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小学生の時のたった一言。その一言が生まれるまでの経緯や、その一言からパニック障害になるまでの描写、心情がとてもリアルで、貫井さんの文章はやっぱり面白いなぁと、どんどん読むのが止まらなかった。後半は、とんとん拍子に進んで終わってしまったのが少し残念。もっと読みたいと思った。
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プロローグで語られる、アニコンでの無差別殺人事件。
その犯人斎木と同級生だった、安達の視点で語られる。安達は小学校時代に斎木へのいじめのきっかけを作った人物だった。
それが遠因となって、このような事件を起こしたのではないかと悩み苦しみ、パニック障害から勤め先を休職せざるを得なくなる。その打開のため、斎木の履歴を知ろうと関係者の間を訪ね歩く。
安達の視点だけの単眼的でではなく、事件会場で動画を撮影しネットに流した大学生亀谷、同じく斎木をいじめた同級生の真壁、被害者の遺族である江成厚子らの視点を絡ませ、多層的な構成となって小説に膨らみを持たせている。
ネット社会の光と闇を交え、現代社会の課題にも言及する。
何気なく発した言葉や行動が他者の心に影を落とす。
「人は原罪を抱えて生きていくもの」との文言に納得せざるを得なくなるが、、最後に救いがあり、満足な読後感となっている。
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殺害動機についてなぜアニコンだったのかは個人的にはそこまでしっくり来なかったが、そこに至るまでの各登場人物の心情に共感する部分があった。
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アニコン会場で突如起きた無差別大量殺人。ニュースを見たエリートサラリーマンの主人公は、犯人が小学生の時いじめた同級生と知るが。。
その事実の重さに心を病み、主人公はその動機を探る。主人公の他、この犯人、事件に関わる様々な人間の描写を通じて、人の心に宿る悪の芽を炙り出していく。この悪意の精緻な描写は貫井さんの真骨頂。一気に読めたが、結局最後の結論というか動機の部分だけはイマイチはまらなかった。
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読む手が止められなくなる事と、読むのが辛くなる事の両方を感じ、感情が揺さぶられとても面白かった。
善意ある行動とは何か、無意識の悪意、他者への想像力など色々考えさせられた。
2024/05/06