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宗教の怖さ、団体の怖さ。あとがきを読み、あの事件を思い出す。宗教という名の元に隠された様々な問題や闇を炙り出し、世の中的にも、もはや今までのように隠すということが出来なくなった。どうして人が増えていくと必ずズレが出てきてしまうのか。集まれば集まるほど歪になりいとも簡単に洗脳される。つばさとひばり。羽ばたけて良かった。
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読後、しばらくたっても感想が表現できないけれど、私も宗教2世で、団体や宗教についてずっとどこか考えていた事が、あとがきに書いて下さった事で1つ腑におちた、理解できたのがありがたかったです。つばさのお母さんが、僕だけがいない街のアニメのお母さんを何だか思い出しました。
ひばりが団体から抜けて、つばさのお母さんが夕飯を作ってくれるシーンでは涙が出ました。
みかん様のことはきらいにはなれなかった、絵を書いていて、それも嫌いな感じじゃなかったということが、すごくよく分かって、リアルでした。
もし100年後などに自分が生まれ変わって、日本以外の韓国など生まれて、宗教団体の事で悩んでいて、この本を何気なく手にとったら、こんな事を書いてくれた作家さんがいたなんて、とすごく救われるだろうなと感じました。
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その人にとって いいと思う考えや環境は その人にとっては幸せな事。
でも 他人に押し付けたり 強制したりは 不幸な事。それが たとえ 自分の子供でも。
子供は親の所有物ではない。
変わった装丁?の本ですね
受け入れる つばさの家族がフラットで気負いもなく いい感じです。
ばななさん 自身の1番好きな場所
そこなんですね なんかわかります。
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宗教二世の話です。
ばななさんのあとがきによりますと、安倍元総理が亡くなった頃ちょうど様々なカルト集団について調べてらしたそうです。
ばななさんは千石イエスと呼ばれた方に会ったことがあるとも、丸尾孝俊さんや桜井章一さん(私は初めてきいた名前ですが)にも会われたことがあるそうです。
誰か飛び抜けた才能を持つ個人を中心に、小さな信仰や信仰に似た形をとって普通の生活を離れている人たちの集団は、概ね良く機能しているとおっしゃっています。
しかし、なぜ、団体になるとむつかしいのか?
二世になると苦しみが出てしまうのか。
という問題イコールこの作品でしょうか。
この作品の主人公、ひばりの両親はみかんの会というカルト集団に所属し、ひばりもそこで生活していて、そこで両親が勧める結婚相手がどうしても好きになれず、幼なじみで片想いをしていたつばさに助けを求めて、つばさとつばさの家族によって救われる話です。
実の親よりつばさの家族に安らぎを見出すひばりはこれからおそらく幸せになれるでしょう。
実の親との断絶はこのケースでは必須だったと思います。
助けてくれる人のいる宗教二世はいいけれど、いない人はあのような犯行に暴走するのでしょうか?
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「悪いこと」って、全てが悪いより、内包されてるから見えずらいし理解されずらい事や、人の「良かれと思って」の悪意や、最初は「良い」と思えたのに、だんだんと悪くなる事とか…
本当に身近にあり過ぎるほどある。
よしもとばななさんが、「世界を良くなんて出来ない。身近な人を幸せにする。それだけを願う事。」と、言ってることを年々実感している。
私も集団の怖さを知っている。
ただシンプルに、身近な人たちの幸せを願っていきたい。
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題材は宗教2世ととても重いものだったけれど、内容はやさしく軽やかだった。
物語的に想定していたよりも簡単に施設を出られたけれど、宗教からの別離そのものよりも、それを取り巻く人々の心の動きが描かれかったのかなと思う。
あとがきにあった、タイトルの由来も素敵だったな。
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自分が生きている世界と地続きの場所にこんな世界があるのかと愕然とする。この物語が、自分にとっては「誰かの話」だけれど、誰かにとっては「自分の話」なのだと思うと、途端に胸が潰れそうになった。
普通がいい。普通がほしい、と渇望するひばりの声が、本の外側にまで聞こえてくる。大好きだった両親が知らない人間になっていく恐怖、自分の声が両親に届かない悲しみは、いったいどれほどのものなのだろうか。人種も言語も一緒でただ思想が違うというだけなのに、日本とは遠く離れた、知らない国の文化に触れているような畏怖があった。正直、知りたくなかったとさえ思う。
「手を淡々と洗うように少しずつ、体は忘れていく。」という言葉が忘れられない。死にたくなるような思いをしても人生は続いていくということ、他人に手を差し伸べることの責任と覚悟を知った。
あらすじなどの前情報なしに、ぜひフラットな状態で飛び込んでもらいたい。
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初、吉本ばななさん。
一夜ならぬ、一朝で読了。
人が自由に、精神的に、環境的に自由に生きることが、そもそも生きてるっていうことで、でもそれによって傍にある人が傷ついてしまうのも確かであり。
自由なんて、決められた形が無いので言及しにくいけど、今の自由だけを考えて生きたい。
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宗教というかコミューンというか、とても興味深く、何となくタブーな世界の二世問題 という内容。軽くはないテーマだけど、淡々と読みやすく あっという間に読み終えた。重いテーマだけど 重々しさはなくて、よしもとさんらしく まとめていてさすがだなと感じた。
そして、何よりも あとがきが素晴らしかった。
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誰かを掛け値なく信じて頼る、ということと、誰かの考え方や生き方を信じて人生を任せるということは、似ているようで全く違う。
カルトと宗教、宗教と信仰、カルトと信仰も似ているようで違うと思う。
自分の足で立っている状態でそれをしているかどうかという点が重要なのだと思う。
ひばりは自分の足で立っている。彼女のこれからに幸あれ、どうか平穏であれと願う。
つばさとの間柄は、恋じゃなくて愛とか情なんだなぁ。そういう相手って案外見つかりにくい(特に若い頃には)。そういう相手って多分一生一緒にいても大丈夫な人だから。個人的にはもっと甘かったり切なかったり頭の血管が切れそうなくらい頭にきてそれでもどうしても相手を請うてしまうようなずぶすぶの恋愛をしてからの方がいいよ、と思うけど、そういう相手に出会ってしまったらそれはもうどうしようもない幸運だと思う。
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読み終えた7月6日、サラダ記念日。
東京、快晴、気温は33度。わたしの世界だけ泥水のどしゃ降り。
宗教と性が絡むものは、本でも映画でも、いつだって重くて深い力を持っている。
苦手なのではなく、それらを消化できる方法をまだ知らないだけ。
ささやかなしあわせや、ちいさな奇跡のようなものをこの「はーばーらいと」で見つけるのは困難だった。
人が(好きな)人を信じる曖昧さや脆さ、
自分がいま見ている・生きている世界をどれくらい信じられるんだろう?信じていいんだろう?
そんなことをぐるぐるぐるぐる。彼らが好きな海を浮かべながら考えている。
今夜2年間ずっと思いを寄せていたビストロに行くのに!大好きなワインを親しい人と楽しむのに!
すこーーーんと晴れろ、わたしの心よ!!
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宗教二世の話。
暗い雰囲気ではなく、著者独特の雰囲気ですすんでいく。
ただ、ほわっとしていてあまり自分には深く響くものがなかった。
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自然が不自然、不自然が自然。
こういうのは難しい。
「人が人を救う決定的な瞬間」ってすごくいい言葉だなと思った。
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「安倍元総理襲撃事件をきっかけに、宗教二世というものについて書いてみようと思った」とあとがきに。
冒頭に出てくる暮れ落ちた海辺の暗がりが
物語全体を包み込んでるように感じた。
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あとがきに安倍元総理襲撃事件の頃、カルト教団について調べていて、宗教2世について書いてみようと思ったと書いてあった。
ちょうどこの本が、読み終わった数日後にTVでオウム真理教について放送されていた。
どの宗教を信じるかは本人の自由だが、人を巻き込んではいけない。まして家族は絶対ダメ。
子供はどんなに虐待されても、愛されなくても、自分の親は親。だから、いうことを聞いてしまう。
子供は親の所有物ではない。
ひばりが大空へ飛び立つためには、つばさが必要だ。