空蝉の街

怒りと性欲をあらわにした男たちと、闇に閉ざされた巨大企業との死闘

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投稿者：タッピング　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　本書の主人公は平泉政之と宗村大剛。平泉は空手の得意な刑事であり、宗村は大企業の社長を父親に持つ不真面目な男だ。
　物語は平泉が部下と張り込みをしているところから始まる。張り込みに退屈しきっていたところに暴走族が通りかかったのだ。平泉たちに自分たちのオートバイを壊されて逆上した暴走族たちが平泉たちに襲いかかってきた。
　平泉が応戦したため、彼らのうちの一人の少年が下半身不随になった。通常なら平泉の行為は正当防衛だが、運悪くその少年の父親は世界屈指の化学プラントメーカーである大和化学工業の副社長だった。圧力がかけられ、平泉は刑事をクビになった。
　とほうに暮れた平泉が訪れたのは親友である宗村のマンション。だが宗村も父親から勘当され、無一文の状態だった。金がないのでわびしく即席ラーメンをすする２人のもとへ、驚くべき知らせが。大和化学工業が彼らに仕事を依頼してきたのだ。失踪した社員を捜索してくれという。それにしてもなぜ副社長の息子を下半身不随にした平泉たちに？
　その裏にはどす黒い利権と、運命に凌辱される女たちが存在した。巨大組織に立ち向かう男たちの血みどろの闘いをえがいた作品。