電子書籍
他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
著者 磯野真穂
生の手ざわりを求めて――。
“正しさ”は病いを治せるか?
“自分らしさ”はあなたを救うか?
不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。
「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。
現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。
病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。
現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。
他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
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2022/03/13 15:47
「他者」に関する哲学的エッセイ
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は人類学者だそうだが、内容は哲学的エッセイに近い。我々が他者とか世間とか平均的人間と言うとき、それらには実態がないこと、また自分らしさとか個人と言う考えも裏で平均的人間像と手を結んでいることを諸家の言説を引いて縷々説明している。しかしだからと言ってそれが人類学上どう理論展開するのか?哲学的装いをしたただのエッセイに見える。色々な本を読んで思いついたことを形を整えてまとめるだけでは学問にならない。学問はもっと奥が深い。