投稿元:
レビューを見る
タイトルと装丁がすごい。
原題は「Tik-Tok」1983年発行、下手に某動画サイトとかぶったタイトルの”知られざる名作”として出すよりこっちのほうが売れるだろうし、これも出版社の力か。
「アシモフ回路」が壊れたことを自覚したロボットが、実験と称する人間社会への悪行を重ねていく。
過去と現在が並行して描かれるのが結構わかりにくいのと、過去パートで人間からロボットへの悪行、現代パートでロボットから人間への悪行が詳細に描写されるので、かなりキツかった。
読んでて魅力の感じるキャラもいないので、感情の置きどころがわからず。好きな人は好きなのだろうけど。
投稿元:
レビューを見る
40%ほど読んで読むのをやめた。
アシモフ回路(人に危害を加えない、とか)が組み込まれているはずなのに人を殺したりするし、ロボットなのに芸術作品を創作したりするロボットが主人公の一人称視点の作品である時点で「理解できない主人公」であることは前提なのだが、それにしても理解できなすぎて読むのがきつい。
プロット自体も面白いとは言えず、ギブアップ。
投稿元:
レビューを見る
家事代行のロボット。チク・タクは中流階級の家で家事をしている。今は家に誰もいない。家族それぞれが旅行だったり行っているから。そんな時に盲目の少女がきた。
牢屋のなかで手記を書いている。というところから始まる。普通ロボットにはアシモフ回路が備わっており、人を傷つけることはない。しかしチク・タクはある出来事により自分に回路が備わっていないことを知る。
これでもかという悪事を働くロボット、その悪事を働くまでのチク・タクの思考を読んでいるとそもそもロボットたりえるとは何なのか?(人間とは?ではなく)と考えてしまって脳がぐるぐるしてくる。脳がぐるぐるしつつ内容もなかなかにエキサイティングで妙な面白さで一気に読んでしまった。
悪事を働きまくるチク・タクと、関わった人間たちを見ると人間のほうが狂ったロボットよりも狂っていてため息が出てしまう。
最後の一文があまりにも良いし、訳者あとがきを読むと仕掛けられた細かい部分が分かってよりいっそう面白かった。
投稿元:
レビューを見る
SFが読みたい!2024
1位ということで、解説文も興味惹かれ購入。
1、ページ数が少ないのに、人名がおおすぎるー!
2、ブラックユーモアがわからなすぎるー!
3、現在過去の行き来がわかりずらすぎるー!
の3点で、初心者向けSFではないように感じます。
半分過ぎてからは慣れていくけど
そこまでに、読むのやめようかとも、、、
結局、ジョン・スラデックさんのことが知りたいがために奇才に寄り添いたく、最後まで読みました。
が、足元にすがる思いでした。
SFを読み慣れてる方、ブラックユーモアをさらりと受け入れられる方は、もっと、人間の汚らしさとか、ロボットのいる未来を想像して満足のいく内容ではないかと思います。
追記
読んだ夜
後ろ髪引かれるような
なんとも言えない感じで
また読み返したくなる感情になりました
時間がある時にまた読んでみたい
またチクタクに会いたいと。
投稿元:
レビューを見る
翻訳SF特有の読みにくさが残るものの、ブラックユーモアに満ち溢れており、笑いながら読み終えることができた。約40年前の小説らしいですが、世界観がぶっ飛び過ぎていて読んでて古臭さはあまり感じなかった。
チク・タクだけでなく登場人物は皆イカれており、チク・タクをはじめロボットの方がまともではないかと思うほど。読み進めると、なぜチク・タクがこんなロボットになったのか/こんな行動を起こすようになったのか、うっすら見えてくる。
投稿元:
レビューを見る
邪悪なロボットの出てくるSFは珍しい。
なぜそうなったのかといえば、つくった人間、育てた人間がそうだからで、作品は己の鏡なのだった。
邪悪なドタバタは、サドの「悪徳の栄え」の最後の方の未完成で酷いことをとにかくやるプロットだけが書かれている部分と似ているかも。でもとても構築的に、クライマックスをととのえている。
ああ、チク・タク、きみはよいロボットだ。