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白い人・黄色い人
著者 遠藤周作
『白い人』は、醜悪な主人公とパリサイ的な神学生との対立を、第二次大戦中のドイツ占領下リヨンでのナチ拷問の場に追いつめ、人間実存の根源に神を求める意志の必然性を見いだそうとした芥川受賞作。『黄色い人』は、友人の許婚者をなんらの良心の呵責も感じずに犯す日本青年と、神父を官憲に売った破戒の白人僧を描いて、汎神論的風土における神の意味を追求する初期作品。
白い人・黄色い人
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紙の本白い人・黄色い人 改版
2019/01/30 11:37
仁川についての意見は納得
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この2作のうち、「白い人」で作者は第33回芥川賞を獲得しているが、私はドイツ軍に雇われたフランス人を主人公としたこの作品より、戦時下の宝塚・仁川を描いた「黄色い人」の方が好きだ。「日本の土地にありながら、にせの異国風景をいかにも小賢しく作りあげた仁川は、黄色人のくせに母や叔母の手によって、貴方(元司教のデュランのこと)の教会の洗礼をうけさせられた自分にそっくりでした」という一文は、仁川という街の近くの学校に通っていた私にとっては「まさしくその通りで、あの街はつくりもの臭いといつも思っていたんだ」とおもわず同調してしまった