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電子書籍
あれれ
2022/07/07 11:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵がミステリアスだったので読んでみようと思いました。 中の絵は表紙と全く違っていていまいち。 そこから読む気が無くなってしまった。
紙の本
整形する方が楽なのでは……? 母への固執【2巻まで】
2019/03/11 19:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:休暇旅行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一応2巻まで読みました。
店頭でしばしば見かけ映画化までされた人気作だし、美醜にまつわるコンプレックスはやはり誘引力の強いテーマなので、気になっていました。
しかし読んでみたら1巻途中、部活篇終了時点まででかなり芳しくない印象を受けました。なにぶん実質的に本篇がはじまるのはそのあとですし、そこからはたぶんそれなりに面白くなっていくんだろうなという印象ですが、しかし長すぎる導入の低調は尾を引いて、心からは味わえませんでした。
どうもよく分からないのですが、顔を一時的に他人と入れ替える口紅、なんて危ない橋を渡るくらいなら、美容整形したほうがずっと楽なのでは……?
(ひょっとすると単に醜い顔というのではなく整形手術の技術的限界みたいなものが存在するのかもしれませんが、主人公・かさねの顔について詳細の説明はないので不明。)
後見人の伯母はまともにかさねの面倒を見る気がないと描かれているだけに、妙な道徳をもちだして整形を邪魔することもなさそうです。もっとも少なくないだろう母の遺産をかさねにつかわせない様子はありますが、それにしても最悪かさねの成人時には取り除ける障壁。
もちろんかさねにしてみれば成人までは耐え忍べなかったのでしょうが、ならば母の遺志をつぐ協力者・羽生田のすべきことは、危ない口紅を使わせることではなくどうにか伯母と交渉することでしょう。っていうか母も、はじめから羽生田に託しとけばよかったのに。
それではかさねの演技力の基盤にある〈他者になりたいという渇望〉がなくなり女優になれない、ということなのかな? かさねのコンプレックスも、演技への天分も、それほど浅いものだとは思われませんが。また仮に渇望がなくなったとしても、たしかに烏合がオーディションで抜擢するような特異な女優ではなくなるかもしれませんが、並み以上ではあるはずです。それでもかさねが演劇に魅力を感じるなら一女優として生きていけばよいし、そうでないなら別の生き方をすればよい。〈他者になりたいという渇望〉をなくしたなら、そのときかさねは、たとえ舞台のうえでなくても自分として生きていけるようになっているはずだから。
こうして本作への違和感をたどっていくと、どうやら本作の根本にあるのは、かさねがなぞる、あるいはかさねに自分をなぞらせる母の存在のようです。
この母はどうにかしてもう少し、かさねがかさね自身として生きる手助けをできなかったのでしょうか。もちろん、母自身は生涯〈他者〉になって生きることを選んだのでしょうから、〈かさね自身として生きたほうが幸福〉などと明示的に意識するのは、母の生の自己否定であり難しいでしょう。しかし、作中に母との幸福な幼少期への言及がみられないこと、かさねが自分の顔は嫌われて当然だと思い込んでいること(しかも母の生前、かさねは母が生まれつき美しいのだと思い続けていたこと)などを思うとき、もっと素朴なスケールで、かさねが娘として、かさね自身への母からの愛をもう少し感じていれば、こうはならないのではないか、とも思ってしまうのです。
だとすれば、かさねがいかに女優の母から自立するかをこそ、本作は描こうとしているのかもしれません。