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人生において本当に重要なもの、それは他者との関係。最初はなるほどと思って読んでいたが、途中からだんだんついていけなくなってしまった。自分の語学力、理解不足が原因かもしれない。
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とても面白かった。「残酷すぎる」とは完全に大袈裟だけど。プロファイリングを否定したり、デール・カーネギーの名著「人を動かす」の正しさを検証したり、ペテン師サッカー選手や森の中で生きた世捨て人の話が出てきたりと、様々な人物やエピソード&エビデンスを紹介しており、とにかく飽きさせない。「コンピュータが人間のようになる危険性は、人間がコンピュータのようになる危険性ほど大きくない」という一文が妙に心に残った。そして、やはり人は1人では生きられず、孤独感の毒性の強さを再認識した。訳もよく、読み易かった。
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内容は誠実で前向きで、根拠に基づいていて、とても好感の持てる内容。支持できる。
ただ書名や副題等が「売らんかな」の意欲満々で好きになれない。原題「Plays well with others(他の人とうまく付き合うには)」とはだいぶ離れている。
大きくつぎの3つの質問に答える形で進められる。
・「頼れる友だち」は実在するのか
・愛こそすべて?
・人はひとりでは生きていけない?
自分の直感や経験から思うところと、統計上の結果がちがうことが多く提示されていて面白くてためになる。自分はよろしくない判断と行動をしてきたと気付かされた。
必要なときの友だちは本当の友だち?、他人の身になって考えることの効果、結婚生活の長短と喧嘩の関係、愛を科学的にあたためなおす「四つのR」、の辺りはメモを取りながら読んだ。
それ以外にも面白かったのは、警察のプロファイルの信頼度、共感能力の低下とその理由、など。
そしてなんといっても処置方法の違いによるプラセボ効果の度合いと発生する理由。なるほどなあと深く頷いたというか、うるっときた。
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残酷すぎる人間法則
◆幸福にとって最も大切なのは社会資本(他者との関係)で、社会的・経済的成功はそれを実現するツール
ex.イーロンマスク
◆本書→人生の意味とは帰属すること、共同体に包摂されることが幸福への道
監訳→共同体から追放されたのではなく、自らの意思で自由と自律を選択し、その結果として孤独という代償を支払うことになったのではないか
◆人間は意味のないところに意味を見出すもの(すべて理に適っている)
→自分の周りの世界をコントロールしている、と思いたい
◆女性のほうが人の心を読み取れる
→モチベーション。女性のほうが関心が高く、熱心
→餌をぶら下げれば、怠け者の脳が働き出す
ex.恋人が取られそう
◆多くの人は、記憶は完璧なビデオカメラのように作動すると思い込んでいる
→実際は、記憶は時間の経過とともに歪んでいく。詳細を忘れ、出来事を再構成し、自分が正義のヒーローや無実の被害者になるべく、物語を変えていく。そうして私たちは癒され、物事を過去のものにすることができる。
◆確証バイアスを防ぐ
①説明責任を果たす
②判断する前に距離を取る
③反対の立場から考える
④2度目のチャンスをあげる
◆友情はないがしろにされている
→ポジティブな要素の宝庫でありながら、配偶者、子ども、さらには同僚よりも後回しにされる
→夫婦関係な子どものためにはカウンセラーを雇うのに、友情のためには何もしない。絶えるに任せてしまう。
◆友だちとは、もう1人の自分
→自分に対するように、互いに心を寄せる関係で、友人とは、もう1人の自分である(アリストテレス)
→真の友人とは、言わば第二の自己である (キケロ)
→私たちひとりひとりの人生に一人の友人がいる。その人は、どんなに大切で愛しい存在でも、別の人間ではなく、自分自身の拡張であり、解釈であると思える (イーディス・ウォートン)
◆本当の共感
・共感とは→自己と他者の境界線が曖昧になること
・親密さとは→あなたの自己イメージの中に、他者を内包すること
・友人とは→もう一人の自分。あなたの一部
◆今日、何が起ころうと、WSの人々は、明日もまたすべての人を愛し続けるのだ。恐れることなく、人間性の最善の部分を体現しながら。
◆友情はコストをかけるとつくられる
①時間をかける
②弱さを見せる
◆恋愛は強迫性障害に似ている
→好きな人のことが頭から離れない。自分の注意をコントロールして、責務の方へ向けることができない。
◆恋愛に分別のある人は、恋愛ができない
→不合理な忠誠心こそ肝心
◆美や健康を保ちたいと思ったら、日々意識して取り組まなければならない。愛もそれと変わらないのだ。
◆やがて思い込みがどんどん膨れあがり、あなたはパートナーと会話するのではなく、相手が何を言うか「わかっている」自分自身とだけ会話をするようになる。また、「相手は知っているはず」という理由で、説明���求めたり、言葉にしたりしないということもある。
◆離婚につながる4つの地雷
①人格に対する批判 (主語がYou)※女性にありがち
②拒絶(無視、だんまり)※男性にありがち
③自己防衛 (責任転嫁、言い訳)
④軽蔑
◆愛を温め直す4つのRーー愛するとは動詞である。動詞化を始めよう。
①リキンドル : 自己拡張で想いを再燃させる
→カップルが共に学んで上達していると感じられることをしていると、愛が増す
→「快適」より「刺激」
→もう一度恋に落ちるには、最初にパートナーと恋に落ちたときにしたことを再びやってみる
②リマインド : 「愛情マップ」で、親密さを思い起こす
→価値観をすり合わせ、自分たちだけの小さな宗教をつくる
→二人の文化は、独特の儀式によって支えられる(ex.朝のコーヒー、夜に良いニュースを話す)
③リニュー : 「ミケランジェロ効果」で、親密さをアップデートする
→相手がよりその人らしくなれるよう励ます
④リライト : 「共有の物語」を何度も書き換える
→2人にとって理想の物語を
◆孤独とは、一人でいることではなく、意味のあるつながりを感じられないこと
◆何百万年も前に組み込まれた生物学的な配線が、いまだに意味のあるつながりを必要としている。孤独は、個人的な苦悩というより、文化的な病理なのだ。
◆なぜ私たちは、お互いにではなく、テクノロジーにばかり手を伸ばしてしまうのだろうか?
◆つながりへの欲求は、快適さへの欲求より奥深くに植えつけられている。だから物事が客観的に最悪の状態にあるときこそ、人間は最善の状態にあるのだ。
◆私たちを殺したいなら、放っておけばいい。自分たちでそうするから。強くしたいなら、攻撃すればいい。私たちは団結するだろう。
◆強者は、「合理的な」行動や利己的な生存を選ばなかったのだ。彼らは本能の赴くまま、人間の本性のままに行動した。弱者を気づかうという、一見、不合理な選択をしたのだ。
◆人生の意味とは、帰属すること
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結婚前に同棲したカップルは情熱を同棲時に使い果たすことが多いので離婚も多い。
4年目が肝。
わかる気がしますね。
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前作同様、洋書特有の具体例だらけであった。しかも日本人にとってはなかなかピンとくるものではなく、それがなおさらこの本で主張したいことをわかりづらくさせたと思う。文字数がやけに多い本だったが、結局は、人は一人では生きていけないから何かに帰属せよ、ということだ。
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人間はやたらと嘘を付き、そして人間は他人の嘘を見抜けない。
しかし、人は他の人と繋がっていないと生きていけないような遺伝子を持って発達してきた。これにより、人は協力、集落内の連携を余儀なくされ、おそらくもっと知能が高かった可能性の高いネアンデルタール人を滅ぼして生き延びた。
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沢山の事例を元に〝幸せ〟になるには対面の人の繋がりに身を置くことでのみ得られるとした。
人生を幸福にするものは、①個人としての成長、②愛に満ちた人間関係、③コミュニティへの貢献。
現代の成功は、努力し、個人的能力を高め、お金を稼ぐ事、裕福な生活を送る事、と考えがちである。しかし、私達の体は数百万年の原始時代の経験でできており、そこには、他者と協力する事が、我が身を生かすのに最も重要であり、それに繋がる出来事に、快楽・幸せを感じるようにできている。
友人のグループを持つこと。これを継続することに努力を注ぐこと。これを意識して生活したい。反対にこれ以外の要素(例えば、仕事の良し悪し、お金の損得)は些細なことであり、あまり気にせずとも良いと感じた。大らかに生きていきたい。
以下、本書各章のエッセンス。
第1章
人は第一印象で相手の性格を見分けることができる。しかし、相手の嘘を見破る事はできない。
第2章
真の友人とは、もう1人の自分。あなたの一部。
第3章
これまでの結婚は、生きるための繋がりを得るために必要な物だった。しかし現代は、個人でもいきれるため、愛によるものに変化した。
この変化は人類史を通じて現代が初。結婚生活の幸せが、個人の幸せの超重要因子になった。上手くいけば幸せに、上手くいかなければ不幸せになる。
第4章
私たちは、富や名声を得ることを重視するが、これは人の満足感に繋がらない。人生を幸福にするものは、個人としての成長、愛に満ちた人間関係、そしてコミュニティへの貢献。
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人間関係なんて傾聴すればいいんでしょと安易に考えてはいけまそん。テロリストや情緒不安定な人には傾聴が有効だが家族に傾聴は効かない。
人生においてただ一つ、本当に重要なものは他者との関係だ。
バーナム効果→占いなどの結果をあたかも自分のことを言われていると感じること。人は世界があたかも理に適っているようでありたい。そのため真実ではなくてもストーリーを必要とする。
人の心を読み解くには興味、モチベーションを上げること。それにプラス外的利益や損失が加わればさらに上がる。女性の方が興味関心を抱きやすいから男より敏感。
真実を知りたければ親切にして相手に長く喋らせること。
- 共感とは何か。自己と他者の間の境界線が曖昧になること。どこまでが自分でどこからが他者なのか混乱するようになること。
- 親密さとは何か。あなたの自己のイメージの中に他者を内包すること。
- 友人とは何か。もう1人の自分、あなたの一部。
友達になる方法は2つ。
1. 膨大な時間をかけること
2. 弱さを見せること
結婚
パートナーが自分をより良い面白い人間にしてくれてると思えるといっそう愛が深まる。
刺激的で挑戦的なことをする。ふれあいや挑戦、遊び。
孤独とは1人でいることではなく、意味のある繋がりを感じられないこと。ソリュートとロンリネスの違い。
子供の頃に人気がある人は、学校で成績が良く強い絆で結ばれた結婚生活を送りより良い人間関係を築きより多くの収入を得る。地位と好感はトレードオフの関係。好感を追い求める方が幸福度高い。
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徐々に言説はボルテージを上げ、本書のクライマックスでは「人生の意味」に辿り着く。ミッシングリンクをまた一つ見つけたような気分。または、人類の設計図の1ページを手に入れたような興奮が得られた。
ホモサピエンスが自分たちより優秀なネアンデルタールに勝ち得たのは集団化する力であったとか、人間には利己的な合理主義だけではなく、最後通牒ゲームに象徴されるような非合理性も持ち合わせているとか。孤独は身体に悪いとか。つまり人間は、社会関係構築を前提に作られて(あるいは、そうした性質が生き残り)、良好な関係性や作用は、人に生きがいを齎すのだ。
生きがいにまで踏み込んで解説したのは、私にとっては本書が初めて。人生においてただ1つ、本当に重要なものは、他者との関係だと言い切る。
私たちは嘘を見抜くのがとても苦手だ。ところがこの弱点こそが、集団的な強みなのだ。私たちのデフォルトは互いを信頼し合うこと。力を合わせて働くことだというのだ。
fMRIに入った被験者に慈善事業への寄付について考えてもらうと、食べ物やセックスで起動するのと同じ神経回路が活性化することがわかった。
利他主義は私たちの遺伝子の中にまで、組み込まれている。
更に、プラセボ効果について触れる。プラセボ効果というのがあるらしい事を私たちは知っている。しかし、それがどうして起こるのかは、知らないままでいた。
今やっていることを止めて、気にかけろ。気遣いは、プラセボ効果の中心となる作用だというのだ。プラセボがプラセボだと知らされていても、効果があるのはそのためであり、誰かが私たちを気にかけてくれて、より注意を払ってくれるほどより有能に見えるほど、私たちの体はそのことに気づく。人生の意味とは、帰属すること。協力し合うこと。気にかけてくれていると体が気づくとプラセボ効果によって病状が改善するのもそのためだというのだ。
しかし、人類の負の側面もある。人類のずば抜けた能力は「物語を共有する集団内」で機能するが異なる物語を持つ集団のメンバーを殺すのはいとわない。では、どうすればいいのか。物語を増やすこと。属する物語を共有する事だというのが本書の結論。その正しさは、既に経験的に知っているような気がする。ただ、領域が広すぎて、上手くやれないから困っている。
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総じて言ってしまえば、人との関わりは超大切だよ、という本。
印象付のミス、友だち作り、円満な結婚生活、人とのつながりを作る、これらへの対策についても書いている。
ただ、この手の新聞コラム寄せ集めみたいな構成にありがちな欠点がある。
例示が多く、結論を系統だってまとめないので読みづらい。
たしかに、良いこと書いてるなと思う部分もあるんですが。。
以下、心に残ったところ。
▼印象
第一印象の七割は正しく、30%の不正確さは脳のバイアス。
確証バイアスは
説明責任を果たす、判断する前に距離を取る、反対の立場から考えてみる
で回避。
▼友だち
友人とは、もう一人の自分。あなたの一部。
人生において、とても大切。
▼愛
充実した人生に愛は必要。
結婚生活が上手くいっているなら健康になるし、幸福度もあがる。
離婚は刑務所以上のストレス。
▼人との繋がり
プラセボ効果で治癒力が上がる。
災害時の協力で幸せ度が上がる。
コミュニティに生きるのが人間。
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有名な自己啓発本やこれまで信じられていた成功に関する様々な言われてきたこと。それが心理学等による科学的な実験で検証してみた。というのが本書の内容である。
個人的に思うのは、科学的に検証できてない=逸話という論法はおかしいということである。
科学は日々進歩している。私が学生だった30年以上前に信じられていたこともその多くが覆されている。あまり良い例ではないがたとえば人の脳はコンピューターを真似たもの。コンピューターには記憶容量の制限がある。故に人間もたくさんのものを覚えておくことは困難である。記憶は有限というそれである。
実際は人間は忘れる。覚えておきたければ何度もその情報にふれる。もしくは思い出すという行為を繰り返さなければならない。フォン・ノイマン型のコンピュータは基本的に忘れない。記憶容量を開けたいのであれば、ある論理で優先度を設定してそれを捨てるということを意識的にプログラミングせねばならない。これでやっと「忘れる」が実現できるのである。
話は大幅にそれてしまった。研究結果がないからそれは正しくないと断じるのは全くのところセンスがない。正しいかもしれないが科学的なファクトは得られていないという認識に留めるべきであろう。
とはいえ、本書の内容は非常に興味深い。これまでは自己啓発本の作者の経験などを信用することにより信じられてきたこと。これが科学的に説明できているのである。そういう意味では非常に価値がある。