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10件
【期間限定価格】流れ星が消えないうちに
著者 橋本紡 (著)
大好きだった彼が死んでしまった。わたしではない女の子と一緒に――。それからわたしは玄関でしか眠れなくなった。辛くて、悲しくて、泣いて、喚いて……もう自分は二度と笑えないのではないかと思っていたのに。彼が死んでから一年かそこらで、わたしは他の男の子と付き合い始めた。待つと言って送り出したのに待たなかった。だって生きていかなきゃ――。深い悲しみの後に訪れる、静かな愛と赦しを描く、苦しいくらいピュアなラブストーリー。
流れ星が消えないうちに
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流れ星が消えないうちに
2006/10/12 23:15
流れ星が消えないうちに
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼と過ごした二年間は、とても幸福な日々の連続だった。
何年生きようと、どんな人と巡り会おうと、あんな時間は二度と訪れない。(本文より)
お父さんが佐賀の家から家出してきた。
高校の頃まで家族(両親・妹・私の4人)一緒にこの家で暮らしていた。
佐賀へ父の栄転が決まって、地元の大学生の私ひとりがここに残った。
「なあ、奈緒子。どうして玄関で寝てるんだ?」
「大好きだった人が死んじゃったの。それから部屋で寝るのがなんだか嫌になっちゃって。
ここだと、なぜかわからないけど、よく眠れるから」(本文より)
おやすみ加地君、私はそっと呟く。お父さんは加地君を知らない。
もうどこにもいない、この世にいない恋人、一年半前に死んでしまった。
名前を聞いても、どこにあるのかわからないような外国のちっちゃな島で
バスの転落事故で。
加地君といっしょに死んだのは、私ではなかった。
知らない女の子と手を握りあって、抱きあって死んでしまった。
旅先でたまたま知り合っただけの、花のような笑顔の人と。
僕(川嶋功)が奈緒子と付き合いだしたのは、加地が死んで一年近く経っていた。
加地とは、高2の学祭でプラネタリウムの流星マシンを一緒に作ってからの友達だった。
「あれ川嶋君じゃないか、せっかくだから飯でも食おうか」
奈緒子のお父さんが暢気に笑っている。
「いや。娘の彼氏と飲むのも、意外と楽しいものだねぇ」
「俺も…、僕も楽しいっす」
じ〜ぃんと来ます。
死んでしまった恋人・加地君と加地君の友人で現在の彼氏の功君と奈緒子。
生きている二人と手をつなぎ輪になっているような、今は亡き人。
癒しとか再生とかの流行の言葉では言い表せないし言いたくない
静かな切なさが流れている、まるで一編の詩のような物語。
つい泣いてしまいます。
物語はしみじみしてますが、けっこう明るい。
ここ一番に弱い功君の面食いでガサツな瑞穂姉ちゃんが最高。
家出してきたお父さん、娘の奈緒子さんに少女マンガ借りて読み始める。
お父さん、私も『グーグーだって猫である』(大島弓子著 漫画エッセイ)好きですよ〜。
過去と現在のプラネタリウムと流れ星マシン(加地と功の合作)のシーンが美しい。
「おぉ〜、むちゃくちゃきれいだな」功君、君こそむちゃくちゃ良い奴だ。
音も無く宇宙(そら)に星が流れる。
お勧めです。
流れ星が消えないうちに
2019/01/11 20:33
哲学的な名作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鈴木凜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹さんの『ノルウェイの森』を髣髴とさせる作品ですが哲学的で良い話です。
若い世代に読んでほしいです。
空色ヒッチハイカーより遥かにましで素敵な作品です。
流れ星が消えないうちに
2015/11/23 14:24
感動
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えんぴつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
始めのうちは、この流れ星が消えないうちにという
タイトルの意味が全くわかりませんでした。
でも、このタイトルの意味がわかった時、
とても感動しました。
何度も読みたくなる本です。
ぜひ読んでみてください。