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心の中に巣喰う、グロテスクで黒くて、絡まりまくった闇の部分。もしかしたら自分にもこういうのあるかも。
でも、いちばん怖いのは、自分の隣にいる人もこういうの持っていて、何かの弾みでそれが突然発出するかもってことだねえ。ちょっと想像してみて。
サイコだわ~。怖いわ~。
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ほぼ全編、セックスもしくは邪悪な心を表現する短編集。
大好きな原田マハ。なのに何一つ心に響かなかった。
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原田マハさんの作品の中で、初めてのどす黒い深い底の淵に佇むような本でした。
色々な意味でドキドキしながら読みました。
黒い絵というタイトルに込められたいくつもの話には、それぞれの黒があり、心の黒い部分を開けていく恐さ、重さがあり、あっという間に読んでしまいました。
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マハさんが官能小説かあ。偏見抜きに読み進めたが、やはりマハさんの文章から紡ぎ出される雰囲気とは合致しない気がする。ただし「指」は良かった。女性版谷崎潤一郎を少し感じた。打って変わって「向日葵奇譚」は普通に面白かったが、少し勿体ない題材でもある。ゴッホの人間性を題材にしたミステリーホラーとしてもっと推敲を重ねた長編で読みたかった。
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Amazonの紹介より
ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!
深海魚 Secret Sanctuary
高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。
楽園の破片 A Piece of Paradise
ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。
指 Touch
私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。
キアーラ Chiara
アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。
オフィーリア Ophelia
わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは…。
向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower
超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。
芸術に魅了された人たちを描いた短編集でした。時に艶かしく、時に悍ましくと欲望を追求するがゆえの人の描写が生々しかったです。
まさか原田さんがエロティックな要素を盛り込むとは驚きでした。どの作品も、「芸術」と思わせる作品を盛り込みつつ、その描写は想像すると、幻想といいましょうか、不思議な空間にいるような感覚がありました。
前半では、「えっ?ここで終わり!?」と思うような結末でしたので、モヤモヤ感が残っていたのですが、後半につれて、しっかりと終わっている感があった印象だったので、個人的には後半の作品が良かったです。
特に「オフィーリア」という作品は、「地獄変」をモチーフにしていて、ゾッとしてしまいました。斬新な視点や芸術における恐怖さが後を引きました。
芸術を超えた芸術なのか?究極すぎる芸術に、狂気性、異常性をものすごく感じました。
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好きか嫌いかめっちゃ分かれそう。
人間の気持ち悪いとこらが詰まってる。
でも、綺麗事だけじゃないしな。
人間のこういう一面を知れるのも文学だよな。
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2023年90冊目
原田マハさん/黒い絵
これまでのマハさんの作風とはガラリと異なる、アートに潜むダークな面を描いた短編集。読み終えた後、なんとも言えない気持ちに。
#読了
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6つの短編
前半3つはエロティック
後半3つは怪奇
2と3は女性の大人向け。特に2つ目の「楽園の破片」は30代後半以上の女性だとスッと分かる。巧さが際立っている。
その他の作品も巧いなと思う。
どれも美術に絡んでいて私は読みやすかった。
1は漫画、
2はゴーギャン、
3は弥勒堂の釈迦如来坐像、
4はアッシジの聖フランチェスコ、
5はミレーのオフィーリアと芥川の地獄変、
6はゴッホ
短編だからサクッと読める。
物理的にも文字が大きく行間が広くて、すごく読みやすかった。
他のレビューを見たら、ファンの人にはショックな作品らしい。
私は特にショックはないけど、原田マハさんの作風を期待して読むと確かに物足りないとは思う。
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原田マハの新境地?6作の短編集なのだが、特に繋がりは無い。絵とエロスを合体させたものだったり中々面白かった。
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エロス、危険な遊戯、殺意、確かにクロマハさんでした。ナンバーナインや夏を喪くすを思い出した。最初4篇はデビューしたての頃の作品で後半2篇が新作。比べながら読むのも面白いかも。まだまだ引き出しの多い、マハさんです。個人的には、指とオフィーリア、向日葵奇譚がお気に入りです。
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最初から吐きそうな内容だったが、他の方の感想を読んで、何とか最後まで辿り着いた。確かに「向日葵奇譚」は読めたが、以前のマハさんならもっと膨らませてくれた筈で残念でならない。必然性のあるエロさならまだわかるが、何だか、局部丸出しはいどーぞ的な表現に失望しかなかった。
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原田マハさんは、好きな作家の一人です。今回記念すべき20作目を読みました。しかーし!なんと本作は、「驚き、桃の木、山椒の木」(寅さんか!死語?)的な衝撃の短編集でした。
確かに帯には、「禁断の書」「著者初のノワール小説集」等とうたわれ、構えて読み始めたのは事実なのですが‥。
全6篇収録の短編集なのですが、1篇目から淫靡で背徳的な同性愛の性描写、おぞましいいじめ等、いきなりの暗黒世界の幕が切って降ろされます。
ええぇぇ! マハさーん、どうしちゃったのー?と困惑するも、新たに作風の幅が広がりこれもアリとか、あり得ないとか、賛否両論ありそうです。
んで、さらなる混乱! 巻末を見たら、初出は、前半4篇が2007~2008年、後半2篇が2022~2023 年となっているではありませんか!
え、じゃ何、この衝撃(特に妖しく官能的なのは前半3篇)は、15年前の作品へのもの? 「どうしちゃったの」とか「新たな作風」とか、根本的に間違ってたの私だけ?
6篇の内容は割愛しますが、いずれにせよ、これまでのようにアートに関する造詣の深さを随所に散りばめながら、ミステリー要素はほぼなく、テーマをアートや関わる人の暗部、女性の深い情念にスポットを当てている気がします。
アートは、創り出すのが人間だけに、綺麗事では済まないんですよ、とマハさんが陰で笑いながら挑発している姿を想像をしてしまいます。
作家さんが、様々なテーマ・作風で小説を書くという欲をもつのは、自然なことなのかもしれません。原田マハさんの、多面のうちの一側面に関心のある方は、読んでみては如何でしょうか。
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表紙が怖い!
そして、中も暗くて恐かった。
これは ない かなぁ~。
大好きな原田マハさん、どうした?!?
新しい境地なのでしょうか。
6つの短編小説集。
そのうち最初の4編は性欲と不倫の話ばかり。
「芸術って、こういうところから生まれてくるのよ」
ってことなのかな?
第5編の『オフィーリア』では、
芸術がダークなテイストで描かれます。
でもこれって、破滅型。
読んでいて気持ちが救われませんでした。
最後の『向日葵奇譚』
これは役者の憑依の極みというか…。
ちょっとオカルト的でした。
因みに、私はマハさんの『異邦人』が大好きです。
37冊読んだ中でトップ3に入るかもしれないくらい。
少しダークだけど、あの小説には情緒と美しさがありました。
でも、これは…私には受け容れにくいなぁ。
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作家には、既存のレールから離れた作品を書きたいという欲望があるのだろうか? 本書はタイトルの通りノワールである。本書は、著者のカラーである美術ミステリーを基調にしながら、人間の影の側の部分である欲望や暴力、死や暴力などネガティブな側面への、いわゆる異常と呼ばれる志向をテーマに綴られた短編集である。
欲望には様々なものがあるが、そればかりを集めて綴る短編集とは、まさに危険物そのものである。欲望とそれを実行すること。エゴの極致問いも言える暴力とそこへの憧憬。消えてしまいたい。消してしまいたい。殺されてもいい。殺したい。なぶりたい。忍耐ではなく快楽へ。モラルではなくブレーキのない世界へ。暴力へ。そんなものばかりを集めた黒い美術館とさえ思わせる一冊である。
サイコな少女たちのあまりに異常な結末を描く『深海魚』からショッキングなスタート。ゴーギャンの絵のイメージの中で崩壊してゆく女性の日常を描いた『楽園の破片』。室生寺弥勒堂の釈迦如来像を前にして性夢にふける女の時間を描いた『指』。アッシジの連作壁画『聖フランチェスコの生涯』の修復をテーマに衝撃のラストシーンへと招く中編『キアーラ』。溺死する女のイメージをまるで芥川龍之介の文章のような一人称の語り口で不気味に語る『オフィーリア』。ゴッホを主人公にした演劇と、夢と現実の狭間を行き交う幻想的な物語『向日葵奇譚』。
以上が、この明るい作風が多い原田マハの手から生まれた異様な作品群である。陽と陰のせめぎ合いの中で、どうしても書かざるを得なかった部分であるのか、新境地を闇という方向にも求めたい部分がきっとこの作者にはあるのだろう。しかし読者がこの作家に求めるものは、この作品集にはおそらく何一つないのではないか。強いて言えばほとんどの作品が美術に片足をかけているというところ、であるのかもしれない。人間の陰と陽を覗き込むような、好奇心だけが読ませた一冊、といったところだろうか。
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過去拝読してきた原田マハさんの作風とはまた違う一面を見ることができました。
短編集を読むときによく思うのですが、これがもし長編だったならもっと背景やつながりが出てくるのかなと…。
短編の良さももちろんありますが、少し物足りなかった印象です。
アートに精通するマハさんならではのお話もあり、そこはやはり読みながら画が浮かんでくるので楽しい!