サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. Takeshitaさんのレビュー一覧

Takeshitaさんのレビュー一覧

投稿者:Takeshita

131 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本反日種族主義 日韓危機の根源

2019/11/16 23:27

韓国の良心的な実証主義歴史学者の論文集

31人中、29人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

韓国で10万部売れたと言う歴史学者達の論文集。特に著者代表の金栄薫の慰安婦に関する論文は、ビルマで慰安所の帳場係だった朝鮮人の日記や他史料を使って慰安婦が性奴隷などではなかったこと、高収入であり故郷に送金したり、借金返済して帰国した者も多数いた事を実証的に明らかにしている。また金泳三時代に日帝が韓国の国土の<気>を奪うためとして山に打った鉄杭を掘り出した事業は、風水占い師の非科学的な発言が基であり、殆どが測量用の標柱だった事が論じられている、こうした韓国特有の思考法は、韓国も北朝鮮も檀君以来の族譜に連なる一族だと言うシャーマン的な世界観に基づいており、それが隣国を極端に嫌う反日感の原因であり、西洋的な国民意識やナショナリズムとは全く違う「種族主義:」とでめ言うべきものだと説いている、大変興味深く、最近では出色の韓国論だと思う。韓国国内にも実証的研究をする良心的な学者もいるし、言論出版の自由もまだある。そこがまだ救いだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

スケールの大きな人類史

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

さすが世界中でベストセラーになっている本だけあって面白い。人類は虚構を想像=創造し、それを集団で信じ行動してきたことに進歩の鍵があると言う。話題は歴史、環境問題、女性、家畜への眼差しまで多岐にわたり、西欧中心主義に偏らない公平さがある。著者が尊敬するジャレット、ダイアモンドにも似ている。それにしつも30代の若さでこれだけの本を書いたと言うのは大したものだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本満洲国グランドホテル

2022/05/07 20:10

よく調べ上げられた満州国群像

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の前著「江藤淳は甦る」では丹念に調べ上げられた江藤淳のディテールに傑作評伝だと感心したが、本作も実によく調べ上げられた「満州国群像」である。よく知られた板垣征四郎や星野直樹はじめ満州国官僚、軍人、新聞記者、原節子、木暮実千代などの映画人、八木義徳、小林秀雄、島木健作などの文学者、少年だった木田元、内村剛介、小澤征爾などに至るまでよく調べて彼らの人生を追っている。そのディテールを知るだけでも面白いが。これは貴重な古本や雑誌を広く渉猟しないとできない芸当だ。僅か13年しか持たなかった実験国家の理想と偽善、搾取と放漫財政、軍の独走、無能な日本国政府と言う歴史の悲劇に改めて思い至らせる。数ある満州国本にまた一冊良書が加わった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

読みごたえある力作評伝

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「死の棘」は読み進めるのに難渋する重い小説だが読了した後の感銘は深い。この本も同様に読み終わった後、著者の長年の丹念な取材と作品の深い読みに感心する力作である。島尾敏雄、ミホそして娘はまことに苦しい壮絶な一生であった。しかし残された作品に人間と芸術の救いがある。それに肉迫した著者の粘り強い努力に敬服する。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本計算する生命

2021/05/07 17:31

計算という思考の歴史を辿る壮大な人類史

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

養老孟司さんが本書を評して「読後すっかり考え込んでしまった」と言っているが、それだけの力のある力作評論である。さすが小林秀雄賞を受賞した著者だけのことはある。著者は計算するという人間の思考を数学史とデカルト、カント以来の西洋哲学史の流れの中にたどり、直感ではなく純粋に論理の展開だけに基づく人間知性の探究が現代のコンピュータ社会と未来予測を生み出したことを跡づける。しかし地球環境問題、生命の問題はじめ本当に計算知性だけで人類の未来は拓けるのだろうか?そもそも知性は身体性と切り離せるものなのか、人間とは何か、真理とは何なのか、という深い思念に読者を誘う。良書である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

戦前日本思想界の閉鎖性

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦前日本の優秀な学生は法学部ではなく文学部の哲学科へ進学した、と丸山真男が言っている。中でも当時の世界最先端の思想をリードしていると目された京都学派。その中心人物田辺元の著作を輪読する合宿における佐藤優の講義録。田辺の一見精緻な論理が、出典を明示しない西欧学者の受売りなこと、そして最後にお国のために死ぬことは偉大な思想だと言う結論に至る独善性と偽善。何故戦前日本の思想界はかくも閉鎖的、独善的だったのか?本当に西欧思想の根幹を理解している知識人は何人もいなかったのではないか?それは今の日本の思想界にも残っているのではないか?そんなことを考えさせられた好著だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本世界は五反田から始まった

2022/08/04 17:52

地域史でありファミリーストーリーでもある面白さ

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

実に面白いノンフィクションだ。森まゆみさんの谷根千地域史や家族史の面白さに通じる所がある。五反田界隈の土地勘のある人には一層面白いだろう。星野さんは94年間続き、2021年に廃業した小さな町工場星野工務店の娘さんである。94年前工場を興した祖父の手記を基に、一族出身地の房総の漁村や戦中の軍事工場下請け、大空襲による一帯の焼け野原、戦後の復興、また地域商店街の満州集団開拓移民とその凄絶な最期などの歴史を追っている。一読して感じるのは著者の普通の(裕福ではない)庶民としての目線と、深い郷土愛、緊密な家族の紐帯である。恐らく星野さん自身も偉ぶらない、穏やかな人柄の方なのだろう。94年の町工場と地域の歴史を通じて爽やかな読後感の残るノンフィクションである。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

言語と人間の意識との関係の考察

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「青春の終焉」以来数々の優れた文芸批評を発表してきた著者の最新作。人類が言語を獲得したのは相互コミュニケーションの発達のためだと考えられてきたが、著者はチョムスキーの説に依拠して言語は自分への問いかけ、内なる対話の産物であると考える。そこに孤独の萌芽があり思考の始まりがある。その後論述は古今東西の哲学、生物学、歴史学から大岡信、小西甚一、小林秀雄等の日本文学論に亘り、著者の博覧強記は読者を飽きさせない。それにしてもこれだけの難解な思考を70歳過ぎて粘り強く継続できる著者の「脳力」には感服する。現代の小林秀雄である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

アメリカの白人貧困層を知る

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書はアメリカでベストセラーになっていると言う。著者はまだ33歳だが、波瀾万丈の少年時代、家庭環境を経て、イェール大学ロースクールを卒業して成功した。その著者の自伝であり、出身階級であるヒルビリー(田舎者)という白人貧困労働者の社会をよく描いている。トランプが大統領になったのも白人労働者層の支持のためだと言われているが、その実際の情報に触れられる大変有益な本である。それにしても著者は書きにくい自分史をよく書いた。その努力と誠実さに心から拍手を送りたい。萬人の胸に響く快著である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

分かりやすくまとめられた現代ロシア史

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世界初の社会主義革命によって成立したソビエト連邦は20世紀という時代に多大な影響を与え、そして70数年後に消滅した。本書はその歴史をモロトフ(元外相)いう党の中枢にいた人物の生涯を辿りながら詳述した、ロシア研究の第一人者下斗米さんでなければ書けぬ力作である。それにしてもソ連は建国以来、第二次大戦で2000万人、内戦とスターリン粛清で1800万人が命を落としたという。日本人の戦死者とは一桁違う。ソ連邦の人口約1億のうち、3人に1人は死に、殆どの国民が悲惨な運命に遭ったことになる。20世紀のソビエト連邦の歴史は悲劇の歴史というほかはない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

日本の住宅政策の病弊

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

住宅産業は裾野の広い産業で景気刺激効果も大きいため、各種優遇政策が取られているが、これには多額の税金が投入され、何世代にもわたって影響が残ることがよく吟味されていない。少子高齢化の加速、空き家の増加、地域の絆希薄化、湾岸タワマンの3割は中国人の購入、公共インフラの老朽化と維持費の増加等山積する課題は日本の政治の病弊そのものである。著者はよく全国の事例を調べ、貴重な提言もしており、一読して大変ためになる本である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本江藤淳は甦える

2019/06/28 22:51

「最後の文士」江藤淳を追う力作評伝

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は出版社の編集者だった人で、江藤淳の自裁する半日前に最後の原稿「幼年時代」第3回を受け取ったと言う。江藤淳をよく知る人の筆になるだけあって実によく調べ且つ著作を読み込んでおり見事な力作評伝となっている。江藤淳の政治的発言や誇張された文体を厭う人は多いが、それでも「漱石とその時代」「成熟と喪失」「一族再会」などの文藝評論また最後の「妻と私」の哀調は読んで感動を呼ぶものがある。書中には江藤淳の女性問題、年齢詐称、処世上の抜け目なさなど隠された汚点も出てくるが、それでもなお江藤淳は傑出した「最後の文士」であり、幼くして死別した母を恋う「永遠の少年」であったことを痛感させる優れた評伝となっている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

江戸時代から昭和までの貴重な日本金融史

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは良書だ。大変面白いしためになる。前に松原隆一郎さんの「荘直温伝」が岡山の名家荘家の家伝文書をもとに平家物語からの武家の歴史を辿り面白かったがそれに匹敵する。
近年発見された廣岡家文書を解読して著者は江戸時代の大阪の豪商加島屋の大名貸しの実態、明治維新での激変の様子を描き出す。福沢諭吉の父、百助の署名した中津藩の証文の写真も出てくる。加島屋は明治以降加島銀行、大同生命など金融業に展開するが、昭和金融危機で加島銀行は廃業し、現在は大同生命だけが廣岡家の流れを引く金融会社である。それぞれの時代における資金運用や営業のカラクリ、危機における歴史的背景や同業者との比較などの資料と説明も詳しく、まさしく日本金融史そのものである。先物取引とか債権保護とか株式会社と言っても江戸時代や大正、昭和前半と現代との感覚はかなり違う。そのあたりの説明も懇切丁寧で誠に良書だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

中華圏の現代政治思想を俯瞰する書

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は中国文学研究者だが、前著の「復興文化論」等と異なり中華圏の現代政治家思想を論じている。範囲は大陸、香港、台湾、欧米、インドまでの現代思想家と康有為、梁啓超等の近代思想家にまで及び著者の読書域の広さと博識に感心した。趙汀陽や蒋慶など現代中国の思想家の言う「天下」と言う世界概念、また徐承恩の香港こそが中国文化の「本土」との思想は左伝学と公羊学と言う儒学の伝統に淵源があるとの分析は並の中国研究者にはできない手際だ。日本の反中評論家や自称国際政治学者はせめて著者ぐらい勉強してから発言して貰いたいものだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

近代日本の戦費調達の歴史を考究した労作

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

大変な労作で一読して大変勉強になった。戊辰戦争は発足間もない明治政府の三岡八郎が大阪商人を集めて幕府の年貢収入を担保とした御用金300万両を要請したこと、西南戦争とほぼ同時期のアメリカの南北戦争との内戦時公債、藩札等発行の比較も面白い。また日清戦争は90年、日露戦争は70年もの長期に亘り内債、外債の償還が続いたこと。太平洋戦争でGDPの144%にも上る国債の償還が戦後の超インフレで「雲散霧消」したが、海外占領地域での現地通貨建て借入れ分は未だ未精算で400億円余りが財務省の債務帳簿に残っていることは初めて知った。戦費調達は政府の金融、通貨政策とも密接な関係があること、海外文献による欧米諸国例との比較もあり、著者の真摯な研究成果に感心した。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

131 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。