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お久しぶりのばななさん。勝手に海外の話だと思い込んでて、読み終わったら旅行にいきたくなるような話だと良いなと思っていたが、全然違くて宗教二世のお話だった。
閉じられた世界の正義は怖い。男女でも恋愛感情でなく、何年も会っていなくても、相手を救いたいと思える関係性って、なかなか築けないよなあと思った。
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宗教2世の苦悩が感じられる作品。こういう物語を読むのは初めてで、一気に読んだ。
何かを強く信じる人を元の世界に戻すのは、本当に根気のいることだ。
何を信じるかは個人の自由だけれど、子どもにもその信仰の自由を残しておかなきゃいけないと感じた。
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諸々多忙でやっと読めた。暗い?お話はあまり好きでないのに、ばななさんだと読んでしまう。救いはあるからだろうか。
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宗教2世について扱っているお話。
宗教に限らず「洗脳」って、自分でも気づかないうちにじわじわと全身を侵食するように行われていくんだろうなぁって感じて怖くなった。
それだけ浸食された分、なんとかそこから脱出した後も、きっと長い間、抑え込まれてきた心の傷に苦しめられることもあるんだろう。
でも、そこに寄り添おうとしてくれる人がいる限り、きっとひばりちゃんは大丈夫だと信じたい。
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宗教が絡む小説は重い事が多く、読み切れるかなと思いながら読み始めましたが、ばななさんの独特の文体でさいごまであっという間に読む事ができた。
ひばりとつばさの関係性。つばさのお母さんの生き方。
〜母は言った。何も言わせないという雰囲気だった。母のこういう強さを、僕は子どものときに確かに何回か見たことがあったことを、はっきりと思いだした。〜
自分を取り戻せる場所、信じられる人達がいてよかった。 そして、どんな時も自分の中にある芯の部分は持ち続けられる強さを持っていたいなと思った。
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宗教二世のお話。
私には共感ができなくて、正直よく分からなかった。
面白く読むには大事な何かが私にかけている気がした。
つばさはひばりに恋はできなかったけど、愛していたと思う。
そういう気持ちはわたしも知ってる。
あの日々が、自分自身を育てる夢と希望の土台となってた!
これはそう思える。
雑みこそが人生かもしれないのに。そこからさ金を探す作業が一緒の意味かもしれないのに。
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宗教二世をテーマにした作品だが、家族、人としてのつながりがメインテーマ。
簡単な方に流されず、真っ直ぐにぶれない登場人物達の心の強さが何よりも印象的。
そんな人達から放たれる優しい言葉に行動は影や暗さのある雰囲気の作品の中、美しさや希望を感じられる。
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宗教2世をテーマにした物語。
ばななさんの本は登場人物がとにかくとても良くてめちゃくちゃ好きになってしまう。
ひばりちゃんが自分の人生を再スタートすることができてほんとうによかった。
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ひさびさばなな。
スピリチュアルな感じでなんだかなぁと思って最近はあまり手に取ることはなかったばなな作品だけど,これはすんなり読めた。なんでだろう。
若い時は、どっぷりはまってほとんどの作品はよんでいたんだけどな。
なんといってもこの小説の肝はつばさのお母さん。とてもとてもカッコいい。理想の母だな。
ダイヤモンドみたいな言葉がたくさん散りばめられた小説だった。こうありたいと思うあまり、今の自分の矮小さに嫌気がさしてしまう。
この歳になっても、いや、この歳になってからこそ、人として成長したいもんだとつくづく思う。
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2024.1.20
“人の心の重みとは全く別に、道の両脇に花は咲き乱れ、夏をその全身で語っていた。かげろうのように空気が揺れて、色とりどりの野生味あふれる花々も風に揺れ、あまり手の入っていない丘の一本道は草の香りでいっぱいだった。光が当たることで香りがたつのだ。僕たちの影は細く伸びていた。”
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かなり重たくて分厚いテーマを扱っているのに、ばななさんが書くと美しくて幻想的ですらある。
ヘヴィーにならずにふわっとしてる感じ。
それが読みやすいと思うか物足りなく感じるかは読み手によるだろう。
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やはりばななさんは、傷みについて描くのが絶妙だなぁと再認識。しそうになる、なりそうになる、は人間みんなそんな中で生きていて、その先は本来自分がフツーに難なく生きていける選択肢なんだろうけど、そこでだれもがここで失ったり忘れたりしてはいけない大切なものを思ったり、たぶんするべきではないという直感的なものを感じたりして、悩み苦しんだりするのかもしれません。そのあたりの気持ちの描き方が、時に苦しくなり、美しい輝きを感じることもありました。
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彼女を好きだったのかもしれない、と本気で思った。
でも、彼女はもうこの町にいない…。信仰と自由、
初恋と友情、訣別と回復。淡々と歌うように生きる
さまが誰かを救う、書き下ろし小説。
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親が新興宗教に入ってしまった少女を少年が救い出す物語…なのですが、その、救う立場になった少年の生い立ち、心情を丁寧に書き出されています。
ばななさんの小説はいつもどこか少し不思議で、ファンタジー要素もあり、けれどどこか私たちの現実とそう遠いところにないような近しさを感じます。
それはばななさんの描く「不器用ないい人」に対して何となく抱く親近感に他ならないと気づきました。
読み終わった後は、2人の思い出の場所である港の光景が脳裏に焼き付いて…記憶に残る1冊となりました。
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悪人らしい悪人が出てこないのに、とても苦しくなる物語。望まない善意や、善い閉鎖的な空間がもたらす厄介さが生々しく伝わってくる。それでも、終わりには希望が見える。決して楽しい物語ではないが、色んな人に読んでほしい。
人間、誰しも自由に生きてよい。善意や、面倒見の良さは、それで救われる人もいる尊いもの。しかし同時に、他者の自由を尊重することを、忘れてはならないのだと感じさせられた。他者の自由を尊重する善意を「親切」といい、尊重しない善意を「お節介」と呼ぶのではないか。
主人公のスタンスからは、寛容さは言い替えれば、他人事を他人事と認識することではないかと感じた。海外の暮らしが心地良いという日本人は、他人事として放ってくれる距離感が心地良いのかな。
殊、自分の子供となると「他者」と認識することは難しくなるし、2世の問題をより複雑にするのだろうなと感じた。
人生の重みから逃げて隠遁した生活を送りたい、という願望は誰しも多少はあるのてはないか。それが自給自足の共同体生活を指すのか、リゾートでの施しを受ける生活なのかは人によると思うが。
この本では幼少期の温かな記憶だと描かれていたように思ったが、重みから逃げないために必要なことは何なのだろうかと、考えさせられる。