紙の本
頼政と義仲と安徳帝と
2024/01/04 18:09
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投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
源頼政は、平清盛に恩を仇て返して挙兵して、滅びた人だと思っていました。源義仲も何故簡単に、京で敗死したのか不思議に思っていました。そして安徳帝にも秘密が!
橘樹雅も崇と奈々に出会いました。
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円熟味を増すQEDシリーズ。
今回は鵺退治の英雄で77歳という高齢で挙兵した源頼政の謎にスポットライトが当てられ、タタルがその謎と共に源平合戦の真実を解き明かしていく。
『平家』という強大な敵に対して、ここまで自らの正義や信念を最後まで貫いたカッコいい生き様の武将がいたとは知らなかった!
タタルと奈々の寺社巡りの裏で起きた殺人事件にもやはり源氏と平家が絡み、犯人より歴史の解釈に圧倒されっぱなし。安徳天皇の考察にも説得力があった。
歴史の本当の真相はわからないが、古に生きた人の息吹と想いは色褪せずそこにある。
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本の雑誌2024年3月号の「メフィスト賞を探検せよ」を読み、受賞作QED百人一首の呪を本屋に注文した際に、棚にあった本書を購入。奥付きに2023年9月15日第1刷発行とあるから、シリーズ1号と最新作を読んだことになるかもしれない。
読後、あれ、と思ったのは探偵役のタタルは犯人の目星をつけていたんだろうかといこと。歴史談義を続けていたら、たまたま犯人が割り出されたような気がする。
しかし、不思議に違和感がないんだな。文体なのか、話の筋立てなのか。上手いということなんだよな。
タタルの歴史に関する考察は、今回は源頼政や義仲。頼朝より頼政が源氏の本流とかあって、へ~と感じる。清盛に唯々諾々と従っていた年寄りが急に反抗した歴史の小さなエピソードぐらいに感じていた。大きな思い違いだとある。
本書の論は説得力あると思う。
特に安徳帝の秘密は驚いた。
歴史ミステリーはもう食傷気味と思っていたんだが、このシリーズはもう少し手に取ろうと思う。