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いつかお祖母様と同じ道を歩んで主人公として登場してくれることを願っていたので概要を知って発売が楽しみでした。
完璧ではない主人公が登場するのは中山作品では珍しく、主人公が感じる感覚の距離が近いからか一緒に考えているような読み心地でした。
テーマはタイトル通り「AI」を取り巻く今の問題定義。AIを作るのも使うのも人。そしてそれを通して見える世界はまだスタート地点。そこに政治的介入や思想的感情が入ってしまえば間違った道に進む危険もある。
慎重に、かつ柔軟な心。これはAIに限ったことではないけれど今まで無かったものに対するには必要なことかな。
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静おばあちゃん以来の円が主人公で嬉しいです。しかも、ついに裁判官になったんですね。
裁判をAIで判断を下すってのはありそうですよね。円は静おばあちゃんの教えが根底にあるから、しっかりしていてホッとします。むしろ、周りの先輩達がこぞってAIに頼ってるのも危うい感じがしました。
他のシリーズでも頻繁に出てくる葛城が、本来のシリーズにでているのも嬉しかったです。
円のシリーズとしてシリーズ化希望です。
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中国製AI裁判官を試験
裁判官と同じ判決をする
18歳の高校生が家庭内暴力の父を殺す
AI裁判官の判決は死刑
高校生の友人に聞くとイジメや職業差別を嫌う
誰かを庇っているのが判明
殺したの弟。弟は少年法に守られる。
プログラマーに試験させると、尊属殺人事件のデータが抜けていた。中国では尊属殺人は死刑
自国の法律を強要しているので導入は却下
プログラマーはこの程度のものなら作れる
AIは新しい判断は出来ない。
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人間にしか出来ないこととAIの進化に気持ちと結果がついていけていない現代を上手く小説にしていると感じました。七里先生の本は細かく丁寧な描写が多く好きです
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法律の蘊蓄やAIの蘊蓄が多くて面白くなってこないな〜と思いながら読み進めたものの、結末はある種のハッピーエンド、満たされてスッキリした。
殺人事件の犯人・罪状・量刑、裁判AI「法神」の評価、今後の展望、いずれも限られた条件の中では最適解ではなかろうか。
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時代に相応しい一冊。生成AIの可能性についてはこれからもっと議論されていくだろう。特に今回の法曹の世界においては感情ではなくデータベースで判断をすることは個人的には望ましい方向性だと思いながら読み進めたわけだが。。終盤になるにつれてその想いが徐々に揺らぎ最後は覆させられた。果たしてAIに冤罪は見抜けるのだろうか。とても深い一冊でした。
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AIが判決を下す?
事務の効率化のために中国から試作品として送り込まれたコンピューターには欠陥があった?
結末は見えているのだが、一気読みさせる力は十分。
この作者の作品としては、内容が薄いかな。
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AIのことはよく知らないけれど、使うのではなく使われることになりかねないのだなと感じた。
感情と創造ばかりでもダメかとは思うが、全くないのもダメということか。
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表紙のオビに「20分後の未来について考えさせられる」って書いてあったからもっとSFなAIモノかと思って読んでいたけど、むしろ現代的な法曹ノベルだった。
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AI裁判官に判決を任せる日もそう遠くない。
そんな風に思わせるストーリーが恐くもあり面白くもある。
冒頭は法律の話が中心で多少の読みにくさはあるものの、途中からは一気に読める。
業務効率化のためAI導入を推奨する者、全て自分の手で行おうとする者。
両者相容れない中、18歳の少年が尊属殺人で起訴される。
判決に頭を悩ませる一方で、彼の様子にはどこか気になる点がある。
この先どんな展開が待ち受けているのかと思うと、頁を捲る手が止まらなかった。
あと、円と公彦カップルのやり取りが読めて嬉しい。
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奇しくもこの本の前に「AI vs. 教科書が読めない子供たち」を読んだので、AI関連記載の底の浅さが見えたのと、中山作品にしてはプロットが大甘なところがマイナス。テーマ自体は大事なテーマなので、裁判以外でもAIと人間哲学の鬩ぎ合いものは読んでみたいものだ。
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やはり人間は
己の頭で考え続けねばならんのだなー
読むの途中で放棄してたけど
突然やる気が出て読みだしたら
なんだ結構、おもしろいじゃないか
ってあとは一気に読めた
キャラが全然たってなくて
どこに感情移入したもんかと思ったけど
そもそもそういうことじゃないのかも
人工知能に劣ることは
たくさんありすぎるけど
人の想像力とか感情とかは
作れないままであればいいな
いやでも研究してる人たちには
大いに張り切ってほしい
そんなことをつらつら考えた話
単純におもしろかったので
星は4つ
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SL 2024.3.4-2024.3.6
AIをどう使うかという非常にタイムリーな作品。
ただ、そのわりに軽い。まあ、中山七里だから。あまり重厚になり過ぎず、社会問題も含めて描き出すのはさすがと思う。終盤の崎山の言説がこの作品の主題であり、とても共感できる。
でも、事件は単純でまたしても先が読めてしまった。そこは残念。
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最後は檜葉裁判長が定年の直前にも拘わらず辞職した、という内容で締め括るものと思われたが、残念ながら私のどんでん返しは不発に終わった。今後の裁判官ものの作品で再登場するのだろうか。そのためには、まだ続けて貰わないと、ということか。
読みながらふと思ったのだが、時系列的に冒頭からなかなか新しい殺人事件が起こらない。こんな中山作品初めて読んだかもしれない。唯一死んだのは被告人の飲んだくれの父親のみ、それから裁判が始まった。しかも四年前の殺人事件で、犯行当時の被告人は判決の難しい19歳で尊属殺人。こんな微妙な設定の裁判にAIを使うのは明らかに危険なのに、それを実行する心の脆弱な檜葉裁判長。現在でも既存の情報源に頼り切るAI、学習効果が期待されるものの学習情報に左右されるAI、法令はもれなく入力・常に実例アップデートが欠かせないAI等々、まだまだ改善の余地満載のAI。しかし、情報収集能力は裁判官・判事よりは極めて高い。DBが根底にあるので、その能力は当たり前。でもデータ入力するのは人間が行う。以上、どう考えてもAIは裁判官には絶対になれないのだが、中山七里は今回それに挑戦を挑んだ訳だ。
今回改めで激怒したのが、作品中にも出てくる「裁判員制度」。そもそもこの裁判員制度ができた理由が、裁判官が現在の実情に対応できないから一般人を裁判に加えると言う事。そして更に激怒したのが一般人はランダムに選出されること。つまり、現在の実情に詳しい人のみが選出される訳ではないこと。選出された人が変人だらけだったら、その変人が人を裁く可能性も出てくる。そんな奴らに量刑を決められちゃったんじゃあたまったもんじゃない。もし自分が裁かれる立場だったらなおさらだ。しかも、この一般市民裁判員、裁判官と同じ一票をもっているんだって?嘘だろう?そんなことなら、裁判官の研修内容を充実させろよ!研修期間を長くしろよ!その中に、現在の実情把握研修を入れろよ!そしてその実情把握研修を全裁判官に対して定期的に研修、それを義務付けろよ!高い収入と権威を戴いているんだろう?それくらい努力しろよ!能率協会から講師を招けば済むこと。そんなにお金はかからんだろう。あ~あ、言っちゃった。我慢できなかったのでついつい長くなってしまった。
かたやAIについて。もう中国ということだけで、AIの印象が途轍もなく悪くなっている。こんなイメージで塗り潰された中国って・・・可哀そうというか自業自得だな。能力は素晴らしいが・・・となる気持ちもわかる。もうこの時点で印象操作させられているしね。全体的にストーリーは予想通りに展開し、推理小説として低レベルだ。なのになのに、恒例の中山七里との(犯人当て)勝負、今回は負けました。裏の裏をかき過ぎました。残念!
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AIに、その判事の過去の判例や傾向を読み込ませ、判決文まで作成するテスト運用が東京地裁で行うことになった。普通に裁判の判決までAIの判断を採用する近未来がそこまで来ているのかと空恐ろしくなる。ただ量刑もその判事の思想等に左右されるものであってもならないとは思う。作品の中の少年事件の真相については、あくまでもAI問題のための色づけなので意外性はなかった。