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自分が感じる社会での生きづらさに説明がついたりするのかしら、と思って読んでみた。
進化心理学とは、人間の心理を進化生物学の観点から解き明かす学問。
近代文明になってからまだ数百年、その前に万年続いた狩猟採集時代の影響が、現代の人間にも色濃く残っているという。
マウントを取りたがったり、男らしさ女らしさの由来、孤立を怖がる心理など。
サル、ヒト、文明と、相反する三つの心を持った現代人類は、その矛盾を抱えたまま発達した社会で生きていくため、思い悩むのは仕方のない事らしい。
説明されると納得いくことばかりだったけれど、そこで解決策が提示されるわけではなく、ただ理解するという感触だった。
でも、生きづらいのも仕方のない事だと知ると、少し気が楽になる気もする。
印象的なのは遺伝の話。
生まれか育ちか、については、現代ではほぼ半分ずつという見解がでているらしい。とりわけ、能力面では遺伝が、性格面では環境が大きく影響するとのこと。
何とも言えない結果だけど、本人の捉え方次第なのは変わらないなと思う。