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『アニメ化4作品の漫画家が時計にハマった結果5000万円の借金を作った話』
著者 ヒロユキ
ワニブックス|plus|新書 2023年
皆さんはこの本のタイトルを読んだとき中身はどんなものだと想像しましたか?
私は借金の返し方の本かなと思ったんですよ
タイトルの額が大きいので、どう言うふうにお金を借りて、どう言うふうに返していくのかみたいな。
けれど全く違いました。この本は借金ではなく「時計」の方に着目した本です。もっと言うなら、高級腕時計に関して書いた本です。
まぁ、僕の読み方がへなちょこだっただけで、普通に考えたら、タイトルに時計の文字がある時点で、借金はその時計への情熱と言うだけなんですけど。
基本的に筆者の時計にハマる過程そして買ってからの心境や環境の変化について書いたエッセイなので、軽く読めます。けれど、この本にも書いてある通り、時計の構造や歴史に関しては特に書いてないので、そこら辺は期待しない方がいいです。
一番興味深い箇所を引用します。
腕時計はそのプラモデルのもっとすごいやつだと思っている。大量の細かいパーツをプロの職人さんが小さいケースに詰め込んで作り上げる。しかも、当たり前だけど時計として針が動くし、ものによっては時間だけじゃなくて月の満ち欠けや、ストップウォッチ機能、4年に1回の閏年まで計算して全く狂わない永久カレンダーなど。それらを全て歯車の組み合わせだけで再現しているものとか。もちろんそんな機能が実生活に必要と言われれば全くそんなことはないのだけど、そんなものをこの小さいケースの中に詰め込んでいる、と言うのが面白いとしか言いようがなかった。
こう言う人が何かにハマった理由の言語化は自分も同じ気持ちにさせてもらえるので好きですね。