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他の吉本ばななさんの作品以上に、啓発的なニュアンスを強く感じました。ひばりちゃんが、とてもよく喋るせいかな?
大切に仕舞っておきたいような言葉がある一方で、「凄く胆力がないと乗り超えられない出来事」が多くて、読み返すのはちょっとしんどいかもしれない。
あとがきに書かれていた作者の好きなシーンは、私も好きです。
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宗教2世の女の子の話。ちょっと謎めいていて共感しにくい部分もあるけど、風景や時間の描き方が美しく、宗教にはまっていく怖さは感じない。風景に溶け込んだ不思議なストーリー。
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カルト集団の恐ろしさ。良かれと思ってるところがなおのこと始末に負えない。救いが欲しいと思った時もあったけど、つばさの家族のように向き合って耐えて来て今がある、それで良かったと思える。
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宗教二世の苦しみを描いた物語。
親と子であっても、人としては"別人格"。
親が、とある宗教に心酔してしまい、生活環境そのものまでその宗教集団の中にどっぷり入ってしまったとしたら...その子どもはどうしたらよいのか...。
子どもにとって、親への情はすごく大きく、離れがたい。でも、自分の信条にとって、その教え、その生活環境は受け入れ難い。そういう状況のなんと傷ましいことか!
主人公ひばりは、心身傷ついた上、"自分そのもの"を護るために、親との断ちがたい情を断ち、脱会を決意する。幼馴染のつばさとその母の協力を得て。
(あー?語りがつばさだから、主人公はつばさだね。つばさが幼馴染のひばりから助けを求められて悩みながら奔走するストーリーだーーー。)
19歳にして行動を起こしたひばりの痛々しいほどの強さに涙が溢れた。
ラストにひばりが何年かぶりにフルートを吹く場面がある。つばさの母は、幼かったひばりのフルートの先生なのだ。そのフルートの音色には、ひばりの言葉にならない想いやそれまでのあらゆる経験が"全て音になって表れている"とつばさは感じる。そのシーンがすごく心に沁みた。
吉本ばななさんの書き下ろし新刊ということで、図書館で借りて読んだけど、やっぱり、ばななさんの小説は急いで読み飛ばしてはいけないなー。
もっとゆっくり、ばななさんの文章を、表現を"じっくり味わうべき"だと思いました。
さっそく、手元にお迎えしたい小説です。
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はじめはただの青春恋愛小説か?と思ったが、読み進めるに連れて最近話題となった宗教二世について考えさせられる内容だと気づいた。読みはじめと読了後でこんなにも作品に対するイメージが変わったのは久しぶりだ。
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読み始めて、「TUGM I」を思い出した。
複雑な家庭環境で育った つぐみ と幼馴染の つばさ 二人の関係は恋人でもなく、兄妹とも違うが、正直で信じられる存在なのがある意味羨ましいと思った。
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統一教会をはじめとしたカルト集団をモデルにし、宗教二世を描いたお話。
両親が信仰に没入してしまったひばりは、信者たちが住む施設から脱出しようと、幼なじみのつばさに助けを求める。
洗脳されてしまった両親は良かれと思って宗教の教えをもとにいろいろなことを娘に言ったり勧めたりするけれど、洗脳されずに自分を保っているひばりにとってそれはとても残酷な言葉になる。関係を切りたくても、親子という関係はそう簡単に気持ちを切り離せるものではないし、諦められるものではない分、辛いなと思いました。
「雑味こそが人生かもしれないのに。そこから砂金を探す作業が一生の意味かもしれないのに。」というひばりの言葉がとても響きました。
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港町の、のどかな風景。風景に中に、とけ込んでいるつまんなく見えるひとつひとつの事柄。そのひとつひとつが愛!
人の生き方、価値観を読者に考えさせる物語。
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宗教二世の葛藤。入信する家族も、それを救おう試みる子供も「善かれと思って」のすれ違い。読んでいて苦しい気持ちになるが、どんな終わり方なのかが気になって一気に読んだ。幼なじみのお母さんの強さが素晴らしい。
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宗教二世の話をかきたい、とあったが題材はなんであっても吉本ばななワールドであることは間違いない。
私は、夫を衝撃の事故で亡くしながらも強く生きてきたのに、心はふわふわ柔軟性があって、いざという時に誰かのために強さを発揮する「つばさのお母さん」が素晴らしい人だと思う。憧れる。
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宗教二世の問題についての小説。
すごく重い話なんだけど、透明なきらきらした風をかんじるみたいな小説。
終盤は涙が止まらないけど、悲しいだけではなくて勇気づけられる。
希望はある、たしかに愛がある。
こんなふうに私も自分の周りの人を大切にして、自分の人生を愛して生きたい。
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風を感じても、星空を見ても、木々が揺れても、私にはみんなあなたの面影に見えた。あなたは私の全てだった。
助けてくれたらもう、一生感謝します。すでにしているけれど、いっそう。
私の一生の感謝は、きっとすごく効くよ。
誰かの痛みを無視すれば、必ずそれは自分になんらかの形で返ってくる
私だって人間だし、疲れるときもあるし、ベストをつくしているし、しょうがないもんね。
生きるのは今の連続があるだけで、理屈をつけてそこに生活を送って合わせてついていけるようなものじゃないのよ。
周りに人がいてもたったひとりで考えるときだけ、人って強くなるじゃない?ひとりで考えるのを放棄して、そのぶん体を動かすって、本末転倒っていうか。
私はどうしようもなく私だよ。これを奪えるのもは、この世にないんだ。神様さえも奪えない。
何も奪わないのが、神様ってもんなんじゃないのか。
人が人を信じるということは、なんと、曖昧なものなのだろう。
思想が合わないところにいるということの本質の洗礼を、僕はその日全身で受けたのだった。
洗っても落ちない汚れみたいに、僕の精神にしみができた。それがくりかえされるのが大人になるということだ。決して落ちないしみだ。
しかし落ちなくても、ていねいに泡立てた石鹸で洗う行為を日々時間をかけて同じようにくりかえすしかない。もし自分が生きたいように生きるのなら。ただ淡々と、歌うように。
過ぎ去ったものって決してもう帰ってこないよね。でも、あったことと、なかったことになったことってやっぱり違うじゃない。
一見つまんなく見えることが多分愛なんだと思う。いつもしているネックレスとか、道端の猫を撫でたら家までついてきたとか、脱ぎっぱなしの服から自分の匂いがしてくるとか、好きな人たちそれぞれの足音とか。
もう二度とあんなふうに痩せてほしくない。あんなふうに包帯を巻いてほしくない。誰かに襲われる心配をしたり襲われたり、そのことを自分の中で暗い形で意気込んで消化したりしてほしくない。最後まで無事に安心して髪の毛を乾かしてほしいだけだった。
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信仰と自由、初恋と友情、訣別と回復。
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最近よく聞く宗教2世のお話だった。
重くなりすぎず、淡々とさらっと描かれてはいたけれど、なかなか考えさせられるものがあったな〜ε-(´-`*)
信仰は自由だけど、親がカルト集団の熱心な信者だった場合、どうしても未成年のその子供には強く影響が及んでしまう。
親子でもそれぞれ別の人間。
そこに疑問を抱いてしまったら、子供にとってはその教えは苦しみでしかない。
みかんの会から親を救いたいと願うひばり。
だけど信仰心ってそんな簡単には変えられない。
自分を守るためには、たとえ親であっても訣別するしかない事だってあって、、
だけどそもそも生活力のない子供にはその術もない。
一度教団施設に入ってしまうと、そこから抜け出すのは容易ではないんだと感じた。
このままでは自分が壊れてしまうと思った時に自分ならどうするだろう?
そして、もしそういう友達からSOSが来たら自分は力になってあげられるのかな?
実際にはそんな簡単な事ではないのかなと感じた。
色々考えさせられる話でした。
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お久しぶりのばななさん。勝手に海外の話だと思い込んでて、読み終わったら旅行にいきたくなるような話だと良いなと思っていたが、全然違くて宗教二世のお話だった。
閉じられた世界の正義は怖い。男女でも恋愛感情でなく、何年も会っていなくても、相手を救いたいと思える関係性って、なかなか築けないよなあと思った。
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宗教2世の苦悩が感じられる作品。こういう物語を読むのは初めてで、一気に読んだ。
何かを強く信じる人を元の世界に戻すのは、本当に根気のいることだ。
何を信じるかは個人の自由だけれど、子どもにもその信仰の自由を残しておかなきゃいけないと感じた。