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シェロン・ワトキンスにとって、出世競争に敗れ、会社を離れたことが結果的に正しい選択だった。どん底に思えたものが、底を打つ直前の一波にすぎなかった。人生の皮肉だろう。米企業のコンプライアンスとは建前にすぎないのか?株価が企業の全てなのか?超成果主義、カネにモノを言わせたマネジメントが招く破滅。
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エンロンがどんだけ無茶なことをやって成り上がり、そして墜ちていったかを描くノンフィクション。エンロン破綻の前に書かれた本にエンロンを褒めていたものがあったので、読んでみた。
負債を別会社を立ててそこに押し込み、証券化して飛ばす…リーマンショックの頃にさんざん聞いたなと、デジャブを感じた。
エンロン破綻は金融危機にならなかったが、この頃にちゃんと規制していればサブプライムショックは防げたのかも。
エンロンのやってたことのうち全部がだめなわけではないと思うけど。
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エンロン事件の全貌を描いた作品。
社内でのやりとりが細かく描かれており、臨場感がある。
IR資料、監査結果を鵜呑みにしてはいけないと痛感させられる一冊。
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エンロン事件の全貌を描いた作品。
黒木さんらしく、綿密に練られた構想で、会社内と会社外で何が起こったかが手に取るように分かる。
野心と暴走は紙一重であるということと、僅かな人間の暴走で大企業が狂ってしまうことの恐ろしさを感じた。
銀行員としては人の情報を鵜呑みにせず、自分の分析を磨き真実に近づくことの重要性を思い知らされる一冊。
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仕事関係で、紹介されたので読んでみた。
かの企業のやり口を理解するという意味ではもっと簡潔なものがありそう。
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信用格付の課題を考えている中、本書を手に取った。残念ながら格付サイドからの展開はなかったが、小説としては大変おもしろいものであった。
256ページに、日本人のアナリスト鶴田がエンロンの決算書をつぶさに調べていく様子が、似たような調査仕事をやっている者として非常に共感を覚えた。
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会計操作で利益を水増しし、自社株値を吊り上げ、手にした巨額の資金で次から次へと企業買収していく、実業よりも「エンロンオンライン」によるデリバティブがこの企業のメイン収益になり下がった頃には、全米7位の優良企業と言われていたエンロンの化けの皮がはがれ落ちる。日本でも、どこかで聞いた様なはなしの展開「ライブドア事件」を思い出す。破綻することを知りながらの会社経営って公人としての意識がまるでない、昨今大なり小なり、こんな会社はいっぱいあるんじゃないだろうか
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金融工学って、詐欺の手口にしか思えないな。粉飾決算で利益を手にした経営者に適切な処罰が下ってるといいけど。
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青い蜃気楼
黒木亮
2020年1月12日読了。
2001年に起きた実際の不正会計を原因とした米企業の破綻劇。
米エネルギー企業。全米でも売上ベースで第7位、2000年まで6年連続で「最も革新的なアメリカ企業」に選ばれる超巨大会社であった。ちなみに、6位はCityバンク。第8位はIBM。
元々はヒューストンでのガス、電力、パイプラインの会社だったが、1980年後半ごろからガス取引に積極的にデリバティブ取引を採用に取引を拡大していった。
金融工学を駆使し、様々なデリバティブ商品と取引を拡大したのがジェフリー・スキリングとアンドリュー・ファストウ。
複雑なスワップ取引を生み出しバランスシートのオフバランス化を進め、本来計上しなければならない債務をあたかも、デリバティブで得られる債権と相殺して不正に隠していた。
その為に作られた特別目的組合(SPE)の数3500を超えていたという。
こうしたトレーディングの不正会計のトリガーとなったのがインド、ダホール州での電力事業の頓挫。
地に足のついた事業であったが時代の流れとインド政府の趨勢、エンロン内部での競争に負けた事でが後々に大きなきっかけとなる辺りの描写は面白かった。
この事件によりアメリカでは有数な会計事務所アーサー・アンダーセン会計事務所が解散。他にも企業統治としての会計、監査、情報公開の制度見直しにも大きな影響を与えるきっかけの1つとなったよう。
米企業における歴史的な大事件であり、日本でも多大な負の影響を与えたエンロン事件を小説にした一冊。
財務的なワードが多く出てくるので馴染みが無い人には少し難しいかもですが、知らなければ一読の価値ありかと。面白かったです。
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エンロンが成長してから倒産するまでの事実に元づいて書かれた小説です。でも小説というよりかはルポのようなちょっと淡々とした感じがした。ただわかりやすく書かれているので、何が起こったのかがよくわかった。
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かつて会計事務所は5代と呼ばれる5社が大きなシェアを誇っていたが、その一角であるアーサーアンダーセンを吹き飛ばすほどのインパクトを与えたエンロン事件。
このエンロン事件をテーマにした黒木氏の作品。
黒木作品がそもそも好きであり、本テーマにも関心があったため、ポジティブなバイアスがあるのは事実だが、それを差し引いても興味深く、勉強になる本作。
電力などのインフラの自由化の波に大いに乗り、急拡大を続けたエンロンの裏側には、マークトゥマーケットと呼ばれる利益の前倒し計上、SPEとデリバティブを駆使した損失隠しや資産のオフバランス化があった。
その中で盛大に私服を肥やした経営幹部は重罪人として刑事罰を受ける結末となったが、彼ら数名が裁かれたところで、エンロン株の乱高下で損害を被った社員や株主のほとんどが報われていない。
ドットコムバブル、911の流れで本事件が起き、ワールドコムの破綻へとつながっていった。杜撰な会計基準の修正が行われたものの、結局デリバティブの規制は不十分で、最終的にはリーマンショックへと向かっていく。
日本ではあまり取り沙汰されることがない本件だが、現代史の重要なマイルストーンとして是非一読をオススメしたい。
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日経新聞に著者についての連載があり、ロンドン在住の元銀行マンであり、複数の外国語にも堪能という点で興味を持った。本書は「小説」という仕立てになっているが、実際はほぼノンフィクションなのだろう。会計不正の代名詞のようなエンロンの興隆・欺瞞・破綻について、その場で見たかのような迫真のシーンが続く。企業小説として面白かった。巻末に金融経済用語集があるが、2002年末に書かれた当時には解説が必要だったであろうこれらの用語も、20年近く経って、だいぶポピュラーになった気がする。
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破綻したアメリカのエンロンをモデルとした経済小説だが、ほぼ事実が伝えられているため、小説というよりは社会本という感じがする。そのため、小説的な面白みはなく、エンロン破綻の一部始終を学ぶための参考本といったところだ。いかにしてエンロンが会計操作を駆使して世界を代表する企業へとのし上がり、そこから転落していくかが非常に細かく描かれている。
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USCPAの勉強が一段落ついたので、米国の会計制度、監査に大きな影響を与えた事件について詳しく知りたく。
粉飾、インサイダー、利益相反なんでもござれ。
会計不正行為の詰め合わせセットでした。