- みんなの評価
1件
エリオット波動入門 ──相場の未来から投資家心理までわかる
本書の初版本は1978年に出版されたが、そのときのダウ工業株平均は790ドルだった。初版本が出版されると、書評家たちはこぞって波動原理に関する決定的な参考書だと称賛したが、残念なことにベストセラーとなるには数十万部も及ばなかった。しかし、本書の興味あるテーマと長期の株価を正確に予想したことに対する関心が大きく高まったことから、毎年増刷を続け、ついにウォール街では古典の地位を獲得するまでになった。波動原理そのものはもとより、本書も長い時の試練に耐えている。
しかも本書は版を重ねるごとに、ますますその内容を充実させている。ロバート・プレクターが年数をかけてその内容を綿密に洗練・向上・拡充させたことから、新版が出版されるたびに、ますます多くの大学が本書をテキストとして使用するという目標も現実になっている。こうした努力はすでに実を結んでいる。A・J・フロストは1970年代に、「ダウ理論を知っている100人の人たちのうち、エリオットのことも知っているのはたったひとりだよ」というハミルトン・ボルトンの1960年代の嘆きをよく口にしていたものだ。そして1986年の夏にフロストはプレクターに電話をかけて、「ようやくこの2人の立場が逆になってきたよ」と叫んだ
エリオット波動入門 ──相場の未来から投資家心理までわかる
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
エリオット波動入門 相場の未来から投資家心理までわかる
2009/08/16 00:29
欲望と恐怖をコントロールするために、テクニカル分析はある。
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーケットライダー - この投稿者のレビュー一覧を見る
マーケットの分析を主たる目的にしたいと思っている人には最良の教科書だ。
テクニカル分析でよくきく、エリオット、フィボナッチの詳しい解説がわかりやすくなされている。
もちろん、トレードで成果があげられるかどうかとは別次元。今までの動きの分析手法の一つだ。
人は「なぜ」を解かないと、前進できない性質がある。そんなときエリオットは一定の説得性をもって理解できるからありがたい。
もうひとつ有効なのは、感情の管理に応用できる点だ。
買いから入って、上がっていくと、どこまでもあがるような欲望に支配される。
そんなとき、テクニカル分析で下げがあると予測すると、手仕舞しやすい。
「上るときもあれば、下がるときもある。」頭でわかっていても行動は感情に左右される。
まさにその感情の集大成がエリオット波動になって現われているところが面白い。
疑問に思うところは時間軸の取り方だ。チャートでいかにもと思っていても、時間軸幅を変えたり、単位を変えると、まったく別のチャートパターンが現れる。どれをとるかセンスの問題とされると、これまた感情に支配されてしまう。
そこで本書の図解を逆さまにして、見てみた。
なんと、逆エリオットの発見をしてしまった。
5波3波のリズムが3波5波になった。つまり、
上げ相場は下げ相場となり、下げ相場は上げ相場となる。
もちろん何の意味もないが、感情を落ち着かせるには一役、かったようである。
もっとも目を見張ったのは、エリオット波動の縦軸とフィボナッチ数列の合致だ。
一つの客観的指標にするには十分な分析だと感心することしきりであった。
エリオット波動はさすがに奥が深い。テクニカルの王道を行く理由が理解できた。