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主人公クロエの、生い立ち、家族、父による犯罪、そして現在の、環境。素晴らしい夫となるであろうダニエルとの結婚を控えての不安や、トラウマ!
その全てが、よく、練られていて秀逸だった。
クロエの気持ちがわかるし、極限の、不安、次々明らかになっていく数々の、事柄!
どんどん読んでしまう。
ストーリー展開も、早い。
突然、大学時代の話が出て来たり、薬物依存的な所とか、無くても良かったかな?と思ったり。でも、必然なんでしょうね!
デビュー作らしいけども、次作も、読みたいな!
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連続殺人犯を父に持つ主人公・クロエの周囲で父と同じ手口を用いた殺人事件が発生するサスペンス小説。文章は比較的読み易く、デビュー作にしては構成も上手いが、それ故に既視感があり過ぎる展開に終始してしまったのが残念。ラストのどんでん返しによって明かされる真犯人も(主人公と当該人物の距離感から)何となく予測していたパターンのひとつだったので、然程驚きもない。何より、今作のように物語全編を主人公の心理描写でベタ塗りしてしまう作品は外で起きている実際の出来事を必要以上に矮小化してしまう傾向があり、苦手なのですよね…。
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少女6人を殺害したとして父親を逮捕されたヒロインのその後を過去を振り返りながら語られる。丁度その頃、20年前の事件を模した連続殺人事件が起き、ヒロインが疑ったのは、、と言うミステリー。犯人探しも二転三転で全員が怪しく見えるし、最後まで楽しめたが、少し欲張りで詰め込み過ぎた感があった。
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20年前の連続殺人犯の家族の周りでそれを模倣したかのような連続殺人が起こる。
最初はなかなか面白かったが、ミスリードのためなのかエピソードが盛り込みすぎで全体的に長い。
それなのに結末は想像通りでちょっと残念。
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闇が濃い… 加害者家族の十字架を背負った女性、心理的恐怖がエグいミステリ #すべての罪は沼地に眠る
■あらすじ
臨床心理士である主人公のクロエは、いつも心の傷手を抱えて生きていた。20年前に父親が少女連続殺害で逮捕をされており、自身の人生に影響を与えていたのだ。
ある日彼女の周りで、過去に起こった同様の少女殺害事件が発生してしまう。自らの人生にさらなる影響を恐れたクロエは、父の事件との関連性を調べ始める…
■きっと読みたくなるレビュー
丁寧な起承転結、いい意味でスタンダードなサスペンスミステリー。
ハラハラしながらも、少しずつ状況が明らかになっていくプロットが上手で、どんどん読んじゃいます。
特に後半の怒涛の展開は読み応えたっぷりで、まるでサスペンス映画を見ているような臨場感。いやー、面白かったです。
そして本書一番の読みどころは、主人公クロエの心情描写。人の心を扱う職業である臨床心理士なのに、誰よりも心が落ち着いていない。
唯一信用できる婚約者をだけを頼りに、加害者家族という十字架を背負いながらも、冷たい世間の中を歩んでいく。過去のつらい心の傷があまりにも痛々しく、そりゃこんな疑心暗鬼になっちゃうよ。
それにもかかわらず、彼女には心を乱される展開が次々襲い掛かる。必死に助けを求める叫びが、リアルに聞こえてくるんです。もう、やめてあげてっ
しかし事件に巻き込まれると、平穏無事な日常生活は送れなくなってしまいますよね… リアルな心理的恐怖がエグかった作品でした。
■ぜっさん推しポイント
「闇が深い」「心の闇」といった表現がある。
普段の日常生活や社会生活では表には出てこないが、ある不幸や恵まれない環境をきっかけに誕生してしまう心の隙。
本書ではこの「闇の濃さ」がスゴイ。
登場人物ひとりひとりが隠蔽したい真実が深すぎるんです、そして後悔の念も強烈で…
人間だれしも、ひとつやふたつ、暗い過去や黒歴史なるものがありますが、逃げたり隠し続けていたら、胸を張って生きられないんでしょうね。やっぱり自分に正直に生きたいなと決意しました。
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クロエにとって夏の湿地は最高の遊び場だった。しかし、12歳の夏に一変する。
湿地で少女六人を殺したとして父が逮捕されたのだ。遺体は見つからなかったものの、父は有罪判決を受けた。
それから二十年、連続殺人犯の娘として生きるクロエは様々な心の傷に苦しみながらも臨床心理士として成功し、結婚を控えていた。
そんな折、またしても彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件が起こる。
父と同じ手口を使った犯人の目的は?
ザリガニが出てくるとなると、あの小説やその映画化作品を思い浮かべますが。
臨床心理士が処方箋を出せる州がアメリカにはあるのが驚き。心理描写が中心だが、なかなかのページターナーである。ツイストのためのツイストになってしまっているのが残念でした。
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臨床心理士であるクロエは、20年前に父が連続殺人犯として逮捕されるという重たい過去を背負っていた。
だがその傷を乗り越え、またそのことがあったからこそ心理士という職に就いたのかもしれなかった。
そのクロエが結婚を控えている最中に彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件がおこる。
何故か父と同じ手口なようで、彼女は混乱する。
いったい、誰が?何故?父の模倣犯なのか?
接触してきた記者は信用できるのか。
婚約者には過去の全てを話しているから彼なのかもしれない。
そういえば、彼の家族のことは知らない。
婚約者をよく思わない兄のことも気にかかる。
兄は、何か知っているのか。
施設にいる母は、喋ることができない。
父に会いにいく気はない。
精神的にまいっているなか薬で凌ぐ。
記憶が曖昧、過去のことか現実か。
危機迫る場面が幾度かあり、ラストに驚きが…。
最初から父の事件では遺体は見つからず、父がことばを発することはほとんど皆無と言ってもいいくらいだった。
嘘で罪を背負ったとしても後悔はしない。
自らの自由を犠牲にしても。
母もまた覚悟を決めたのだろう。
だがそれも辛く苦しい選択だ。
クロエの心理的状況が危機迫るほどに描写されていて、苦悩する様子がとても伝わってきた。
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ステイシー・ウィリンガムのデビュー作。
15歳の少女6人を誘拐し殺したとして捕まった父を持つ、クロエが主人公。20年を経て、非常に似た事件がクロエの周囲で起こる。犯人は父の模倣犯なのか。
伏線が非常に丁寧に張ってあったり、意外な事実もあり。登場人物が少なすぎて展開が読みやすい、ある程度想像しやすいという点はあるけど、良かったと思う。
ただ、ヒロインのクロエ、婚約者のダニエルなど、主要メンバーがことごとく魅力的ではない。イライラさせられる言動が多いというか。殺人犯の娘という、明るくなる要素なしなのもあるが。。。
あと、致命的に邦題が悪い。沼地出てこない。そこまで出てこない。「ザリガニの鳴くところ」とか、その辺りを期待して読むと良くない。