投稿元:
レビューを見る
出版社が主催する南の島での人気作家との創作アトリエ参加当選者5名は違うタイプの美人揃い。しかし、皆、何かを隠している気配がある。パリ主任警部のファレイーヌだけが夫婦で訪れ、マリ=アンブルは娘連れ。作家、参加者五名、随伴2名、宿泊所オーナー、その娘二人。あとは庭師とタトゥー彫師が登場人物。まず作家が行方不明に。そして一人ずつ殺されていき、残った人たちは疑心暗鬼に。警察も呼んですぐ来る環境ではない。生き残るのは誰?真犯人は?作家は生きているのか?ファレイーヌが追っていた事件の犯人はこの殺人と関係あるのか?
この本、私はすごく相性悪かったです。読んでいて語り手がすぐわからなくなり、そこで寝落ち…。また読み始めてまた、あれ?これは誰?と寝落ち。ああ、もう海外ミステリー読むの止めようかな。
最後スッキリ終わるのが救いでした。
作家が当選者に迫ったりするのと殺人シーンありで、中学校以上。
投稿元:
レビューを見る
2024年本格ミステリ10の海外部門1位の作品。そして誰もいなくなったを彷彿とさせる、孤島での連続殺人の話。作者のトリックに私はしっかり騙されました。やられたーという感じ。
投稿元:
レビューを見る
読み終わった。完全に騙された。でも、面白かった。とにかく、ストーリーの展開が上手いと感じた。例えば殺人事件が起こる度ごとに、又は何か大事な出来事が発覚する度ごとに1度、間をおく感じでページを変えたり*や太文字を入れたり、1行開けて完全に場面を変えたりして、興味が続くようにしている。また島の美しい風景を綺麗な文章で表現したかと思うと、鬱陶しいジャングルや泥道、不気味な石像ティキの描き方も上手いと思うし、とにかく表現力が豊かだなと思う。走って逃げる場面など、海外サスペンスドラマを見ているような感じさえなる。
本の紹介にアガサ・クリスティに挑戦とあったが、確かに本文中に何度も『そして誰もいなくなった』と言う有名な小説の題名が出てくる。でも、最初に『アクロイド殺人事件』に関する話が出ていたので、けっこう「注意して読んでいた」つもりだったのだが、見事に騙された。『そして誰もいなくなった』より『アクロイド殺人事件』に挑戦ではないだろうか。でも、「推理小説」はこうでなければ!と思う。いかに「上手く騙してくれるか」が、少なくても私には「面白い推理小説」の条件の1つ。読み終わって、何か爽快感があった。「いやぁ~!騙された、騙されたぁ~!」と。
ただ☆を4つにしたのは、19年前のレイプ殺人事件がより深くこの殺人事件と関わってくるのか、より複雑な様相を見せるのかと期待したのだが、そこまでではなかったので。
投稿元:
レビューを見る
美しいマルケサス諸島の風景とタナエの作る地元の美味しそうな料理がとても印象的。それと対照的な凄惨な殺人事件。伏線がありすぎてよく意味が分からず途中までは読みづらかったけど、2転3転する結末に最後までハラハラさせられた。ポリネシアンタトゥーの話やティキと呼ばれる彫像の話、ムルロア環礁での核実験の後遺症の話などもとても興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
フランス領ポリネシア、ヒオビバ島のペンション「恐るべき太陽」荘で開催されている人気作家ピエール・イヴ・フランソワ(PYF)が講師の創作アトリエ(ワークショップ的なもの!?)。
そこに参加するのは公募から選ばれた5名の作家志望女性、プラス同行者2名(ある参加者の夫ヤン、また別の参加者の子どもマイマ)。
講師のPYFはアトリエの場で意味深な言葉を残したのち、姿を消す。
そこから始まる『そして誰もいなくなった』劇場(参加者が次々に、、、)。
ある参加者が滞在中の出来事を交えつつ書き記した作中作『海に流すわたしの瓶』、マイマの日記、ヤンの独白、3つの交互視点で語られる物語。
どうにも矛盾したり、噛み合わない描写があるくせにそれぞれが正直に語っているとも主張している。
と同時に何か後ろめたい秘密も隠し持っているようで信頼し切れない。
犠牲者が重なるに連れて、誰も彼もが怪しい疑心暗鬼な雰囲気の高まりが、すこぶるサスペンスフルで堪らない。
また、次々と出てくる疑問や不可解事象が積み上がってきて、途中ヤンとマイマがリストアップする場面では、おいおいこれの全てに納得の落ち着き先が提示できるのかい?と思ったほど。
果たしてどんな一枚絵が出来上がるのか。
最後は解説阿津川さんの言う、騙りのテクニックにまんまとやられた。
ちょっと雑だったり、無理矢理感あるとこもあるけど、ちゃんと全てを収束させているところにも感心。
ヒント(違和感)も出しつつ、やり過ごされるよう騙っているところがフェアだなぁとも。
作中、思いっきり『そし誰』に言及し、オマージュ感出している(し、孤島見立て連続殺人で想起させる部分は勿論ある)けど、どちらかと言うと『アクロイド殺し』の発展版。
投稿元:
レビューを見る
・あらすじ
南国のフランス領 マルケサス諸島にあるヒボオア島が舞台。
作家志望者の女性5名はフランスの有名小説家であるピエール=イヴ・フランソワ(PYF)が開催する創作セミナーに参加することになった。
「4日間のセミナー中何が起ころうと書き続けろ、全てを書き残せ」というPYFからの課題を忠実に実行する5名の女性たち。
そんな中過去にパリで起こった連続殺人との関わりが浮上し、またPYFは失踪してしまった。
大多数の応募の中から選ばれた5人の女性たちの思惑は?
・構成
一人称視点で書かれた5名それぞれの小説とその合間に参加者以外(外部)の人間の視点が差し込まれている。
・感想
叙述ミステリーということは把握していたし、序盤のくどいほどの注意喚起、また「そして誰もいなくなった」という作品名が頻繁に出てくるから穿って読んでた…のにやっぱり騙された。
参加者5名の日記の合間にヤン(同行者、ある参加者の夫)とマイマ(同行者、ある参加者の娘)の日記なども入ることで物語の流れが分断され、違和感ありつつもこのトリックに気づきにくくさせててこれが超絶技巧かーーと思った。
個人的にはタトゥー彫師のこの土地の歩んできた歴史と軽率に消費される伝統、文化について語るシーンがとても興味深かった。
あとラストのヤンのロマンスはあまり必要なかったように思ったかな…。
投稿元:
レビューを見る
初読みの作家。
構成がうまくて、誘導していく技巧が凄い。ゴーギャンが愛した南の島での展開も面白かった。
ただ、登場人物たちの誰にも共感できなくて、ロマンスを搦めたのもあまり興味なかったかな、と思う。
投稿元:
レビューを見る
フランスのミステリ作家・ビュッシがクリスティの『そして誰もいなくなった』の向こうを張った意欲作。
ベストセラー作家ピエール=イヴの創作教室に参加するため、南の島ヒバオアへ集った5人の女性たちが一人ずつ消えていく。膨大な応募者の中から選考の結果選ばれただけの彼女たちがなぜ? 一癖も二癖もありそうな参加者たち、島の至る所に設置された石像…ミステリファンならば「二ヒヒ」と笑いたくなる舞台装置の数々。そして、語りの魔術師とも称されるビュッシがここぞとばかりに本領発揮をしている。翻訳は相当苦労したのではないかと想像される。
軽いポップなミステリをご用向きな場合には避けた方がいいかも。何が何だかわからないうちに「どういうこと?」で終わりそうな気がする。翻訳ミステリをどっぷり楽しみたいならば、手にとって損はない。
投稿元:
レビューを見る
一気に読んだ。そして誰もいなくなったのオマージュと紹介されただけあって孤島に集められた5人が次々に殺されていく。最後毒を飲まされたのはクレムだと思ったがエロイーズだったとは。ヤンも疑っていたが違った。面白かった。
投稿元:
レビューを見る
アガサの「そして誰もいなくなった」のオマージュ。舞台を現代のタヒチに移し、異国らしさ民族のことを含みつつミステリーが完成!もし自分が犯人だったらと考えることはほとんどないけど、この本は考えてしまった。きっと大変だし、ずっとヒヤヒヤしてるだろう…どの犯人もかもしれないけど。
タヒチに行ったことないけど亜熱帯の空気、スコール、海が想像される。映画化したら素敵な場面ばかりだろうな。大きなスクリーンで見たい小説。