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自然災害などのショックに便乗し、強烈に市場原理主義の経済を導入する。
これをショックドクトリンと定義づけて、論を展開するが、あまりにも強烈すぎる。
一つの側面でしかないのでは、、と思いながらしか読めなかったので残念ながら共感はできなかった。
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新自由主義、シカゴボーイズ批判。面白いけど、長い。
自分の好きなジェフリーサックスが悪者に描かれててて、まぁ実際そうなんだろうけど、ちょっと複雑。
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世間に大きな衝撃を与え深い混迷と退行の中で巧妙にイデオロギーを押し付ける「ショック・ドクトリン」。かつての独裁政権から9.11後のアメリカまで世界各所にその影響が見られる。ショック。ドクトリンの根底を流れる哲学にはミルトンフリードマンなどの「シカゴ学者」たちの大きな力が働いている。
上は世界各国のケーススタディーを提示しているだけなので解決法を探りたい人は下も読まないとならないね。
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遅ればせながら上巻を読み終えた感想。本書を貫いているテーマは「新自由主義と暴力」。新自由主義的な「改革」は格差と貧困を必ずもたらすので、そこから国民のたたかいが起こることは必然。そうしたたたかいを前にいかに国営部門の民営化や非正規雇用の拡大などの新自由主義的「改革」をやるか。答えは力による弾圧である。本書ではチリやアルゼンチン、ブラジル、インドネシアなどの国でかつておこなわれた独裁政権下での虐殺と、それぞれの国の経済顧問を務めたシカゴ学派の果たした役割について具体的に詳細に記述されている。こうした国ぐにでシカゴ学派の実験がおこなわれ、それはひとつの「ショック療法プログラム」としてパッケージ化され、中国の天安門事件、ロシアのエリツィンクーデター、南アフリカ共和国での民政移管期の混乱などを引き起こしたと指摘している。
しかし、当時は独裁政権下での暴力と新自由主義的経済政策は無関係とされていた。(あらゆるカテゴリーをバラバラにとらえ無関係とする社会システム論が果たした罪は大きい)
チリのピノチェト政権下で囚人となっていた前政権の国防相レテリエルは亡命後、シカゴ学派の犯罪性について告発。するとレテリエルはワシントンDCで車に仕掛けられた遠隔操作爆弾によって殺される。この爆弾テロにはアメリカのCIAが絡んでいることも明らかになった。(まるでハリウッド映画!)
そして、国内での労働組合の活動家や、民主的活動家などはじめ数百万人もの人々が行方不明とされた。まさに世代の消滅を特徴とする国家テロだった。このあたりはスターリンによる大テロルとも共通している。
このように新自由主義は、不正を正そうとする人びとや、民主主義を擁護する人びとを徹底的に弾圧することと一体不可分になっている。
今日本ではTPPの推進、原発再稼働のねらい、雇用破壊、集団的自衛権などと一体に、秘密保護法案が審議されている。こうした新自由主義と暴力に対して粘り強いたたかいが必要だと強く思った。
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書評の禁句を使わせてもらおう。「とにかく凄い」。序章と第一部「ふたりのショック博士」だけで普通の本1冊分以上の価値がある。CIAのMKウルトラ計画で知られるドナルド・ユーイン・キャメロン(スコットランド生まれのアメリカ人でカナダ・マギル大学付属アラン研究所所長。後に世界精神医学会の初代議長〈※本書ではユーイン・キャメロンと表記されている。なぜドナルド・キャメロンでないのかは不明〉)と、マネタリズムの父にしてシカゴ学派の教祖ミルトン・フリードマンがどれほど似通っているかを検証し、同じ種類の権威であることを証明している。
http://sessendo.blogspot.jp/2014/02/blog-post_7.html
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アメリカの自由市場主義、惨事便乗型資本主義、
規制撤廃、民営化、フリードマン
ショック療法、CIAによる拷問手法
チリ、アルゼンチン、ブラジル、ポーランド、天安門、ロシア、チェチェン、イラク、南ア、津波、ハリケーン、政変、
危機につけこむ、意識的に招く
自由市場経済と冷酷な弾圧による独裁的政治支配、武装警察の創設、
汪暉 中国の新秩序
中国を世界の搾取工場
外国資本と共産党
億万長者の90パーセントが共産党幹部の子息
共産主義独裁政権とシカゴ派の酷似
シカゴ学派の経済学、植民地のフロンティア
公的領域に新たな利益、民営化、
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この本から得られた知見は私はこの本のレビューをするべきではないことと、混乱が無ければ変化がない、イノベーションとはある種の混乱の困難の中でなされるという事である。
政治・経済については良く分からない。しかし、ショックを起こしたり、そのショックに乗じて変化するということが分かった。エピソードとして、ヒトへの洗脳の話があるが、個人でも社会でも価値観が壊れるようなショックは自ずと変化をもたらす。
私がよく夢想していたのは、戦争や災害で世界がメチャクチャになれば、リセット出来るのではないかということ。一理あるが、破滅と混乱だけに終わる可能性が高い。むしろ、中の人が変化を望んだ時にキッカケとして何らかの混乱は重要だと思う。
変化を望むのであれば、その意味やストーリーを考えるための一つのキッカケになる知見だ。
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「制約のない完全な自由」を標榜する新自由主義の弊害を描いた本。タイトルの「ショックドクトリン」とは、災害や戦争などの大きなショックに便乗して、「復興」の名のもとに既存秩序を一掃し、新たな秩序を作ろうとする「惨事便乗型資本主義(ディザスター・キャピタリズム)」のことです。新自由主義を盲信することへの警鐘なのです。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/03/blog-post_18.html
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できるだけ規制をなくして自由な経済活動に委ねると経済がうまくゆくという、経済的自由主義、新自由主義がどのように世界を席巻したのか、ジャーナリスティックではあるものの明らかにしている。
ピノチェトが引き起こしアジェンデを殺害したチリ・クーデターの際、シカゴ・ボーイズが実際に経済政策にどのように加担していたのかを明らかにするくだりは圧巻。むき出しの暴力をてこにした恐怖によって南米では経済的自由主義の浸透を図ったことが活写される。
南アフリカで白人から政治的自由、民主主義を勝ち取る過程では、ANC内部で政治的自由の獲得にはもちろん細心の注意が払われた。しかし、経済的な主導権を誰が握るのか、白人による所有権をどの程度保証するのか。ANC内部でも経済的改革の側面はともすれば「専門的」とされ等閑視されたり、何より国際的な資本の動きによっても圧力を受けたりして、政治的な民主主義の達成の反面、経済的民主主義は達成されなかった。
中国の「改革・開放」路線やロシアの体制変革は資本主義的自由主義に向けての改革というよりもむしろ、国家社会主義的所有から党官僚による簒奪へと、横滑りのクーデター的所有替えともいうべきものであった。言うまでもなく両国共にその権力による暴力は凄まじいが、むしろその暴力によって労働者を無権利状態に置き、経済発展のてことしていった点も言及している。
ポーランドで民主的な選挙の結果、統一労働者党から連帯に権力が移ることになったものの、IMFを始めとする国際的枠組みのもと、結局、経済的自由主義を受け入れてしまう。
労働組合による圧力や民衆による民主主義の伝統のある南米では、暴力と恐怖によるショック療法によって経済的自由主義を浸透させた。また南アフリカや東欧の体制「移行」に際しては、政治的な民主主義の達成が必ずしも経済的民主主義の達成とはならなかった。
この論点を敷衍すると・・・
日本では、少なくとも庶民の暮らしからみると経済的に厳しさを増す中で、現政権はさらに新自由主義的政策をより進めようとしているように見える。そのイデオロギー的浸透のテコとして利用され政治的に利用される「恐怖」。必ずしもむき出しの暴力を利用するまでもないほどに日本国内に住む人々が馴化されていると見るべきか、逆に、これからむき出しの暴力の嵐が吹き荒れるのか・・・。
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ミルトン・フリードマンらによって提唱された新自由主義がいかにして人々の生活を破壊したか。彼らは自然災害であれ、戦争であれ大きな破壊に直面してショック状態に陥った人々や共同体のすきにつけ込んですべてを自らの手に奪い取った
ナオミ・クラインはその手法の基礎として精神療法の一つとして一時実験され(そして失敗した)ショック療法の証人を訪ねることから語り始める。
その後、議論は新自由主義的実験のプロトタイプであるチリの状況から始まり、サッチャリズム、ポーランド、南アフリカの状況へと拡大していく。
新自由主義がいかにしてその勢力を拡大し、それに伴い人々の権利、公共空間が失われ貧富の差が拡大し、人々が絶望の淵に落とされていく状況が詳細に検討されている。
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初めて読んだのは震災の直後ぐらいだったので、当事者として緊張しながら読んだので、強く印象に残っている。
権力はどさくさに紛れていろいろなことを言い出す。あらためて読んでおくべき。
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160206 中央図書館
フリードマンのように自由主義者の主張にハマると、災害や危機のたびに、復興や見直しの美名のもとに社会が「リストラ」されて大変になるぞ、という警告。
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ミルトン・フリードマンをはじめとするシカゴ学派が主張する新自由主義的資本主義の批判書。チリ、アルゼンチン、中国、ロシアで起きた革命や政権崩壊を取り上げ、経済体制を一瞬のうちに原理的自由・資本主義に換えてしまったことにより、失業率が上昇し、貧富の格差が広がったことを示している。結果として、ごく一部の人に富が集中したわけだが、その波及的好影響も大きいはずであるし、一概にどちらが正しいのかは計りかねる。
「シカゴ大学教授の確信するところによれば、いったん危機が発生したら迅速な行動を取ることが何よりも肝心で、事後処理にもたついたあげくに「現状維持の悪政」へと戻ってしまう前に、強引に襲撃をかけて改革を強行することが重要だという」p7
「世界をゼロから創造する神のごとき力をわがものにしたいという欲望こそ、自由市場イデオロギーが危機や災害に心惹かれる理由にほかならない」p28
「(フリードマン)規制緩和、民営化、社会支出削減の3つの柱」p78
「(フリードマン)「福祉国家」と「大きな政府」に戦いを挑む」p79
「(ガンジー)国家間の武力紛争は私たちを恐怖に陥れる。だが経済戦争も武力紛争と同じくらい悲惨である。経済戦争はいわば外科手術のようなもので、延々と続く拷問にも等しい。それがもたらす惨害は、戦争文学に描かれた悲惨に劣ることはない」p181
「票は収入よりも平等に分配されている」p188
「サッチャーには国をひとつにまとめるための的が必要だった。緊急措置や弾圧を正当化する非常事態、すなわち彼女が残酷で時代錯誤なのではなく、タフで決断力に富んでいると見せるための危機が必要だったのだ。フォークランド紛争は、その目的を完璧に満たした」p196
「正当理論では、すべての社会的コストをショック療法によって貧困層に押しつけようとする」p209
「国民は、ハイパーインフレを解消して正常な状態に戻るためなら過激な変化でも受け入れようと考える」p235
「シカゴ学派の経済学のもとでは、植民地のフロンティアにあたるのが国家であり、今日の征服者は、かつて先祖たちがアンデスの山々から金や銀を持ち返ったときと同じ非情な決意とエネルギーを持って国家を略奪する」p341
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最近の政治の動きとこの本の内容を照らし合わせた時、これから起こりそうであることが見えてくる。明らかに今の社会状況はこの本のいうところの、「ショック・ドクトリン」に向かっている。沢山の人に読んで欲しい。決して日本に関係のない海外の話ではない。
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大西つねき氏のYouTube「アメリカの暴動から考える」で一瞬紹介されていたのが気になって…
https://youtu.be/frtCoSY5UzQ
あぁ‥やっぱり、そうですよね。。って感じです。
ボリュームのある本でした。