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この本は絶対に面白いだろうと思ってAmazonで予約しておりました。
『婚活戦略』でもお馴染みの都立大・高橋勅徳先生の新刊です。
予想通り面白くて一気に読了しました。ふぐ釣り、ラーメン二郎、宗教、転売ヤーと経営学の本ではなかなか見かけない事例を通じて、制度派組織論を楽しく学ぶことのできる良書です。知的好奇心がビシバシ刺激されました。経営学の研究対象は本当に広いですね。
【メモ】
・経営という概念は、「会社のため」「経営者のため」「ビジネスパーソンのため」だけに存在するものではない。経営という行為は、この社会で生きるすべての人間が実践している普遍的なもの。
・経営学という学問は、どうやればうまくいくのか本質的にはわからない不確実な世界の中で、学術的な手続きから「こうあるべし」というルールを提供する役割を担ってきた。
・制度派組織論は、人間のあらゆる日常的な行動を「経営」という切り口から捉え、説明できる可能性を有している。
・制度は予期を可能にするがゆえに、人々の行動を規制するだけではなく、逸脱行為へ導く基盤としても作用する
→「今ある規制や制約を、どこまで逆手に取るか?」
・自明視された社会的事実である制度=「これは事実である」と意思決定を可能にしてくれる対象
→「事実である」と私たちが参照し、意思決定を促す制度を利用して、消費者から購買行動を引き出したり、他者から協力を引き出したりする行動を正統化戦略と呼ぶ。
・模倣的同型化することが決して安易ではなく、極めて合理的な判断であると考えられる。
・模倣的同型化することで、差別化戦略も容易になる。
・新奇性の脆弱さ=新奇性が高いほど、購入や投資が見送られる
・イノベーションとは近代化した社会に残された、人間の野生が発揮される現象
・激しい環境変化に対応して生き残るのは、目的-手段の連結が弱く、容易に脱連結して手段を入れ替えることのできる組織→脱連結
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当たり前だが、結果的に起業家になっている
ケースの方が最初から起業家を目指す人より
はるかに多い。
個人的には、これからはライフスタイル起業家が増える気がします。
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企業と経営者を対象とした学問という通念を打破しようとした試みである。
ある程度、成功していると評価するか、アナーキーという言葉が看板倒れと感じるか、人によって分かれるだろう。
移民による起業の話は、現在、米国でまさに起きている現象だ(社会保障番号がないため就職できないが、起業して稼げば食いつなげる)。模倣はオリジナリティを創出するための必要な過程であるとの議論は、伝統芸能でよく出てくる議論で興味深い。