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女性と男性の目線の差というのは世の中には数多くあるし、その差を埋めるのはなかなか難しい。
この本は女性目線で語っているという点からすれば男性には理解できない部分もあるだろう。
でもだからこそこの本は女性よりも男性が読むべき内容とも言える。
ハッとさせられる内容でとても興味深かったです。
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図書館本
衝撃的なタイトルと、なかの見出しも大きな文字でドキッとする言葉。
でもこの本は、それが売りではない。
中絶の責任の所在。
これまで、そして現在も、女性にどれだけの負担を強いているのか。それを理解した上で議論されなければいけない。
その理解というものが、甚だ不安定なものであったり。
ただ深く考えずして、中絶は否と言い切れるものではない。めっちゃ考えさせられる一冊。
アニーエルノーの『事件』とセットで読みたい。
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誰もが頭では理解していたけど、言葉にしなかったこと。全米騒然かどうかは知らんが。極めてファンダメンタルな事実を、ド直球ど真ん中に言ったことが評価されるべき。こんな言葉は流行ればいいと思う。
・・・。
本としては、ちょっと、くどい。
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この痛烈なタイトル。
本の内容はこの一言で語りつくされると言ってもよかろう。
しかしこの本は、繰り返し繰り返し、
このテーマを深堀している。
我々男性にとっては耳の痛い話、気づいていない話ばかりだ。
と書きつつ、私は比較的気づいていたほうだと思う。
それは、妻が気が強い、はっきりものを言える女性だったからかと。
女性がどういうものか、否応なしに気づかされた。
この本に書かれている何割かは、身をもって理解できていた。
しかし、初めて気づかされたこともある。
それは、「セックスが男性のオーガズムで終わる」
という不公平さだ。
そういうものだ、と思い込んでいた。
たしかに、女性が先にオーガズムに達してはいおしまい、
でも文句は言えないはず。逆の立場だったら。
しかしそうはならない。
こりゃ不公平だ。
妊娠、出産は明らか女性に負担がかかることは理解していたが、
セックスも不公平とは。
そのくせいまは2回目のデートでセックス、、とか、、、
若い女性はどう考えているのだろう。
もっと自分を守らなければ、、と思うのだが。
女性にリスクを負わせる責任は男性にある。
その通りだ。
妊娠能力は男性は女性の500倍!
これもすごい数字だ。
女性は月1日、30年。
男は毎日何人でも、そして一生。
一生。。。。わたしはどうかなあ。。。
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『射精責任』
赤の表紙にデカデカと書かれたゴシック体に、男性はビビリ、女性は我が意を得たり、と、大きく頷くのではないだろうか。
私は、このまるで古来からあるような説得力ある四文字熟語をはじめて見たとき、いろいろ腑に落ちた。
もちろん、この言葉は古来からあるわけではない。
今までは、望まない妊娠の責任は妊娠させられた女性のほうが負ってきた。今までは。
アメリカでは妊娠中絶に反対するプロライフ派と、女性の妊娠中絶に賛成するプロチョイス派が激しい舌戦を繰り広げている。
そこに、そもそも論を持ってきたのがこの本の著者ガブリエル・ブレアである。
‘’そもそも、妊娠の始まりって男性の膣内射精ではないか‘’
だったら、コンドームを正しく着ければ、望まぬ妊娠の先の中絶も大幅に減らせるのではないか。
エビデンスを元に、コンドームをなかなか着けたがらない(家父長制も関係あるそう)男性に『射精責任』を自覚させていく。
彼女いわく「望まない妊娠の責任は100%男性にある」
ガブリエル・ブレアは6人の子を持つ敬虔なモルモン教徒でプロチョイス派なのだそうだ。
説得力のある言葉を男性に向けて口を酸っぱくして繰り返している。
読んでる内に、本書は‘“女性による男性のしつけ本”に思えてきた。
私がもし、本書を読んだ、最近彼女ができたばかりのジェームス・フランクリン君(仮名・14歳)だったらこう言うだろう。←どっから出てきたジェームス
“オッケー、ガビー、ぼくは絶対セックスするときはコンドームつけるよ”
内容もだけれど、本のレイアウトもインパクト大。
翻訳は村井理子さん。
解説は社会学者の齋藤圭介さん。
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正直、「はじめに」さえ読んでしまえば十分である。あとはもう、同じような事がくどくど続くだけ。途中で読むのをやめた。 私はセックスのときに当たり前のようにコンドームを使う人間なので、得るものはほとんどなかった。 まあ、こんなことをセンセーショナルに本にしなければならないくらい問題が根深いということなのだろう。 というか、本来この問題を真剣に考えるべきである層がこんな本読むか?(もっと言うと、そもそも「読書」するか?)と思った。
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女性の妊娠から出産に至るまでのリスクについて。性行為について「危機回避する」には男性の方が低リスクで高リターンなのに、社会的にも女性側にそのリスクがより高く背負わされていたり、ケアが蔑ろにされている現状を鋭く批判する。
堕胎の話では、女性に責任があるような論調が繰り広げられがちで男性は不在になりがちである。
前述の通り、より避妊が低コストで容易な男性側の責任について「射精責任」という言葉で迫る。
一個一個はうっすらと理解しているつもりでも、このように対比され整理されると、性行為のリスクについての負荷、リスクヘッジのアンバランスさについて考えさせられる。
書籍にのつくりについては、キャッチーさ、インパクトさが強く出てしまっていて、もう少し「射精責任」という言葉の示すところが発散していってしまう気がするのが少し勿体無いか。
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著者のブレアさんは、アメリカのモルモン教徒。6児の母でもある。
確かモルモン教は、中絶はしないと言う教えだったはずだが、恐らく望まない妊娠もあったのだろう。
そしてアメリカでは人工中絶を法律で許すのか(プロチョイス)、許さないのか(プロライフ)で、世論を二分している。プロライフの方は、胎児の代弁者として、中絶は命を不当に奪っていると主張し、キリスト教福音派に多い。(かのセクハラ、歩く生殖器みたいなドナXX・XXンプ氏がこれを主張しているのは、悪い冗談のような気がする)
ここでブレアさんが言うのは、中絶賛成・反対の議論が出てくる前に、望まない妊娠をどうするかと言う本質的な話しがあるべきだと。そして、その妊娠を避けるには、女性の避妊方法ばかりが挙げられ、妊娠の張本人である男性のことが、あまりにも話題にされないと言うことだ。
安くて、簡単に使えて、しかも避妊成功率も高いコンドームをなぜ使わないのか?と。
確かに、中絶話の俎上に上がるのは女性だ。毎日でも的中率の高い精子をぶっ放す能力のある男性が、きちんと女性のこと、将来のことを、しっかり考えていれば、人工中絶は、少なくなるはずだ。
日本の21年度での人工中絶は、把握されているだけでも12万6174件。毎日平均345人が中絶しているとのことだ。
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インパクトのある表紙、タイトル。
でも決して気を衒ったものではなく、
今までの望まない妊娠に伴う真逆の視点を、
28の短く読みやすい章構成で、
繰り返し分かりやすく説いてくれている。
望まない妊娠に伴う報道を見る度に
「ところで〈原因〉のはずの男はどこに?」と
モヤモヤしていた気持ちを、
筆者が言語化してくれた。
中学生高校生で、必修科目にしてほしい。
そうすれば、男女がお互いを思い合えるし、
身体も心も傷ついて人生を狂わされる人を減らすことができるはず。
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近所の図書館で借りて読み終えました。
人気の資料で予約がついており、早く読みおえなくてはと焦って電車の中で読んでいたら、隣の席の人からチラチラと視線を感じました。
衝撃的な赤い表紙をカバーで隠しても、本文の大きな文字がこれでもかと心を揺さぶりに来ます。
人間を作れる種が毎日生産できて、いつでもそれをまくことが出来る、男性はすごい力を持っているんだぞ!と何度も念を押してきます。
私は未就学児を育てているので、ロリコン性犯罪のニュースを見かけるとつい読んでしまうのですが、男性自身も自分の持っている力の前で、どうしていいか困り果てているんじゃないかと、おかしなことになっているんじゃないかとこの本を読んで思いました。
日本でもこの本は広く読まれたらいいと思いますが、弱っている現代日本の男性のためにもう少しソフトな印象の表紙を、本文中のどでかいフォントも少なめにした方がいいと思います。
資格取得の勉強をしていた時、大事な部分は赤字より青い字の方が記憶に残りやすいと教わりました。
原作者の意向もあるとは思うのですが、内容は本当に素晴らしいと思うので、もう少し受け入れやすい形を模索できるんじゃないかと、勝手に悶々としております。
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フェミニズムの書かと思ったけれど、その範疇にとどまらない内容だった。人工中絶に伴う母体の負担、リスクを繰り返し説き、その発生原因は無責任な射精だと。
確かにその通りだと理解できる。SNS由来の短い章立てで、納得の内容なのでわかりやすく記憶に残る。あとは機会にあたって実行するのみだけど、そんな機会ももうないと思うとちょっと寂しいアラ還の春。
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SNSで話題になってるのを見てたけど、これはかなりショッキング。ほんとにごもっともすぎて、納得でしかなかった。どんなに頑張ってもどんなに遊んでても女性は妊娠できないし、なんでこんなに備えねばならぬのだ。タイトルのインパクトと各トピックの見せ方がすごいけど、ちゃんと内容も目が覚めるものだった。
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女性であれば誰でもが納得し、男性であれば理解する場合も反発する場合も結局同じこと。何も変わらないような気がする。要するに責任回避に向かうのだ。だけどそれではダメだ。と、本書はインパクトのあるレイアウトで非常に分かりやすく、問題定義「望まない妊娠のすべてが男性の射精にある」についてこれでもかと主張。本当にその通りです。
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望まない妊娠は全て男性のせい。
これをなぜか女性にも責任を負わせる社会が存在している。
そこに斬り込んでいく本。
読みやすいというか、読者が強い意識を持っていなくても読めるような作りになっていて、イヤイヤ読む男性も読者像として想定しているのかな。
コンドームは女性用避妊具、避妊薬に比べて手に入れるのも使うのも簡単だし、全く知らなかったけど、精管結紮術、いわゆるパイプカットは高い確率で元にも戻せるそうだし、男性側で出来ることの方が簡単。
なのにそこらへんも含めて女性に責任を持たせるのはいけないよね。と頭ではわかっていても、いざ、という時に我慢できないのが男。だから、そのいざ、より前に色々準備しておかないといけないのだ。