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楽団の団長を務める中年男性の
過去との決別と再生がテーマの話であったと思いますが……
主人公の中年の男性が高校生のころ
地元の映画館のモギリをしてた
当時、中年と思われる女性の
絵画モデルをしていてですね
(その女性は映画館の看板も描いていた)
何十年か経って
その絵を探すクダリがあるんですけど。
個人的には
魅せられる系のストーリー性
ちょっと欠ける部分が多くて
風景や街の特徴などは脳内に浮かぶ文章なものの
琴線を大きく揺さぶるヒューマン描写は、あまりなかった印象です。
作者がデザイン会社を経営してるようですし
オサレなアーティストたちの
中年になった憂い的な話なんで
ほんっと人ごと感、半っぱないし
ラブカの後に海洋生物つながりで手に取った本ですから
ラブカと比べて
どうしてもハードルが高くなってしまい。
登場人物にも
あまり感情移入できなくて
良い人たちだなあと思いはするんだけども笑
感情移入できたのは
主人公の多々さんに会いたいという想いのみだった。
あ
アテも会いたいわ多々さん的な笑
自称
自分で物事を決めて進めたことのない主人公が
絵画のモデルを務めたことで思い出す人物である
映画館のモギリけん画家の多々さん
主人公の子供の頃から街の映画館でモギリしてた多々さんという女性
こういう雰囲気の女性なら
過去にいたような気がするし。
多々さんの描く人物画は驚くほど正確で機密なものだったらしく
高校生の主人公が多々さんのアパートで絵のモデルをやった経緯と描写のクダリあって
何もセンセーショナルなことは起こらず
個人的には登場人物の生い立ち
取り巻く環境から別世界で
とは言え
別世界で地元に残った仲間たちは下町風情で暖かく
ホッコリしないこともないドラマでした。
芸大モチーフふんだんな要素ある物語で
登場人物は35歳から85歳まで(多々さんとか)
なかなか高めの年齢設定だった。
苦ではない小説。
正欲とか教団Xとか私の男は苦な小説だから
苦な上にイライラも併発するし。
あくまで個人的には。
苦ではない小説だけど
ふっと涙腺崩壊する場面もないし
楽団、スパイ、海獣、モチーフが
ちょっとラブカと被りすぎていた印象あってですね
感受性のリアクタンスを感じたというか………
男性と女性の性質の差異もあるのかなと。
差別ではなくて差異はどうしてもあると思うんですよ。
いくら多様性と言われても。
性質の差異はあるわけですから。
切りかえモ���ドが自律神経のようにうまく動かない時もある。
時を変えて再チャレンジしたらハマる場合もある
そういうノビシロはじゅうぶん、ある小説でした。
とってもオシャレなブックカバーに文体だったので作者の方も優しくオシャレなのだと思いました。