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「眠れぬ夜のジャガイモグラタン」
「明日のためのコンソメスープ」
「ご褒美の仔羊料理」
「師弟の絆バスク風パテ」
「長い夜の末にクレームカラメル」
五話収録の連作短編集で文庫書き下ろし作品。
物語の舞台となるのは夜9時から朝7時まで営業している『キッチン常夜灯』。
マンション火災で焼け出された主人公を中心に、心と身体が疲れた人達が居場所を求めやって来る。
脳内に美味しそうな料理と共に、皆の表情も浮かんで来た。
疲れ切った心身を芯からほぐし癒してくれる、こんなお店が実在していたらどんなに良いだろう。
心がホッとする温かな物語。
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Kindleで読んだ。
街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる――共感と美味しさ溢れる温かな物語。
初読みの作家さん。
夕方から朝まで営業している「キッチン常夜灯」。
終電を逃した人やこれから仕事に行く人たちで賑わっていて、ビストロなのに朝はおにぎりと味噌汁が食べられるなんて…素敵すぎる。
2回目の訪問で
“ああ、やっぱりここに来てよかった。ここがあってよかった”と思えるお店っていいなぁ。
気負わずに食べられるビストロを近所に見つけたい!
入るまでどういうお店か分からないけど、店前で堤さんのように明るく声をかけられたら安心するよね。
そして料理の描写が美味しそうすぎて…。
お腹すきまくり。
仔羊モモ肉ロースト、バスク風のパテ、アップルパイに様々なスープ…料理の温かさが伝わってきてたまらなかったー!
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私の家の近くにもこんなお店があったらなぁと羨ましくなったし、シェフの優しい料理を食べたい…。
読み進める度に私もお店に行ったみたいに心が温まって、頑張ろう。と思える本でした。
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確実に今年1番読んでよかった本です。
夜から朝にかけてオープンするという「キッチン常夜灯」がとってもあったかくて、自分もまるで訪れているかのような気持ちになれて、心が救われました。
夜9時から朝7時まで営業しており、
夜遅くに仕事が終わる人、終電を逃して行き場のなくなった人、夜を1人で過ごすのが怖い人、朝早くに仕事に出かける人などを、美味しいお料理でまるっと包み込んでくれる「キッチン常夜灯」。コンセプトが、実際にはあまりないレストランなので、斬新ですよね。シェフとソムリエのお人柄と、お客様に合わせたこだわりの料理が、疲れた心と身体を癒してくれます。
どんだけ疲れてても、美味しいご飯が食べれたら、今日1日の頑張りが報われた感じがする。
食べ物の力って偉大だと改めて思いました。
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昨日書いたレビューに『多分、今年最後の一冊』と書いてしまったが、ようやく落ち着いた大晦日、TVも観たい番組が全くなく、速攻でもう一冊読み終えることが出来た。
「ほどなく、お別れです」の作者さんになるこの本、一年の終わりに、来年もまた頑張ろうと思える、とてもよい話を読めて良かった。
チェーン系レストランで店長を務める南雲みもざが、上階の火事のせいでマンションの部屋を焼け出されるところから始まる物語。
仮住まいの会社の倉庫の一室での勝手が違う生活に疲れがピークに達する中、路地裏で夜から朝にかけて営業するレストラン「キッチン常夜灯」にたどり着く。
無理やり押し付けられた「店長」という鎧が『店では分不相応な責任感を与え、店を出ても緩やかに私を締めつづけていて、少しの弱音も吐かせてくれない』というみもざの心情は、同じように背伸びをしながら仕事を続けてきた身としてはとてもよく分かる。
だからなのだろうか、寡黙なシェフが作る温かくてやさしい料理とそれを食べているみもざの様子を読んでいるだけで、心の中にじんわり暖かいものが広がっていく。
至福の料理とそこに集まる様々な人たちと交わることで心を溶かしたみもざが、唯一の社員である永倉との関係を作り上げながら、その鎧を緩やかに脱ぎ捨てていく過程にも共感。
みもざと中華料理店を営む父、シェフとその母、訳ありの客・奈々子さんとその夫など、折々に語られるそれぞれの人間関係は物語の背景として活きていて、且つ仕事と家庭ということについて考えさせられた。
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これも、かなり好き。
夜から朝にかけてオープンしてるキッチン常夜灯。
浅草でファミレス店長として奮闘する主人公みもざちゃんのストーリーと、キッチン常夜灯と、そこに集まるお客さん達のストーリー。
こんなレストランあったら常連になりたくなる。
メニューもどれもおいしそう!
本は文字でしか頭に入ってこない分、想像が膨らむ膨らむ。
冒頭は、みもざちゃんが住んでるアパートが火災で水浸しになり住めなくなり…っていう波乱な始まりだったけど、そのことを忘れるくらい、暖かなキッチン常夜灯でした。
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ただ美味しそうなものがでてくる話ではなく、お仕事小説でもあるのが良かった。
飲食業で働いたことはないけれども、その大変さはよくわかったし、個人店とチェーン店の対比もわかりやすかった。
色々なことを乗り越えながら、最後は主人公が自分のお店を持つことが夢とかいうのかなと思ったら、それをいい意味で裏切ってくれたのも良かった。
そしてなんと言っても、キッチン常夜灯の料理がどれも美味しそうだった。
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最近、食べ物系の本・漫画・映像系が好き。おいしそうだし、ほぼ平和な気がする。
水道橋にあるキッチン常夜灯。常連になれるお店が欲しいと思っていた私にはうらやましすぎる設定。もうすぐ子供が生まれるので、夜から朝までのこのお店には通えないが。
主人公は自分の立場に悩む、ファミリーレストランの店長の女性。能力を買われてというよりは、社会情勢的に女性店長を増やしたいという会社の考えに巻き込まれて、という感じ。ただそれにくよくよし続けるわけではなく、キッチン常夜灯に通ううちに前向きになっていくのもよい。
良いご飯屋さんというのは、味ももちろんだが、お店の雰囲気もとても大事だ。メニューのわかりやすさ、種類、変化。金額。店員の雰囲気、お客さんの雰囲気。席数、配置。システムや動きも。全てを兼ね備えたお店に出会いたい。
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南雲みもざにとっての、大切な場所のひとつ『キッチン常夜灯』。この店は、路地裏で夜の9時から朝の7時までオープンしている。彼女にとっては、荷が重い店長の仕事の癒し場所。眠れない夜やストレスがたまりすぎたときに、こんな場所があればいいなと思った。
シェフが「忙しい日々こそ、丁寧に自分と向き合う時間が必要。そして、大切な相手を考えるなら、まずは自分を大切にすること」と語った言葉に同感。
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自分の存在、価値、居場所。周りと比べると劣ってばかりで何もない。
ただただ毎日、不満を抱えて繰り返している。
そんな人生も目線を変えれば、実は輝いて見えたりするんだろうな。と思わせてくれる前向きな物語。
「キッチン常夜灯」を通して温かい人との出会い、それぞれの人との関わりを通して色付いていく主人公の人生の過程がとてもよかった。
そんな場所や人との出会いもきっと一歩踏み出したからこそあるもので、単に羨ましいなぁ。と思うのではなく、私もその一歩を踏み出せる人間でありたいと心から思った。
なんだか春にぴったりな一冊。
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とても心が温まった作品でした。 映画や本などで心が温まったという感想を何回も見てきたがイマイチ理解ができなかった。 しかし、この本を読み終わってからはようやく理解ができた。とても、心が温まり穏やかな気分に慣れた。 何かに行き詰まったり疲れたりしたらまた読みたいなぁと思う。
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こんなお店が近くにあったらと思いながら読み進めました。シェフの心に沁みる料理、堤さんの心あたたまる接客が本当に素敵で、、、!
美味しい料理を食べて、頑張ってる自分をいたわりながら、明日も生きていこうと思えるそんな空間なんだな〜と!
私も仕事終わりにフラッと寄れるそんなお店にいつか出会いたいです。
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物語の始まり、プロローグ3ページ目からもう既に、この後どうなる!?な関心がぶわ〜っと膨らんだ。
主人公の仕事が大変そうで、職場のシーンの割合は少ないのにしっかりその背景が馴染んで入っているような感じがした。
そのうえで、キッチン常夜灯で過ごす時間や感じたことが読み手の私にもじんわり染み渡った。
心があったかく膨らみ、物語から元気な1歩を進める力を分けてもらった気持ちになった。
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本屋さんのレジ前に平積みしてあり、この本と目が合った感じがして運命だと思い何となく手に取りました。
シェフの丁寧な料理と姿勢、堤さんの心温まる言葉、接客…その全てに包み込まれる物語でした!!
途中少し辛い部分もありましたが読み終えた時は優しい気持ちになれて、私も疲れた夜には『キッチン常夜灯』に巡り会いたい!そう切実に思いました。
日常で疲れてしまった時、そっと開きたくなるような作品でとってもお気に入りです。
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夜中に営業しているキッチン常夜灯。
お客さんにそっと寄り添い、温かで美味しい料理を出してくれる。
料理小説が好きでよく読んでいるけど、最近こういう設定の小説が多い気がするなぁ。
「同物同治」という、体の悪い部分を他の動物の同じ部分で補うという薬膳の考え方は、初めて知った。
同物同治だと言ってトリップを食べる奈々子さんが切なかった。