電子書籍
風のささやき 介護する人への13の話
著者 著者:姫野 カオルコ
動けないし、しゃべれないし、もう私のことはわからないのだけれど……日本のどこかで暮らすごく普通の人がもらしたささやき。ひとりで泣くこともある、あなたに贈る、13人の胸のうちを綴った掌編小説集。
※本書は二〇〇九年六月に刊行された単行本『もう私のことはわからないのだけれど』(日経BP社)を改題し、加筆・修正の上、文庫化したものが底本です。
風のささやき 介護する人への13の話
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2017/03/02 21:40
耳を傾ける、ささやきに
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
耳を傾けることしかできない。慰めや同感や励ましなんて意味がない。だって私は介護していないから。だから耳を傾けることしかできない。いま当事者である多くの人たちのささやきに。吐き出して吐き出して少しでも楽になるなら、その毒は私が吸い取る。一瞬でも楽になるなら、私が毒をあびることくらいどうってことない。あなたの介護は明日も続くけれど、私には何もないもの。憂うことなど。姫野さん、この本は介護者とその他大勢へ、一石を投じる一冊になったと思います。本に役割があるとするなら、この本こそがその役割を担っていると思います。
2017/01/28 14:31
苦しいときに力づけられる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
多様な作品を描くカオルコさんですが,この作品は,介護に限らず,姫野カオルコという触媒を通して描かれた,思うようにならない人生を歩んでいる人達への応援のメッセージなのでしょう。
繰り返し読めます。
少し,介護時代を思い出しますが,……。決して,暗くはなりませんよ。
読後感的には,吹っ切れた,という感じでしょうかねえ。
僕にとっては,人生に疲れたときにお勧めの一冊です。