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前半おもしろくて読み進めるにつれてどんどんのめり込んでいったけど後半からちょっと失速感があった気がする。結構分厚い作品だから読み応えがあるけどやっぱり実際何が起きてたのかが読んでる時にずーーーーーっと気になりすぎて一気に読んでしまった。読後感は安心感もありつつちょっと切ない。でもめっちゃ心に残るとか響くとかはこの作品は個人的にあまりなかったかなと思う。
子供特有の無邪気でキラキラしてる感じが描かれててめちゃくちゃ懐かしい感じがした。ミライの学校の教育方針の中にある、子供の自立心を育てて自分で考える力を大事にするってゆう所アメリカのそれに似ててすごくいいと思った。
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見つかった白骨死体はあの夏一緒に過ごしたミカちゃん?
ミライの学校の夏合宿で出会ったノリコとミカ。親と離れ育ったミカと、麓に帰ったノリコ。ひとつの事件が再び2人を繋ぐ。
久々の辻村さん、安定して面白かったけど少しパンチに欠けた、かも。
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一気読みでした。間違いなしの傑作です!
少女たちの心理描写がすごい。自分にもノリコのように友達関係で悩んだ時期があったなぁと思い出しました。子供の頃って学校の人間関係がすべてでしたから。
大人になってからやっとおかしいと気づいてももう抜け出せない、大人が子供へ与える影響は計り知れないです。
可哀想ではありましたが、久乃が一番賢くてまともだったと思います。
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事件の真相を早く知りたいと手が進むのでさらっと読めた。
誰かを見る時に無意識のうちに「自分とは違うから」と線引きすることはきっとよくあって、無意識だからこそ自分の傲慢さに気がついた時愕然とすることがある。
人を思い込みで判断したくないとは思うけども、一方で避けられないことだと思うから、気がつくことを大事にしていきたいと思うんだよなあ。
子供を産んだから絶対に可愛いと思えるのかなというのはずっと思っていて、
私は子供ができたことがないからこそ、「母親」から逃げ出したいと思うことはあるんだなと安心すると同時に怖くもなった。
そういう意味で余裕がなくなった法子が藍子ちゃんと一緒に号泣するシーンは胸が痛くなった。
あの頃輝いてたミカやシゲルくんが大人になってから夢が醒めたようにあの頃ほど憧れてみえないのは、
法子が経験を積んで視野が広くなったからなんだけど、そういうことってままあるなと思いました。
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後半を一気に読みました。
息をつめて、読み続けました。
あ〜、すごい・・・お話しでした。けっこう分厚い本でしたが、とてもおすすめです。
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どんどんどんどん怪しくなっていく展開にページを捲る手が止まらなくなった。
一人一人に視点を当てながら、事件の真相に迫っていくところがおもしろかった。
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ミライの学校は、自由ではない。
子ども主体で考えていくことは大切だが、
大人にとって都合のいい子を作る場所であったと思う。幼少期の子どもと親は一緒にいるべき。ただ、その当たり前の環境にいられない子どもたちがいるのも現実。そういった子どもたちを現実の教育現場でみてきた。私たちにとっての当たり前が当たり前じゃない子どもたちに何を教え、伝えれるのか。逆に教えられることもたくさんある。
ともに生きていくこと、生きることを考えなくては。
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p.614 解説
わたしは、子どもには(愛)と(平等)の両方が必要だったのだな、と読後にしみじみ考えた。家庭などのプライベート空間には(愛)があり、学校などの学びの空間には(平等)がある、それが理想だといったら、理想を語りすぎだろうか?かつての先生は「利己的になってでも、その子のことだけを考える親の存在が、どんな子にも必要です」と分析するが、ミライの学校にはそういう大人はいない。子どもはただ苦しいほどに(平等)だった。しかもその平等))は平時にしか存在してくれない。非常時になれば、大人は理想を捨てて保身に走り、生える子どもの口をふさぐ、そんな環境だったのだ…。
残酷な現実ではあるけれど、学校であれ、家庭であれ、理想的とはいえない環境で生きのびるしかなかった子どもは、いびつな足場に合う独自の魂の形を作って成長し、その形に固まり、自分だけのバランスでかろうじて立っているような大人になるのではないかと思う。そうやって生き残り、大人になってから、「その足場、間違ってますよー」と誰かの手で正しいものに急に入れ替えられたりしたら、逆にバランスが取れなくなって倒れてしまうかもしれない。かつての先生によるあまりにまっすぐな科弾の言葉から、そんな危うさをわたしは感じとった。
では、いびつな足場に立って、自分なりの独自の魂のバランスで生きるかつての子どもを、誰が、どう救えるのだろうか。
大人になり、自分もまた人の親となったノリコは、もしかつての子どもの誰かとまた会えたら、そのとき何ができるのか。作者がそのような難しいテーマの物語に託した思いの、大人としての確かさ、子どものころのままの軽やかさの両方が、物語の終わりに音楽のように豊かに流れ、胸を打つ。
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見つかった死体は誰のものなのか、「ミライの学校」とは何なのか。その両方の謎を読み解ける作品。
最近は「カルトから抜けた」という体験談をよく聞くようになったが、ミライの学校も「ああ~体験談でこういうの見たような……。ありそうだし、そこまでカルトに神経質でない頃なら行ってたとかありそうだな~」と思った。でも、結局理念より金が絡んできたら大体カルトだと思う。
辻村作品は「死んでいるのは、疑っている主人公周りのキャラではなく、意地悪してきた印象の悪い子」というイメージがある。
自己評価は低いようだけど、法子はすごいと思う。
カルト集団の描写と、本当にそんなところだったのか?と揺れる描写は絶妙だったが、肝心の遺体のカラクリがやや物足りなかった。
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「宗教」がテーマの話。宗教は自分とはかけ離れたもののように感じていたが、この本を読み、誰もが知らないうちに関わってしまう身近なものだと感じた。
全体的にジメッと暗い話ではあるが、最後まで飽きずに読めた。
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2023.12.08.購入済み
2024.01.05.読了
2024年最初の一冊。めちゃくちゃ引き込まれた。
『傲慢と善良』に続き、本作もとても面白かった。
読了後、背表紙のあらすじを読んだら、「ミライの学校」をカルト団体と表していた。
あれはカルトだったのか。さもありなん。
辻村さんの描く人間模様やさまざまな感情にはイチイチ頷かされてしまう。
小学生の頃にヒエラルキー的なものが存在したことを本作を読んで思い出してしまった。じめじめとしたイヤーな記憶。自分のお母さんがイケてないことやそもそもイケてない自分(法子)の気持ちを本当にうまく表現されていて、感心してしまった。どんな立場にいた人も必ず、心にチクっとくるものがあるはずだ!
そんなイケてない法子の成長や、ミライの学校の中で育ったミカに起こったさまざまな試練、小学生の時、イケてたはずのユイちゃんが抱えていた葛藤。登場人物のすべての子にストーリーがあって運命があった。
最初から最後まで、共感の嵐。
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宗教に属してる自分にはグサグサささった。
幼い頃から通っている分、その世界だけが真実であり事実であると知らないうちに刷り込まれるんだよね〜
子どもの頃から大人になったミカの気持ちが痛いほどわかった。自分の想いには反して小さい頃から宗教の中で育つと言う事が、どれだけ人生観を縛られるか、本当によく描かれている作品だと思う。
もちろん、全く宗教と関係なく読む小説としてもおススメの作品です。
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小学生の子ども視点で描かれるミライの学校、
そこで形成されるささやかでありながらも
確実に存在するグループや上下関係のような序列
子供にとってはそこが世界の全てで
逃げたくても逃げれない絶望があり
子どもをもつ親としては身につまされる思いでした
改めて強く感じたことは、自分の狭い見識や常識で
子どもを縛り付けるのは良くないということと、
子ども扱いせず1人の人間として尊重し、きちんと説明し納得してあげるよう大人が努力することが大事だということ
誰もが懐かしむあの頃、純粋に楽しんでいた少年時代
ただその子どもたちにも世界、社会があって
懸命にその中で戦っていたのだろう
大人たちが自らの正義を疑わずその理想郷のため
犠牲となった子どもたち
誰もがミカちゃんにヒサノちゃんに
なり得たかもしれない
切ない物語でしたが、読後感は悲しみだけではなく
ほのかに希望や明るさを感じられました
辻村深月さん、さすがです
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<ミライの学校>
新しい教育理念を進める団体なのか?
理念に狂信的なカルトなのか?
幼い時期からずっとそこにいた子、合宿と称して年に一週間だけそこで学ぶ子、それぞれに受け止め方は違ってくる。
そしてそこで見つかった遺体。
この子はだれ??一体何があったの?
閉鎖環境での事実ははっきりするのだろうか?
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人物造形に巧みな小説は多々ありますが、「ミライの学校」という内部集団をこれほど深く書き上げてあることに驚きました。