電子書籍
ヒトラー時代のデザイン(小学館文庫)
著者 著:柘植久慶
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全世界に恐怖と惨劇を巻き起こしたナチス第三帝国。この国家は、大衆を相手にした宣伝に力を注ぎ、過った方向に著しい効果をあげた。しかし、その実態を伝えてくれる資料は極めて少ない。国民を「負」に煽動して一致団結させ、世界に大きな悲劇をもたらしたものは何か?その歴史を理解するため、国家を維持、拡大する目的をもって発行、流布されたナチス・ドイツ時代の印刷物を大系的に分類して紹介する。本書は、デザインが「国家の意志」に利用され、過ちを犯した歴史の経過を伝えるためのガイドである。
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ヒトラー時代のデザイン(小学館文庫)
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紙の本ヒトラー時代のデザイン
2000/11/08 17:50
デザインが語る黙示録的決意で死へ向かう意志の共有
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投稿者:横田紀子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三帝国下のドイツで描かれたヒトラーのさまざまな肖像画からベルリンオリンピックや党大会、国防軍や親衛隊などのポスター、絵はがき、フランス国内向けのカレンダー、切手、偽造紙幣、ビラ、郵便貯金通帳、石炭配給カードなどの証明書、そして軍旗、勲章など、著者が長年にわたり集めてきた二百数十点を超えるコレクションを紹介している。
とんでもないものもあった。ハーケンクロイツ、旭日旗、イタリア国旗を背景にした亡霊のような鎧武者が、海上で連合軍の軍艦をたたき切ろうとしている絵はがきである。しかし、本当に注目すべきは生活の隅々まで徹底的に浸透させたデザイン・プロパガンダ方法であり、そこに貫かれている第三帝国の「美意識」のようなものだろう。解説者はナチスの美学には死と滅びへの志向があるのは定説になっていると巻末で記している。確かにコレクションを眺めていると、戦意高揚というより黙示録的決意で死へ向かう意志の共有を促しているかのようだ。