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ポスト資本主義として「脱成長」を目指そうと言うと、社会を抜本的に変えるかのように感じるが、実態は”成長”に対する規制範囲を広げていき、規制内での成長が難しくなることで結果的に到達する社会のように感じた。その過程で、成長を測るGDPの重要性が下がり、人権や自然といった規制対象へのインパクトを測る新たな指標が重要になってくる。どこで資本主義が終わったかの判断は、未来の歴史家に委ねればよい。
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現代では疑う余地もなく運営されている資本主義経済・経済成長に対して本質的な一石を投じている作品。内容はすごく学びになったが、個人的には読みにくさがあった。。
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今日の資本主義の原動力となっている「成長主義」を否定し、平等で幸福かつ地球環境保護にもつながる「脱成長」を基軸とした社会民主主義的な政策を提言する一冊。
著者は、資本主義の起源が封建社会崩壊後の上流階級による農地の囲い込みや、西欧諸国によるアフリカ諸国の植民地化にあり、それらはリソースの「人為的希少性」と「交換価値」の追求をドライバーとした際限なき”経済成長ループ”により、先進国の発展をもたらす一方、グローバルサウスの天然資源や労働力の搾取といった犠牲の上に成り立っており、さらにその根本には啓蒙主義に基づく二元論、即ち優れた科学的知性を持つ人間が、外部世界である自然を支配できるという思想があると分析する。
人間も地球のエコシステムの一部であり、自然環境にも人格を認め、敬意を払って必要以上に搾取しない古来の「アニミズム」思想へ回帰することで、全ての国や産業を成長させ続けるのではなく、ウェルビーイングとプラネタリーバウンダリーの観点から成長を限定し、「交換価値」から「使用価値」を重視する「脱成長社会」へ移行すべきとする著者の主張は、あまりに理想論過ぎて実現に向けた具体的な道筋は全く見えないが、誰もが当然として疑わない「成長」に対する問題提起は、特に先進国に住む我々一人ひとりが「足るを知る」ことの重要性を問いかけている。
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今の資本主義を続けていては確実に地球システムが崩壊し人類が滅びると警告している本。
多く欲するほど貧しくなり、必要最低限しか求めない方が豊かになる。自分はミニマリストではないが、この考え方は非常に同意する。
仕事で東京によく行くが、あれだけ発展して何でもある都市なのに、何故まだ開発を続けるの?と思ってしまう。これが一部のエリートのエゴなんだと思うとなるほどと思ってしまう。自分は子供達の世代でも地球で安心して過ごせる様、必要以上に求める事はやめておこうと思います。
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英語で書かれているというのはすごい。定常経済論は広井良典とかいろいろあるのにこれが新しいように見えちゃう。江戸時代を見事にパスっているのは意図的なんだろうか。
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私たちは経済成長をいいものだと思っているが、必ずしもそうではないのかもしれない。
この本は今まで当たり前に思ってきた価値観が、資本主義によるものであり、それが環境問題や労働の搾取にもつながるもので、あらためて考え直してみる機会をくれた。
資本主義は、限りなく成長を求めさせ続けるもので、財やサービスの生産は、それがどのように役にたつかという使用価値でなく、より利益になるようにと交換価値に重きをおくものになっている。
そして、人為的に希少性をつくることで、あふれるほどの富がありながら、満たされることなく、より成長を求めて、自然や労働が搾取されていくような状況をつくっている。
資本主義は、いい面もあったかもしれないが、餓鬼道(仏教でいう、欲が決して満たされず苦しむ世界)をこの世につくってきた面もあるな、と考えさせられた。
最近、この本のように環境問題や格差など、資本主義の欠点を指摘する本が増えていて、マルクスが見直されたりもしている。
ただ、富裕層叩きや権力者批判とか、陰謀論とかそんなものでは何も解決しない。
この本もそのようなものではなく、社会全体的な構造に問題があり、個人では解決しない難しいところがある。
少なくとも学ぶことには意味があると思うし、学ばなければ、正しい理解も行動も生まれないと思う。
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筆者の言うことはアタマでは理解できるのだが、ココロがついてこないのはなぜだろう?
日本社会は平等や平和という観点で間違いなく筆者のいう世界観に近いものなのに、当の日本人は失われた30年と言っているし、政府を中心に国を動かすロシアは…。
本質が理解できていないからなのだろうが、ナゾは深まるばかり。誰か教えて〜。
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まだ咀嚼しきれていないが、投資へのリターンのために常に成長を求められる現状の資本主義が環境破壊の要因だと、人間と自然を分離した二元論により自然は収奪対象になったこと、などなど。
どこまで信用してよいのかもわからないが、少なくともいろいろなことを考えるキッカケにはなるはず。
たくさんの人に読んでほしい一冊です。
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本書は希望に関する本であると帯に書かれている通り、ほんとに希望に関する本である
それだけでもだいぶ勇気が湧く本でもある
民主主義と資本主義それ自体の限界について述べているということでは共感できた
あらまほしき世界の姿が描かれていて、実際そのようになって欲しいのだが
どのようにしてそのような世界に持ち込むか、また、なぜ過去にあったコミューン的な世界が崩れざるを得なかったのか、どうすれば阻止できたのかについてもう少し検討してほしかった
あと、低成長でも幸せな国があることはわかったけれど、それは低成長と幸せの直接的な相関とか因果的なものとは違うように思う。
ヒントとは思うのでもう少し詳しく知りたいなと思う。
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植民地化=自然や人をモノ化すること
資本主義やGDPの呪縛から解き放たれ、脱成長する必要
安い自然によって経済成長してきた
成長をやめ、自然との互恵性の中で暮らすことが必要
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自分がしっかりと資本主義社会に浸透されていることを改めて自覚した。
今は時代の流れに沿って頑張るけど、今の暮らしにも互恵関係を取り入れつつ生きてきたいな。
自然や世の中から何かをもらい続けることがつまらなくなってきたっていうのもある。消費者なんよな常に。
あと、将来海や緑の近くで古民家暮らしがしたいという思いがもっと強くなったな。
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この手の本はもういいかなと思っていたのだが、あにはからんやとても面白く覚えておきたい箇所が多すぎて覚えられない本だった。経済成長を目標とする限り、人為的に希少性を作り出し、搾取する対象を作り出し、環境問題も格差も収まることはない。ジェボンズのパラドックスはパラドックスじゃなく、資本主義の原理そのもの。変えるのはアニミズム的価値観、広い視野での公平性と謙虚さ。生態系の科学が価値観の変容を促している。納得感が高い。これをみんなが理解したら世界は変わるのではないだろうか。
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なんか同じことをいろんな例え出して書いてるだけみたいで読んでて飽きた。要するに物をたくさん作り過ぎて無理やり買わせて金儲けする奴が悪いと。確かに。でも若い世代はもう気づいてるよね。早く世代交代して世界が変われないとほんとにピンチ。
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大量生産、大量消費。そうした世界にちょっとしんどさを感じていた今日この頃。資本主義のあり方について問う本書はなるほどなと思わされるところがいくつも。戦略会議で右肩上がりのグラフを見るたびに、本当にそうでないといけないんだろうかと疑問視していたので、脱成長が謳われているところに共感。はたして自分の仕事は使用価値を生み出しているのか、交換価値を助長しているのか、考えさせられる。自然回帰な暮らし。不便を楽しむくらいの暮らしが今こそ求められているのかもしれない。
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図書館に他の本を借りに行って、特設コーナーで見かけてタイトルに興味を惹かれて借りた。結果、今年読んだ本の中で一番良かった本になりそうだ。
「資本主義の次に何がくるのか?」という結論が知りたくて先を読み進めたいのだが、なかなか先に進めなかった。1日50ページくらいずつが限度だった。資本主義、物質主義の只中にある私にはヘビーで考えさせられる内容だったからだ。2週間の貸出期限を延長して、今朝やっと読み終えた。
読んでいる途中で夫にも是非読んで感想を聞かせて欲しいと思った。自分の本棚にも1冊欲しいと思った。
買おうとして、ベストセラーなのを知った。
著者の描くポスト資本主義の世界にうっとりする。私たちのこれからの選択次第で、そんな世界もありうるのだ。私が今まで生きにくかった理由もなんとなくわかった気がした。
とはいえ、ここは資本主義の中にある。折り合いをつけながら自分に出来ることを身の回りでやっていくしかない。声高に主義主張を叫ぶのではなく、自分にやれることを愚直にやるだけだ。