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この世界で僕の存在と彼女の存在とを結びつけているものなんて、実際には何ひとつないというのに。たとえどこかの通りですれ違った時しても、あるいは食堂のテーブルで隣り合わせたとしても、互いの顔を認める可能性なんて(おそらくは)まったくないというのに。僕らは二本の直線が交わり合うように、ある地点でいっときの出会いを持ち、そのまま離れていったのだ。
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「石のまくらに」というタイトルに綴られてるこ"ある地点で〜"の一文がとても好き。時々読み返したくなる。
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久しぶりの村上春樹作品。一人称単数で書かれた8つの短篇。どの作品も、どこを切っても村上春樹エッセンスが詰まっている。自伝的な要素が強く、『ヤクルト・スワローズ詩集』は完全にエッセイとして読んだ。
文章はもうべらぼうに巧く、村上春樹節全開で、にやにやしながら読めてしまう。ただ、短編集全体として、ざらりとした読後感、ネガティヴな、何かスッキリしないものが残る感じがあって、あんまり再読したくない気分になった。(個人的には癒しの読後感残る作品が多い『神の子どもたちは皆踊る』が好きなので)
『石のまくらに』はいかにも村上春樹っぽい男女の関係だけど、短歌が取り上げられているのはちょっと珍しい。あまり村上作品で短歌や俳句は扱われてこなかったような? 『品川猿の告白』は日常の中にすぅっとあり得ない存在が忍び込んできて、それでいて普通にやり取りが進む感じがいかにも村上春樹。騎士団長登場シーンを彷彿させる。この2篇が自分的にはベスト。
チャーリー・パーカー、ビートルズ、シューマンの謝肉祭、ブルックナーといった音楽、ヤクルト・スワローズへの愛、村上春樹氏が大好きなものと自分自身の大好きなものがいつもダイレクトにリンクしないのが、最後のところで村上春樹作品にのめり込み切れない要因なのかもと思った。あ、でも巨人に対するアンチ感情は100%共感できた。(自分は中日ドラゴンズファンなので)
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村上春樹の短編小説はあまり面白くないのが多いのだが、これは面白かった。村上春樹は長編小説で不思議な世界を描くことが多いのだが、品川猿なんていうのは騎士団長並みに面白いと思いました。
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うーんよくわからなかったです。
村上春樹の作品は初めて読みましたが
これを初めに読むべきではなかったですね。
何冊か読んでからまた読み直すと
評価が変わりそうな作品でした。
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人生のいちばん大事なエッセンス、それ以外はみんなしょうもないつまらんことばっかりや。
ぼくらの人生にはときとしてそういうことが持ち上がる。説明もつかないし筋も通らない、しかし心だけは深くかき乱されるような出来事が。そんなときは何も思わず何も考えず、ただ目を閉じてやり過ごしていくしかないんじゃないかな。大きな波の下をくぐり抜けるときのように。
人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりはむしろ、「どのようにうまく負けるか」というところから育っていく。
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2023.02.18 読了。
面白かった。
感想はブログにて。
https://newblushingviolet.com/ichininsho-tansu-8/
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日常の情感をいろいろな言葉で上手く表現できるのはさすが。チャーリー・パーカー プレイズボサノバは大好き。
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若い時、よく村上春樹を読んでいた。
当時はただ単純に「面白い小説」というだけで読んでいたが、歳をとると、特に村上春樹の描く男と女の間が、超軟水のようにスゥっと身に入ってくる。
本に登場する音楽を聴きながらどうぞ。
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過去に起こったことを大人になって振り返る短編シリーズってかんじなんかな
「クリーム」なんて地元神戸の話やったし、村上春樹が育った場所やしなんか親近感あったわ。(西宮在住、神戸高校卒)
ヤクルト詩集なんて作者の趣味やし、作家になるきっかけになった神宮球場とか聖地やん。野球ファン兼読書家からすればますます神宮球場行きたくなってきたわ。くそ弱くて(自虐)芝生で寝転んでビール飲みながらヤクルトのボロ負けする姿みるとか自身も認めるくらいの自虐含みまくってるやん。
オトンが阪神ファンやからって理由であんまり親しくなかったとか野球あるある。
万年Bクラスいわれてた時代から初優勝したタイミングで小説書いてデビューして、その先も神宮球場行きたいがために徒歩圏内で家探すとかガチのヤクルトファン。そりゃヤクルト名誉会員なりますわ(村上春樹なんて世界レベルで有名な作家やし)
個人的には品川猿のストーリー好きかな
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学生時代姉の本棚で見つけた「風の歌を聴け」が村上春樹との出会いだった。
クールだけど親密さも持ち合わせた独特な雰囲気の小説は勿論、軽妙洒脱なエッセイから滲み出る人柄にも魅了され「それがどうした」「だからなんだ」を座右の銘にしたり「中国行きのスロウ・ボート」を携えて家出をしたりと今から思えば黒歴史な日々を過ごしたことも...。
現在は価値観の変化もあって読み逃しているものもぽろぽろある、まあほどほどのファンとして村上作品と付き合っている。
本書は冒頭の作品の余りのnot for meさに愕然としたが二作目で持ち直し結果的には楽しく読んだ最新短編集。
良い意味でも悪い意味でもとても村上春樹らしい一冊なので初心者の人も入門編として是非。
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久しぶりに村上春樹さんの短編集を読んでいます。『ウィズ・ザ・ビートルズ With The Beatles』という4つ目の物語を読んで、こういうのは村上春樹さん特有の雰囲気が出ているなと感じました。
主人公と高校生の女の子が付き合って、何の問題もなく時を過ごして、でも20歳の頃に別れて、35歳になるまでそれ以来一度も会わずにいたら、女の子の兄から「妹はもう死んだ」ときかされるというような展開。女の子は結婚して、子どもが二人いたのに睡眠薬を飲んで自殺したということなのだが、さかのぼって20歳の時に別れた理由が、主人公が東京の他の女の子を好きになったせいであり、「彼女が僕の耳の奥にある特別な鈴を鳴らしてくれなかった」からということが語られる。またその彼女は「自分はとても嫉妬深い」ということを付き合っているときにさりげなく主人公に伝えている。読み手はそれをつなげ合わせて、彼女が自殺した理由をなんとなく推察するものの、決定的に僕との関係が原因だったということについては物語の中では語られず、人生はそのような決定的な原因が曖昧なまま、すれ違いによって織りなされることが真実であるとでもういうように半ば冷たく伝えて物語が閉じられる。
終盤の短編である「品川猿の告白」と「一人称単数」は正直に言って全然面白くありませんでした。
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村上ワールド全開!
フィクションなのに、現実にあった出来事のように感じる。再読するとさらなる味わいが出そう!
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村上春樹自身のエッセイとも取れるし、エッセイをふんだんに取り入れつつもノンフィクションを絡めた作品とも取れるような一冊。
この際フィクションかどうかなんてどうでも良くて、ただただ文章にのめり込めて読んでいる時間が幸福で、読み終わるのがなんだか寂しい、と思える作品が久しぶりで、満ち足りた気持ちになれた。
勝手な想像だけれど、大筋はノンフィクションで、そこにあってほしかった話やあるべきだった話、そう伝えれば読者により伝わりやすくなる話、作者本人の中でイメージとしてあった話、のうちの何かを追加したのかな、という印象だった。
関西圏に住む野球ファンとしては、ヤクルトスワローズの話が物凄く面白かった。
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短編集から入るのは正攻法ではないとは思いつつも、初めての村上春樹作品。電車の中で一日一話ずつゆっくり。意外と読みやすかった。
フィクションともエッセイとも取れるような、よく分からないようでなぜか共感できる気もする文章に気づいたらハマっていたかも。知り合いの何気ない話を聞きながら、気づいたら我を忘れて考え込まされていたような読後感。
まだこの方がなぜこんなに評価されているのかはまだ正直分からなかった(短編集ゆえ?)けど良い足がかりにはなった 別作品にもチャレンジしたい
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バードが夢の中でボサノヴァ音楽を演奏してくれた話の締めくくり
「信じた方がいい。それはなにしろ実際に起きたことなのだから。」