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紫式部の日常生活と物語世界を交互に進行させるので、紫式部がどんな暮らしをしていたのか思い描けるのは趣向はいいのですが、その現実世界がつまらない。それだけでも読ませるほどの小説としての起伏が欲しい。香子と賢子との親子の交流もおざなりですね。
本巻には光源氏が朧月夜と結ばれる場面や野宮で六条御息所と別れる場面があります。いずれも感興があり、印象に残る名場面でしたが、本作では心に残りません。贅沢ですが、源氏物語には文体に香り立ってほしい。ただ、花散里については作者の思い入れを感じます。
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2024.4.17
大河ドラマの紫式部(まひろ)とはまた違った紫式部(香子)が描かれています。紫式部の一生と源氏物語の現代語訳が交互に進んで行くので、源氏物語も読み返すことができます。それにしても、源氏物語の息詰まるような心理描写は素晴らしいと思いました。
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宣孝の子・賢子を産み、宣孝と死別し、彰子に出仕。短い保昌との再再婚と別れ。散文的な中流貴族の娘の一生は、物語とは関係なく淡々と続いていく。
物語は朝顔まで。
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(アマゾンより)
構想10年! 著者渾身の大河小説、第2弾。
藤原宣孝との子を身籠った香子(紫式部)は、悪阻に悩まされながらも、「源氏の物語」を書き継いでいく。しかし無事に娘・賢子が生まれ、一家が喜びに湧くなか、夫・宣孝が病に倒れてしまう。悲しみに沈む香子を支えたものは、やはり物語であった。
出産、夫との別れ、そして藤原道長に求められて中宮彰子に出仕するなど、香子の波瀾の人生とともに、『源氏物語』「紅葉賀」~「朝顔」の帖を描き出した傑作長編小説<全五巻>。