電子書籍
チーム・ダーウィン ― 「学習する組織」だけが生き残る
著者 熊平美香
最高のチームは、どうすればつくれるのか? 「学習する組織」をストーリーで学べる一冊
業績不振のなか、マーケティング部の松田理子は、新規プロジェクトに抜擢された。だが、プロジェクトの目的は曖昧で、上司は頼りない。招集されたメンバーも変わり者ばかりで、チームはたちまち暗礁に乗り上げてしまう。会社は一体、何をしようとしているのか?・・・会社売却とリストラの話が進むなか、会社の運命を託されたチームが、「学習する組織」へと変貌していく成長ストーリー。
◆「学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)」とは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のピーター・M・センゲらが米国の先端企業との研究・実践を踏まえて練り上げた組織開発のアプローチ。変化に柔軟に適応し進化し続ける組織をつくることを目指す。ナイキ、ユニリーバ、世界銀行、ノボ ノルディスクなど世界各国の有力企業で導入されており、その手法体系を記したセンゲ著『学習する組織』は世界100万部を超えるベストセラーとなっている。
◆「学習する組織」には、組織の学習能力を高めるために実践すべき「5つのディシプリン」がある。本書『チーム・ダーウィン』では、臨場感あふれるビジネスストーリーを通して、「パーソナルマスタリー」「チーム学習」「メンタルモデル」「システム思考」「共有ビジョン」の5つのディシプリンを基礎から学ぶことができる。
◆ストーリーだけでなく、巻末の「ダーウィン・ノート」に「法則」を整理。学習する組織の5つのディシプリンに加え、コア・チームの作り方、意思決定のプロセス、対話と会議の進め方についても要点をわかりやすくまとめている。
チーム・ダーウィン ― 「学習する組織」だけが生き残る
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2008/08/10 17:53
進化し続けるチームワーク
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろでむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新規プロジェクトと題して、途方もないゴール設定をしろ!と言われ、たじろいでしまうビジネスマンは少なくはないだろう。そりゃそうだ。ゴール設定は会社の方針を決める役員連中が決定することであり、決定されたことを一般社員は推し進めていくのがごく普通の企業の在り方だからだ。そのような状況で過ごしたいち社員に、いきなりそんな命題を押し付けても無理だろう。このような能力の欠如は、日本の正解を求めていく教育方針(ミスをすると怒られる)にも依存しているのかもしれない。
しかしながら、21世紀を迎え、情報化社会に突入した今、我々ビジネスマンひとりひとりに、皆目検討もつかないゴール設定をしていかなければならない状況は、確実に訪れている。それはビジネスに限らず、自分自身の生き方そのものにも求められているといっても過言ではない。
この「チーム・ダーウィン」は、プロジェクトの目標(ゴール)設定について、要点をまとめて説明している。特にお勧めなのは、本自体が小説のようにストーリー仕立てになっているため、話のテンポに乗って、要点をつかみやすい(イメージしやすい)点だ。これは他のプロジェクト成功トリセツ書にはない特徴だろう。
評者が気に入った箇所は、付録についている「ダーウィン・ノート」である。ここには、 @チームの作り方、 A学習する組織の秘密、 B対話の心得について記述されている。著者がMBA取得者であることもさることながら、自分自身でプロジェクト立案し、それを所属する企業に浸透できなかった(プロジェクトとして失敗した)経験は非常に鬼気迫るものを感じた(記述は少ないが)。従って、相当なノウハウがこの本には詰まっていると憶測している。また、藤田田元マクドナルド社長の下で、弟子入り生活していた内容もきっと詰まっているはずだろう。
学者の数値やインタビュー論に基づくものではなく、あくまで体感経験している著者ならではの、ビジネスの生の真実が描かれている一冊である。