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スウェーデンの代表的童話作家による少女小説。父が故郷で農業を始める決意をし、都会から自然豊かな田舎に移住した16歳の双子の姉妹。2人のあだ名はサクランボ。古家を改築し、家畜を飼い、畑を作る。大変な農作業も楽しくこなし、仲間と夏至祭りやザリガニパーティーに繰り出したり…。ユーモラスに展開する各章に、農場の娘として育った作者自身の幸せな記憶が詰め込まれている。(S)
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街から、父の一族に代々伝わる農場に引っ越してきた双子の話。
リンドグレーンは実に生き生きと農場を描くなあ。
自分の体験したことを文章にしていると言ったそうだけど、納得。
って言うか、それを読み鉄きちんと伝える筆力はやっぱりすごい!
そして何とびっくり、今回はティーンエイジ向けで思春期の恋愛が絡んでくる。
やかまし村の子供たちが大きくなったのを見ているようで、恥ずかしいやら嬉しいやら。
リンドグレーンはもっと低年齢層向けの作品を手がけていたんだと思っていたから新鮮だったなあ。
この作家には自分が大人になってから訳出された作品がいくつかあるみたいなので、また少し探して読んでみようと思う。
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ふたごの姉妹。
父親が田舎の農場に帰りたいと言って……。
ステキな家族、楽しい農場生活、辛いこともあるけれども、幸せな生活が描かれています。
淡い恋のお話も、いいな~って思えました。
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サクランボは双子の姉妹。
お父さんの都合で田舎の農園へ引っ越す。
楽しそうで自分もすごしてみたいと感じた。
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田舎ぐらしに憧れる父について農場での生活をはじめる双子の女の子。それは忙しいけれどもとっても楽しい日々でした!
アストリッド・リンドグレーンといえばもう誰もが一度は子どものころ読んだことのある児童書の大家でしょう。リンドグレーンで記憶に残っているお話といえば「はるかな国の兄弟」とか「やかまし村のこどもたちシリーズ」と、絵本で「赤い目のドラゴン」なのですが、これらのお話はそれぞれ楽しい空想の世界を広げてくれるのですが、何か少しの物悲しさが含まれている印象がありました。例えばはるかな国の兄弟では死の印象がとても濃厚ですし、赤い目のドラゴンでは離別、そのほか、つらい現実からひととき明るく楽しい場所にでかける、というお話も多かったように思います。もしかしたら空想を広げることが、生きづらい世の中でも救いになることを伝えたかったのかもしれませんが、それがリンドグレーンのお話の拭いがたい物悲しさにつながっているようにも感じたものでした。
さて、この本はそんなリンドグレーンの初期の作品で、本人も経験したであろう、農場暮らしの一年を楽しく明るく描いています。特に大きな出来事があるわけではないのですが、そこでは辛いはずの農作業も、不便な生活も楽しみに変え、移ろう四季の自然や恵みを豊かに享受する、働く人間の幸せというものを感じさせてくれる、読んでいて幸せになる本でした。初期の作品のせいなのか、いつも感じる一抹の物悲しさではなく、辛いことも悩みも明るく楽しく乗り越えていく双子の姿にとても救われるお話でした。石井さんの訳もよく合っていて、ちょっと大人びた小生意気な女の子が生き生きと感じられて良かったです。
田舎暮らしに巻き込まれる子どもの話といえば、「北の国から」シリーズと照らし合わせながらお楽しみください。