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  • みんなの評価 5つ星のうち 3 4件

電子書籍

【シリーズ】ときめき古城ロマンス

著者 真船るのあ (著)

一人旅でフィレンツェにやってきた千祐君、フィレンツェ貴族のアドルフォ伯爵と森の館で愛欲ゲーム?!

パレット文庫 ときめき古城ロマンス 伯爵はラブゲームがお好き

税込 308 2pt

パレット文庫 ときめき古城ロマンス 伯爵はラブゲームがお好き

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評価内訳

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紙の本謝肉祭の夜に抱かれて

2007/02/10 12:45

脳内血糖値が高くなる作品

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ベタベタに甘い恋愛話を聞かされる(読まされる)ときの気分を、近頃では「砂を吐く」という言い方で表現するのだそうですが、このお話は、吐いても吐いても吐ききれない砂が胃腸に詰まって七転八倒……というレベルの甘さでありました。
 主人公の郁(かおる)は、自分に自信の持てない、薄暗く引っ込み思案な高校生。片思いの先輩がいるけれど、告白はおろか口をきいたこともなく、可憐な容貌をダサいメガネで覆い隠して、思いを飲み込んであきらめようとしています。
 そんなとき、イタリア在住の兄に突然呼び寄せられてヴェネチアの謝肉祭(カルネヴァーレ)に参加することに。兄の婚約者が用意してくれた、どハデなピンクの王子様衣装を着るのがはずかしく、普通の服のまま、とぼとぼと一人でホテルまわりをうろついていたところで、いきなり出現した運命の嵐に巻き込まれます。見知らぬ他人(実は同じ「ときめき古城ロマンス」の別作品の主人公)につかまって、純白の天使の衣装を着せられてカルネヴァーレの渦中に放り込まれ、あっという間にイタリアのナンパなゴロツキに取り囲まれたと思いきや、ゴンドラに乗った仮面の黒騎士に救い出され、あとは懐かしの洋画で見たようなデートコースをまっしぐら……ところがその黒騎士は、郁の兄と婚約者の結婚に大反対し、郁にもひどく冷たく当たっていた、婚約者の兄、レオーネだったのでした。
 この、あまりにも出来すぎな運命的出会いを見ただけで、その後の展開が手に取るように見えてしまうのですが、だからといってその甘さが減じるどころか、先読みした分だけ余計に甘さを感じてしまうのが、このシリーズの怖ろしさというか、凄みであると思います。
ひどい堅物で恋愛に興味のなかったレオーネは、郁の正体に気づかないまま、空前絶後の一目惚れ状態に。郁のほうは正義の黒騎士がレオーネだと気づいたものの、仮面と仮装の力を借りて、初対面から慕わしく思っていた気持ちに正直に行動しますが、バレたらきっと元の冷たい態度に戻られてしまうと思いこんで、ひたすら正体を隠し続け……この果てしなく酸っぱいすれ違いモードと、仮装に身を包んでのつかのまの逢瀬の極甘とが、交互に出現しては読者の味覚を幻惑し、もうこれ以上は勘弁してほしいというところでやってくるカタストロフは、天まで聳える氷砂糖のエベレストが崩壊しながらカラメルになって煮えたぎったような勢いでした。参りました。負けました。
読んでいる途中で、ふと素に返る瞬間があったりすると、かなりつらいものがありますが、甘いものは脳に効くといいますし、実際なんだか血の巡りがよくなるような気がしないでもないので、もしかしたら健康にいい小説であるのかもしれません。
 蛇足ですが、かの国の「真実の口」というのは、ローマ時代のマンホールの蓋だったという説を、本書を読んで初めて知りました。熱烈な愛のクサいセリフに充ち満ちているであろうお国柄を考えると、あの口も、「ぐわあ〜甘すぎるわ〜」とでもうめきながら、さぞかし多量の砂を吐かされてきたことでしょう。

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紙の本伯爵はラブゲームがお好き

2007/01/26 14:32

中毒性のある「ときめき」

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ときめき古城ロマンス」という副題のある、このシリーズの作品を読むのは、これが二冊目になります。
 このタイトルといい、薔薇の花の飛び交う表紙のイラストといい、ある年齢以上の者にとっては、書店でレジに持って行くのに少なからぬ勇気の必要な本ではありますが、その勇気をさほど苦労なくかき集められる程度には、この作者の作品に中毒してしまった模様です。
 前回読んだ「伯爵は愛にとまどう」は、身内に命を狙われて出奔し「伯爵」に救われる主人公に、白雪姫のイメージが重なりましたが、このお話は、ガラスの靴ではなく真心を置いて王子の元から逃げていくシンデレラ……でしょうか。
 期待からそれることなく進んではじけるストーリーとエンディングについては、ここで語るのは野暮というものでしょう。
 そういうわけでいきなり蛇足に飛びますが、世間知らずの私のような人間には、物語の舞台となっているイタリアのトスカーナ地方の歴史的背景や貴族事情、産業について、得意げに長々と語り聞かせてくれる執事ロベルトのような存在が、なかなかに味わい深いものでした。
 ラスト付近のイラストで、ワインのボトルごとアドルフォに抱き上げられている千裕(大学二年)が、ほとんど小学生にしか見えないこととか、若干ツッコミたいことはありますが、それもまた「ときめき」の要素のうちということにして味わわせていただきました。

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紙の本伯爵は愛にとまどう

2007/01/04 09:47

ちょっぴり白雪姫みたいなお話でした…

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 目が覚めたら記憶がなくて、寝ている場所はイギリスの古城の天蓋つきベッド、そして傍らに付き添うのは、城の持ち主だという美貌の青年。しかも彼とは恋人同士だという……なんかもう、「夢のような」というしかないお話です。
 主人公の川原有も、「伯爵」のアルフレッドも、育った経緯や背負っている不幸を考えると、もっと性格にクセがあってもよさそうなものなのに、二人とも恋に対してまっすぐに一途で純情なのが、なんだか不思議な気がしました。有の身内だという、ちょっとドス黒そうな人々も若干出てきますけれど、麗しいシチュエーションのなかではぐくまれる素直な純愛の前には、泣く泣く退散する他はありませんでした。めでたしめでたし。

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意外にも

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ロー - この投稿者のレビュー一覧を見る

攻めは手が早そうに見えて紳士。
始めはゲームと称した通り、攻めは遊びのつもりが気付けばお互い本気に。
この手の話にしてはイチャラブが物足りない印象で、せっかくの“愛欲の日々”(本文より)も受けの自棄っぱちのようで。
古城と聞いて神秘的な雰囲気を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
本文では主人公を少年と表現したり、挿絵もショタっぽく、年齢的にどうかとも思いました。

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