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一ノ瀬迅、ミャーコらの過去に触れながら、いよいよ最終盤となってきた天皇杯決勝を描く18巻である。
延長後半、ビハインド(2-3)で焦る東クルを描いた今巻は全編を通して試合の内容を描いたもの。
蘊蓄多めのこの作品には珍しくストイックなほどサッカー漫画的であり、ゲーム展開も劇的に動いている。
一方で惜しいのが、場面場面の切り抜きが多く、サッカー全体の動きが見えづらい点だろうか。
打ち手でゲームが変化するような展開でもないため、ある意味でリアルな
「なんとなく時間が流れていく中で、驚くような瞬間が生まれてくる」
みたいな、リアルサッカーの呆気なさのようなものが見えなくもない。
興味深いのは巻末の権田選手との特別対談。
この作品らしくかなりマニアックな話題なども為されていて(キックのフォームを修正した話だとか)、今となっては懐かしいカタールW杯のプレイバック的な内容もサッカーファンへの訴求力が高い。
この対談なども加味しつつ、今巻は星四つ半相当と評価している。
おそらく次巻で天皇杯も終わりを迎えるだろうし、この作品としても終わりは近いのかもしれない。
どのような物語が紡がれるか、楽しみにしたい。