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妻が借りてきていた本を読んでみたら、面白かった。面白いという言葉は適切ではなくて、本書で設定したケースが実際に起きた場合、ここで書かれているシナリオのようになってしまうのではないだろうか。そんな風に考えると、背筋がぞっとする本でもある。
あるケースが発生した場合、希望的観測を一切排除して、「最悪の最悪の最悪の・・・・の最悪」みたいに、起こりうる最悪のケースをイメージングしておくことは、どのフェイズにとって、とても大事なことだ。皮肉にも「想定外」という言葉が世間的に流布してしまったが、そうすることで、「想定外」の発生確率を小さくすることは可能だ。しかしながら、今の日本だと、そのケースが発生した場合、「想定外」の発生確率が大きいように思える。あまり語ってしまうと、ネタばれになってしまうので、このあたりまでにしたいが、行政、民間企業など様々な社会セクターの方々に読んでいただいた方がいいように思う一冊だ。
さいごに、この9つのシナリオのうちの1つの舞台が、東京都大田区であることを付け加えておこう。
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"この本はこのページを読む皆さん全員にお勧めする1冊です。
・尖閣衝突
・国債暴落
・首都直下地震
・サイバーテロ
・パンデミック
・エネルギー危機
・北朝鮮崩壊
・核テロ
・人口衰弱
この9つの日本の抱える問題に関して、最悪のパターンで
どのようなことが起こるのか?
これが書かれています。
常に政府の発表する情報は都合の良い情報ばかり。
本当の最悪の場合どのようなことが起こるのか?
これを知っておくことが、本当の意味で自らを守ることになります。
是非この1冊は、将来の自らを、家族を守るという意味で
読んでほしい1冊ですので。"
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尖閣を巡る日中対立から、人口衰弱による若者のテロリスト化までの9つの物語を描き、リスクへの備えができていないことを示してみせるのは、具体的で面白かったが、もしこれがわが身に起きたらと思うとちょっと怖い。
原発の事故もそうだけど、日本って、将来起こりうるリスクを想定して、それに対処するという思考ができない国だとつくづく思い知らされた。
実際、ここに書いてあるシナリオで、起きそうだなと思うのは、経常収支赤字→国際暴落・ハイパーインフレというのと、首都直下型地震→東京湾が火の海ってシナリオ。東京湾岸にはLNGタンクがたくさんあり、地盤は弱いとなると、LNGへの引火、ビル街は1000度を超す火災旋風というのも冗談ではないと思えてくる。
後半の核テロの章で、美浜原発の対テロ訓練に参加したアメリカ大使館員が式典化した訓練を見て、「訓練は、台本通りでテロ攻撃を受けた場合の保安対応のテストになっていない」と報告したことはまさにそのとおりで、「想定外」が起こってはならない=考えてはならないという思考が、最大のリスクなのではないかと感じた。
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本に書かれた内容は全て現在の延長線にあり、現在すでにある問題を見て見ぬ振りをしている、我々の問題である。
これらシナリオ通りの問題が生じても、恐らく311同様、想定外という言葉だけが残る可能性がある。
この問題を回避するためには具体的な制度の構築、実行力のある人材の育成を、平時から備える必要があるが、現実的には困難な日本的事情がある。
その日本的事情が本質的な問題であり、ここを改善しないことには、何も変わらないし、変えれない。
国だけでなく、個人もしっかりと対策を講じる必要がある。