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「ジョー」のモデルと呼ばれた男 天才ボクサー・青木勝利の生涯
著者 葛城明彦
「俺にとってボクシングは、青木さんがすべてだった。青木さんがいたから、俺はボクサーになって、世界へも行けた」
(元WBC世界フェザー級、WBA,WBC世界Jrライト級チャンピオン 柴田国明)
ファイティング原田、海老原博幸、藤猛など幾多のスターが生まれた1960年代の日本ボクシング黄金時代。その中にあって、ひときわ人気を集めたボクサーがいた。“メガトン・パンチ”青木勝利である。少年院でボクシングに出会い、退院後にジムに入門。連戦連勝で瞬く間に頭角を現し、わずか19歳で東洋王座を獲得??―。
しかし、その類まれなる才能とは裏腹に、極度の練習嫌いでたびたび失踪し、試合当日に酒を飲んでリングに上がることすらあったという。
連続KO勝利の日本記録樹立(当時)、バンタム級史上最強の王者エデル・ジョフレへの挑戦、ライバルのファイティング原田との世紀の対決、そしてスターの座からの転落……。
漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈のモデルにもなったとされる稀代の天才ボクサー・青木勝利。その知られざる栄光と挫折の軌跡。
「ジョー」のモデルと呼ばれた男 天才ボクサー・青木勝利の生涯
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「ジョー」のモデルと呼ばれた男 天才ボクサー・青木勝利の生涯
2023/05/14 23:38
昭和世代に刺さる!
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投稿者:ねずみごっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
星四つなのは、かなりマニアックな本だから。
昭和世代や、ボクシング好きだったり、事件モノ好きなら満点。
著者はなかなか風変わりな人物らしく、
昭和の殺人事件のライターなので、ドキュメンタリーとして読み応えがある。
大学時代漫研に所属していた時期もあり、「あしたのジョー」含む少年・青年漫画に詳しい。
現役JBCレフェリーなので、ボクシング界全般に人脈を持ち詳しい。
一世を風靡したスターボクサーが、日本中から愛されながらも堕ちてゆくしかない哀しみを、皆で共有し忘れぬよう示したのが漫画「あしたのジョー」だったのかも知れないという示唆。
そして姿を消したスターボクサーの薄れゆく足跡を最後に示したのが、この本であろう。
興味を惹かれたら、一読をお勧めする。