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7件
共喰い
著者 田中慎弥 (著)
一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと、自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって─。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題。第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり、瀬戸内寂聴氏との対談を収録。ほか「第三紀層の魚」併録。
共喰い
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共喰い
2015/02/17 12:49
映画もいいけど原作もよかった
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kani - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画が先で、後から原作を読みました。
初めから終わりまでセリフがよかった。
図書準備室とかに比べるとすごく読みやすいし、シンプル。
後半は迫ってくる感じがあって、ラストも終わり方がすっぱりとしててすき。
女性に対する暴力というテーマはできれば読みたくないと思っていたけど、なぜか受け入れて、何度も読み返してしまいました。
この世界にもう少しいたいと思ってしまう。
田中さんの何気ない描写や視点にも引き込まれるので他の作品も読みたくなりました。
基本、暴力は読みたくないので☆−1。
共喰い
2015/10/31 23:36
コンプレックス
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けのび - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親の性癖が自分にも隠れていると知り絶望する主人公だが、父親の嫌なところが似ていると感じることは誰しもあるだろう。そういったときに読んでみたいものだ。
共喰い
2014/06/04 00:59
母(女)の決断
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:英現堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『共喰い』。
下水道設備のない川のそばに住む主人公篠垣遠馬と父親、別居の母親。その川では鰻がつれる。母が捌き、父が食う。なんか食べたくないな。母は戦争で右手首を失くし、それでも結婚するという年下の父と一緒になった。父はSEXの時に殴るという癖を持つ。だんだんと嫌な父親に似てくる遠馬。決断は母が行った。強烈な個性は母にあった。
『第三紀層の魚』
主人公信道と曽祖父、祖母、そして母親。曽祖父は釣りの指南役であったが、亡くなってしまう。信道は母とともにその家を離れ、東京へ行く。印象的なのがここでも母の決断。
『源氏物語』について語る巻末の瀬戸内寂聴との対談も面白い。