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わかりやすかった。
タイトルは「Z世代のアメリカ」だがZ世代についての記述は少ない。
9.11以降のアメリカ社会の動きがよくわかる。
特に中絶禁止問題についてはロー対ウェイド判決に遡って解説されていて、とても勉強になった。アメリカの中絶問題は思っていたより複雑だ。
カマラ・ハリスの中道思想も興味深い。
Z世代はアメリカを変えることができるか。
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手際よくZ世代の経済、社会、文化、対外意識を紹介しながら、よりよい未来を探ろうとする姿勢を保った良書。根拠を大事にしている点がなお好感が持てる。
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転換期のアメリカを、1997 年から2012 年の間に生まれ、今後いよいよアメリカ社会の中心となっていくZ世代の視点に注目しながら考えていく。現在アメリカの人口の2割を占めているZ世代にとって、社会の多様性はデフォルト(初期値) である。アメリカは2040年代には、非ヒスパニック系の白人がマイノリティとなり、ますます人種的に多様な社会になると見込まれている。多様化しているのは人種構成だけではない。宗教や価値観、ライフスタイル、国家観や世界認識も多様化している。
この世代に注目する最大の理由は、この世代が、歴史的にアメリカの政治外交を特徴づけてきた「例外主義」的な親念に囚われず、新たなアイデンティティや世界との関わり方を模索する世代だからだ。 「例外主義」とはアメリカの比類のないパワーや道義性を誇り、 アメリカを諸国家を導く存在とみなす観念のことである。こうした観念はしばしば独善的な対外行動となってあらわれ、アメリカと世界との関わり方に多くの歪みを生み出してきた。
第一章 例外主義の終わり—「弱いアメリカ」を直視するZ世代
「アメリカは、自分たちを政治的な啓蒙の中心とみなし、世界の大部分の人々にとっての教師とみなす傾向がある」。対ソ封じ込めなど、冷戦初期のアメリカ外交の基調に大きな影響を与えた外交官、ジョージ・F ・ケナンの言葉だ。
ケナンは、アメリカが民主主義や人権の「教師」を自負し、特に非西洋諸国に対し、その地域や国が独自に育んできた文化や歴史へ敬意を払うことなく一方的に、しばしば軍事力を伴って介入する傾,冋に、 強い違和感と警戒心を抱いていた。
トランプの就任演説で貫かれていたのは「世界に捧取され、弱くなったアメリカ」というネガティブな自国像であった。中間層が痩せ細り、多くの人々が貧困層に転落しているアメリカの現状を「大惨事」と言い表す悲観的なスピ—チのトーンは、力強いアメリカと、自国に開かれた明るい未来をうたってきた歴代政権の就任演説とは一線を画していた。
トランプは、このような利他的で、自己犠牲的な世界関与は過去のものにしなければならないとして、今後はただひたすら国益を追求すること、「アメリカ第一」でいかねばならないと宣言したのであ
る。
「例外主義」的な意識がどのような外交として表出するかはさまざまだが、歴史を見れば、その方向性は大きく言って二つだ。一つは、物質的にも道義的にも秀でた高潔なアメリカは、権力政治がうごめく腐敗した世界にはなるべく関わらないでいるべきだという「孤立主義」である。17世紀にアメリカが建国されて以来採られたのはこちらの方針だった。しかし、20世紀に起こった二つの世界大戦を通じ、アメリカは世界秩序の維持に関心を持たざるを得なくなっていく。そこで、物質的にも道義的にも「例外」的に秀でているからこそ、アメリカは国際秩序の盟主として秩序の維持につとめなければならないという「国際主義」の論理が生まれていった。
今日、 アメリカに「社会保障かない」ことは、かつてのような優越感や自信を伴って主張されることではない。ますます多くのアメリカ国民が、なぜ先進国でありながら、ここまで社会保障制度が未整備なのかと不満を募らせている。
アメリカは、先進国ならばすでに実現されているはずの福利厚生すら備えていない「例外国家」であるというサンダースの主張は、今日のアメリカで決して異端ではない。
アメリカの選挙では「勝てる見込みがある」という言葉がよく使われる。 クリントンやバイデンのような中道の重鎮たちは、サンダースに比べると面白味がなく、期待感もないが、しかし「勝てる見込み」がよりあるのは彼らだろう、そうした論理だ。
アメリカは「例外的」な国家であり続けようとする意思を完全に失ってはいない。しかし、アメリカ国内の諸条件は、 その課題をますます困難なものとしている。
冷戦時代に著されたアメリカ政治思想の古典『アメリカ自由主義の伝統』において、著者ルイス・ハーツは、アメリカは封建制というヨーロッパ的な伝統を欠いた「生まれながらの自由主義社会」であり、それゆえ社会において自由主義が絶対化される傾向があると指摘している。
ハーツによれば、絶対化された自由主義への信念は対外政策にも投影され、「汚れた」世界との関わり合いの一切を拒絶する孤立主長と、世界に介人し、アメリカの思う通りに作り変えようとするメシアニズムという、根は同じながら両極の外交が生み出されてきた。
このような分析に立脚してハーツは、 将来アメリカが、世界の多様な国家との関わりを通じ、その自由主義への硬直した信念を相対化し、国ごとの差異を認め、共存する「成人」へと成長していくことに期待を託した。
強力なリーダー不在の世界を「Gゼロ」と名付けたイアン・ブレマーは、 ウクライナ危機を、アメリカが「世界の警察官」たることを放棄し、誰もその役割を引き受けない「Gゼロ」の世界で起こりうる最悪の出来事と見ている。
第二章 広がる反リベラリズムプーチンと接近する右派たち
共和党については、その権威主義化が加速していることが研究機関によって指摘されてきた。アメリカの共和党は過去20年問で非自由主設的な性質を顕若に示すようになっており、ヨーロッパの中道右派政党よりも、トルコのエルドアン政権やハンガリーのオルバーン・ヴィクトル政権のような権威主義国家の与党に近いことが明らかになっている。特にトランプ政権下でその傾向は加速した。
「ウォーク(覚醒した状態) 」とは、常に社会正義に対する意識を持って暮らす状態のことだ。もともとこの言葉は、 黒人コミュニティにおいて黒人たちが受ける不当な差別や抑圧を、より大きな制度や構造の問題として理解し、乗り越えるために生まれたものである。昨今のアメリカでは、差別され、抑圧される側が不正卷と戦うために生み出した言葉を、政治的な右派勢力がマイノリティへの差別や抑圧を批判する人々を嘲笑し貶める文脈で、言葉の本来の意味をまったく歪める形で使うようになつているのだ。
ますます内向きになる共和党の保守政治家の世界観において、民主主義への脅威は、国内で民主派を弾圧し、公然たる軍事侵攻に踏み切ったプーチンのロシアよりも、国内の「ウォーク」勢力なのである。
デサンティスやアボットの人気は、被害者意識や不安をかきたて、相手政党やその支持者に対する憎悪や敵意を煽るトランプ流の政治が依然として有効であることを示している。トランプは去っても、トランプを権力の座に押し上げた人々の不安や恐怖、現状への不満や憎しみはなくなっていない。それを利用し、権力を得ようとする政治家も数多く存在する。
「キャンセルカルチャー」という言葉がここまで頻繁に、そして政治的な文脈で使われるようになったのは比較的最近のことだ。人種やジェンダーの平等を求める動きの高まりとともに、「差別的」「不適切」とみなされる言動を企業や公人、著名人が行った際には、SNSを中心に批判が高まり、製品の不買運動や人物の起用取り消しを求める運動が起こってきた。特に欧米先進国で、こうした動きはますます活発になっている。
トランプは自身の言動を「差別的」と糾弾するリベラルへの敵.意を込めて「キャンセルカルチャーは、左派の政治的な道具だ」「キャンセルカルチャーは左派的な価値観に反対する者を辱め、服従を要求する全体主義である」といった主張を繰り返し、「キャンセルカルチャー」を言論封殺の動きとして批判してきた。
第三章 米中対立はどう乗り越えられるかーZ世代の現実主義
仕事の都合や交通手段の問題で、投票所に行くことに困難を抱える貧困層やマイノリティは民主党を支持する傾向にあり、民主党はより投票しやすくなる仕組みを整えることに動機を持つ。これに対して、共和党は投票を困難にすることに動機を持つ。現在のアメリカ社会は、投票権という民主主義の根幹に関わる問題に、党派対立がほぼそのまま反映されてしまう状況になっているのである。
選挙を通じて政治に民意を反映する政治システムは、世界に対するアメリカの魅力やソフトパワーの貴重な源泉となってきた。しかし、2021年1月の議事堂襲撃事件が表したように、党派対立が極限まで進行した結果、4年に一度の大統領選挙は、アメリカ政治を安定化させるどころかむしろ不安定化させ、対外的にアメリカの脆さや弱さを示すものとなってしまっている。
格差は広がるだけでなく、ますます固定化してきている。富裕層のほとんどは結婚する際、同レベルの学歴や社会的地位、年収を実現した者同士の「同類婚」を選択するため、配偶者の分も富がさらに蓄秋される。エリート・カップルは、その地位や資産を次世代へも継承しようと子どもの教育に多額の投資を行う。
アメリカの歴史上初めて、子を持つ親の7 割超が「子どもたちの将来の生活水準は自分たち以下になる」と考えている。
サンデルはアメリカの学歴社会の欺瞞を次のように媒き出す。学歴エリートが自分の「実力」で摑み取ったと思っているもののほとんどは、自らが裕福な家庭に生まれたという「運」に由来している。現在のアメリカ社会を特徴づけている極端な経済格差は「実力」ではなく、多分に「運」によって形成されてきたものである。にもかかわらず、富裕層は自らが所持する莫大な富を、あたかも公平な競争の結果、自分の「実力」で勝ち取ってきたものであるかのように思い込み、正当化してきたため、アメリカ社会では道義的に許容されてはならないレベルの経済格差が放置されることになった!
サンデルが見るところ、「運」で得��富を「実力」で得たと勘違いした傲慢なエリートが経済、社会、さらには政治的な権力に至るまで、あらゆる権力を握り、大卒でない人々が政治や社会で周縁化されてきたことで、アメリカの民主主義は多様性を失い、活力を失ってきた。
バイトダンスは、中国政府による干渉はないと主張しており、今のティックトック利用者のデータが中国政府に流出しているという明確な証拠は出てきていない。にもかかわらず、なぜここまで懸念が高まっているのだろうか。その根拠とされているのが、いかなる粗織や個人も国家の恬報活動に協力しなければいけないと定めた中国の国家情報法だ。
中国のZ世代もデジタル・ネイティブだが、彼らが享受しているデジタル空間は、俗に「グレートファイアウォール(金盾) 」と呼ばれる巨大な検閲と監視下にある。このことから中国のZ世代は「グレートファイアウォール世代」とも呼ばれる。
Z世代は米中のより平和的な共存を諦めていない。それは協調に幻想を抱くからではない。どんなに相容れない価値観を奉じていても、対立する案件を抱えていても、中国という大国とともに生きていかねばならないことを彼らはわかっている。また、気候変動などグローバルな危機に対応するためには限定的でも協力しなければならないこともわかっている。
第五章 人道の普遍化を求めて-アメリカのダブル・スタンダードを批判するZ世代
「ダブルタップ」とは、最初のドローン攻撃を行い、それに続いて救助者や第一応答者を対象とした2 回目の攻撃を行う作戦である。同じ場所を連続して攻撃することで、標的の殺害を確かなものとすることができる。この「ダブルタップ」は、最初の攻撃の犠牲者が武装勢力であるという仮定、そして最初の攻撃を受けた現場に集まってくる人たちも武装
勢力だという仮定に基づいている。
Z世代は国益や国境に捉われず、気候危機のような国境横断的な危機や世界各地の抑圧・支配を、世界の人々と結びつきながら解決していくことに大きな関心を抱いている。
国益をまったく無視するわけではないが、正義や人権をますます重視する姿勢ゆえに、Z世代は「社会正義(ソーシャルニンヤスティス) 」世代とも呼ばれる。
中村哲医師だった。彼は自分の活動についてこのように語っている。
アフガ二スタンやパキスタンに縁もゆかりもなかった自分が、現地に吸い寄せられるように近づいていったのは、決して単なる偶然ではなかった。しかし、よく誤解されるように、強固な信念や高邁な思想があったわけではない。
世界がどうだとか. 国際貢献がどうだとかいう問題に煩わされてはいけない。それよりも自分の身の回り、出会った人、出会った出来事の中で人として最善を尽くすことではないかというふうに思っています。
第六章 ジェンダー平等への長い道のりーZ世代のフェミニズム
今日のアメリカ社会は、ますます右傾化する共和党支持者と左倾化する民主党支持者が、新型コロナ対策や中絶問題など、あらゆる問題で対立を深め、内戦の可能性すらささやかれるような状況である。それでも分断を乗り越えたアメリカを信じるならば、本当はハリスのように中道を模索する政治家がもっと増えることが望ましいのかもしれない。
一方で、政治社会が両極化する中で政治家たちが中道路線を掲げ、選挙に勝てるだけの支持を集めることはだんだん難しくなっている。
さらには今日のアメリカにあって「中道」とは何かという根源的な問題もある。ハリスが中道とみなしてきた政策の多くは、今日の民主党支持者、 特に今後、社会でいよいよ重要性を増していく若い有権者の目にはあまりに保守的に映るものだ。
世界的な学者で活動家のアンジェラ・ディヴィスが掲げてきたのが「アボリショ二ズム」である。日本語では「廃絶主義」と訳されるこの思想の歴史は、奴糅制廃止・迎動のさらにはそうした暴力を許容する私たちの政治社会をラティカルに批判し、新しい非暴力的な政治社会秩序を打ち立てようとする思想である。
ジェンダー平等・人種平等の実現に向け、黒人女性が政権の中枢に入り込むことは、あくまでその第一歩に過ぎず、真に重要なことは、そのことが起点となり、これまで白人男性が権力の中枢を占めることで温存されてきた差別の是正への政策的な変化が起こることである。
第七章 揺らぐ中絶の権利—Z世代の人権闘争
ロー判決とは、1973年に連邦最高裁が人工妊娠中絶を行う憲法上の権利を認めた判決のことだ。判決以降、アメリカでは数十年にわたり、胎児が子宮外で育成可能になる妊娠24から28週間までの中絶が合法とされてきた。しかしロー判決が覆った結果、各州は自由に中絶を禁止・制限できるようになり、 13州で人工妊娠中絶を禁止する「トリガー(引き金) 法」が施行され、中絶をほぼ全面的に禁止する州や、厳しい中絶制限を設ける州が続々と出てき
ている。大半は共和党地盤の保守州だ。
中絶問題をめぐって、アメリカには確かにプロ・ライフ派とプロ・チョイス派の論争が起きてきたが、極端な中絶制限と、無制限の中絶容認の両極には大きなグレーゾーンがあり、だいたいの人々がこのゾーンに位置している。
トランプ自身の再選は実現しなかったが、トランプ政権下で進んだ司法の保守化は、しばしば「永久保守革命」とも称される。トランプ時代の遺産として、今後長くアメリカ社会に影響を与えることになる。
保守派の悲願は、トランプ時代に達成されたといってよいだろう。トランプが4 年間の在任中に3名の若い保守派判を指名し、上院で承認されたことで、保守派判事が6対3の絶対多数となり、現在の「超保守化」した最高裁が誕生した。
世代がバイデン政権に向けるまなざしは厳しい。彼らが求める変化の大きさに比して、バイデン政権があまりに穏健すぎるからだ。しびれを切らすZ世代に対し、サンダースはこう語りかける。変化のスピードが遅々たるものでも、絶望や虚無に走っては
ならない。アメリカの歴史において人種平等や女性参政権が長い時間をかけて勝ち取られ、いまだ戦いの途上であるように、富の格差や世代間の不公平も、すぐにその是正は実現しない。それでも自分たちの世代のためだけでなく、後世により浩平は政治社会を残すために、今後長い時間をかけて、地道に戦って、実現されていかねばならないと。
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ますます複雑さを増す現代の諸国間関係において、アメリカの果たす役割について考察した本。”Z世代の~”という打ち出しだがその部分は限定的。平易に書かれているので勉強になりました。
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さすが朝日新聞への寄稿が多い学者様だ。
本書のタイトルにZ世代とあるが、彼らに関する記述は少ない。アメリカの911以降にあるテロとの戦い及び近年のアメリカにおけるリベラルが保守に負けている事を嘆く内容だ。
特に第四章以降はZ世代なんて僅か数行のこじつけオマケ扱い。第七章で増えるが全体で50ページ程度の分量。
タイトルに期待して930円も払う価値はない。作者は恥ずかしくないのか。
図書館で10分立ち読みすれば十二分な本。
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中国のZ世代についての情報は、開かれた自由社会のZ世代についての情報よりも少ないが、中国が右肩上がりの成長を遂げていた時代に生まれ、制限された言論空間を当然の物として育った中国のZ世代は、その前の世代よりも外国に対する不信感やナショナリズムを強く持つ。
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アメリカの現状に関心を持つ人は読むべきだと思う。アメリカの若者(Z世代)がアメリカの現実に悲観的で絶望すらしているが、未来への希望を決して捨ててはいない状況を知ることができる。
現在、イスラエル・パレスチナ問題が世を騒がせており勿論ハマスによるテロ行為は許されるべきものではないが、アメリカがこの問題をどう扱ってきたかはきちんと知っておくべきである。既に新聞等で報じられているが、若い世代はパレスチナにシンパシーを持っている。「国益をまったく無視するわけではないが、正義や人権をますます重視する姿勢」を持つのがZ世代だと本書は言う。
『急進的』と言われる民主党バーニー・サンダースの主張は果たして『急進的』なのか?と本書は問うている。本書を読むと、メディアが貼ったレッテルが必ずしも正しくないことが分かる。アメリカは、先進国の中で唯一「有給の産休制度」を取り入れていない、という事実を知って非常に驚いた。
本書を読んで、私のアメリカについての理解がかなり大きく変わった。アメリカのさまざまな分野で、今何が起きているのかを知るには必読の一冊だと思う。
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日本で日本語に囲まれて生きているだけだとなかなかアクセスできない情報を得ることができてよかったです。
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アメリカの単純ではない現状は理解できたものの、Z世代についての内容はボリュームは少なく、本のタイトルとの差を感じた。肝心のZ世代の考え方で目についたのは「ダブルスタンダードには厳しい」くらい?
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1.この本を一言で表すと?
アメリカでのZ世代の新しい認識や動きに着目し未来のアメリカを展望する本。
2.よかった点を3~5つ
・例外主義(p3)
→初めて聞いた言葉だかすぐに理解できた。そのような考え方がアメリカ人にあったと改めて気づいた。
・逆例外国家(p20)
→社会保障制度が未整備な特殊な国アメリカ。
・中国のz世代についての情報(p98)
→中国のz世代は制限された言論空間で育っているので、自由社会のz世代は中国との付き合いが難しくなるだろうと感じた。
・人道に潜むレイシズム(p151)
→今まで気づいていなかったが言われてみれば著者の指摘通りと思う。
・カマラハリスの不人気(p262)
→人気の理由が詳しく解説されていてよくわかった。
・揺らぐ中絶の権利(p188)
→ロー判決の背景と判決破棄の背景を知ることができた。
・アメリカは今、人権の旗手と言えるのか(p211)
→今の傾向は人権の旗手は言えないがz世代の考え方を見ると未来への希望はあると思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・第三章 米中対立はどう乗り越えられるか
→z世代が現実主義だということはわかったが、どのように米中関係の未来を切り開いていくのかよくわからない。
・第六章と第七章は現代のアメリカの政治的課題を詳しく解説されていてよくわかったが、z世代の考えは後付けで少ししかなかったように感じた。
3.実践してみようとおもうこと
・
5.全体の感想・その他
・アメリカの社会問題政治課題を終わしく解説されていて勉強になった。
・例外主義に懐疑的なz世代が今後主流派になるとまたトランプ大統領のようなアメリカファーストが復活するのだろうか?
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世界全体の約4割にあたる軍事支出より感染症対策や社会保障の充実を。一国の強さより弱さに向き合う政治と他国との協調を。9.11同時多発テロから新型コロナウィルス感染症、ウクライナ侵攻等を経て、次世代の臨む国のあり方を具体例で理解できる本でした。
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Z世代という視点を通して、国際社会の変化の中で立ち位置を変えざるを得ない、今のアメリカの姿が見えてくる。アメリカという国が直面している様々な問題を考えることにより、国際社会を見つめ直すきっかけにもなると思う。
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現代アメリカ政治史を批判的に解説している本。
私には難しいところもあったが、勉強にはなった。
タイトルから、もっと読みやすい社会学的な内容かと思っていたので、期待とは違っていた。
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知ってるようで、知らないアメリカ政治を学べて良かった。
明日からニュースや新聞を読んだときに、今までと違う角度で、アメリカ政治について考察できそうだと思った。
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アメリカの今を知るに最適。大統領選に象徴されるような国を分断するトピック。それらに対しZ世代の支持は。
日本についてもこのような本があれば良いと思う。