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風の王国
著者 毛利志生子,増田メグミ,毛利志生子 (著),増田メグミ
時は7世紀。唐の皇帝、李世民(りせいみん)の姪でありあがら、商人の娘として育てられた翠蘭(すいらん)は突然皇帝に呼び出され、こう言われる「そなた、朕の娘となって吐蕃国に嫁がぬか?」辺境の地、吐蕃(現在のチベット)に政略結婚で嫁ぐことになった翠蘭は、自ら馬に跨がり旅路に出るが、待ち受けていたのは、思いもかけぬ事件と、胸を焦がすような出会いと……。歴史を駆け抜けたヒロインの、運命の物語。
風の王国1
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紙の本風の王国
2006/03/25 20:51
皇帝の娘−公主として辺境の国・吐蕃(チベット)に嫁ぐ翠蘭の運命は?
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kou - この投稿者のレビュー一覧を見る
7世紀、唐の皇帝・李世民の姪の翠蘭は、偽りの公主として吐蕃王に嫁ぐことになる。
しかし、幼馴染の武官・慧、友人の朱瓔らと共についた吐蕃への輿入れの旅路では、不可解な出来事が多発し…
唐の二代目皇帝・太宗の養女としてチベットに嫁いだ文成公主を主人公としたお話です。
遠い異国へ嫁ぐ主人公、しかしその出自は偽りで生涯隠し通さねばならず、家族を人質にとられた娘には選択の余地はない…なんともお約束なお話ですね。
お話は吐蕃への道中に費やされていて、実は結末時にも吐蕃自体にはたどり着いていません。
道中様々なハプニングに襲われ、隊列をはぐれた翠蘭は素性の知れない青年と二人で旅をしなければならなくなります。そうして惹かれあっていく過程とかも何もかもホントにお約束な展開で、先も読めるし、はっきり言って意表を疲れるなどということは皆無。でも面白いんです。
一つ一つの描写が丁寧なのでまんねりで飽きるということはないし、むしろ最初からすぅーっとお話の中に入っていって、最後まで楽しめました。
お約束な展開というのは、裏を返せばそれだけ読者を惹きつける設定と言うことになりますしね。この作品ではいい方向に働いたようです。
文成公主は歴史上の実在人物で、吐蕃のクンソン・クンツェン王に嫁いだのも束の間、数年で夫には先立たれ、クンソン・クンツェンの父ソンツェン・ガムポ王の妻となるという波乱に満ちた一生を送った人です。
これをどこまで書くのか、今は少女小説としてのエンターテイメントや道具仕立ても結構そろっているように感じますが、どんな風にこの先の話が進んでいくのか楽しみです。
リジムとのラブラブ生活も見たいですが、できればその先も一気に魅力たっぷりに描いて欲しい。
紙の本風の王国 目容の毒
2006/09/07 14:48
政治と宗教と陰謀
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ソンツェン・ガムポ王の大三妃ドルテに毒を盛った犯人を見付けようとする翠蘭
疑いをかけられたガルと共に、真犯人と目される相手の故郷へと旅立ちます
事件を通してチベットの立場や宗教性などが見えてきますし、ソンツェン・ガムポの政治的腹黒さが堪らないです
しかし、翠蘭がまだ犯人探しをしている最中にいきなり犯人が明かされたり、何故旅に出たのかよく分からなかったり、キャラクターが中途半端だったりして不満が残ります
ストーリー的には必要なシーンも、構成的に順番や出し方が混乱している様子ですっきりしない印象を受けました
2006/06/10 18:35
世界が広がらない
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラクター達の過去など3編と短い漫画を加えた短編集
全体的に物悲しい雰囲気
ストーリーのポイントが絞れてなく散漫とした印象を受けた
情景がいまいち見えてこずイメージ出来ないし、キャラクターも立っていない
読んでも世界が広がってこないので、何のための短編集なのかよく分からない感じ