頁の左下隅に"149/148" と書いている(右頁がp.148に当たる)。
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稲岡大志他編『すごい哲学』読了。古の哲学者云々ではなく、最近の哲学者が取り組んでるあれやこれのトピックを取り上げるというありそうでなかった(?)哲学入門書。トピックが51個あり1個数ページなのでサクサク読めておもしろい。タイトルや帯の"やらしさ"で敬遠するには惜しい一冊。
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哲学というと昔の人の難しい言葉を学んでいる、というイメージだったが、身近なテーマを哲学的に考えて研究するということが行われているんだなぁと驚いた。
日頃なんとなく思っていることをそれがどういう理屈でそうなのか、それとは異なる考え方はどういう物がありそれは何に基づくものなのか、あらためて突き詰めて考えてみることはなかなかおもしろいものだと思った。
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普段、何気なく思っていたり感じていたりすることを言葉で表現されている。
ここで表現されている内容を、改めて自分の中で再解釈することで、より一歩踏み込んだ学びにつながる
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面白い着眼点の哲学の研究を紹介している?
飛ばし読みしたが、それぞれは問いと研究のアプローチを紹介しているレベルが多く、いまいち面白いと思えなかった。
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ネタ本としていい。論文までにはならないけど、何も書かないのはもったいなかったり、その先の展開があるトピック色々みたいな感じ。
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現代生活における哲学を説いた書。日々過ごす中で違和感ある言動や出来事が多々ある。これは、これまで自分の無知からくるものと思っていたが、背後にある哲学が理解できていないことからのようであるとこの本を読んで思った。
序文の、
「哲学とは、「真・善・美」を問う学問である」との表現が、まさにと感じる内容ばかりが掲載されていた。
2×3、NIMBY、進次郎構文、スペイン語のエピソードが印象に残った。