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23件
イノセント・デイズ(新潮文庫)
著者 早見和真
田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
イノセント・デイズ(新潮文庫)
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イノセント・デイズ
2017/05/25 18:47
ラスト1ページまで目が離せない
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラックティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて、こんなにストーリーに一喜一憂し、結末に落胆した作品はあっただろうか。
それぐらい読者はこのストーリーに引き込まれ、心まで持って行かれる。
判決言い渡しシーンから始まり、死刑囚の彼女の人柄を人生に関わったそれぞれの関係者視点で、描く。
そんな斬新な構成もいい。
人間は一面ではない。
と、改めて思う。
最後、この結末をよしとするのか、悪しとするのか、評価は大きくわかれると思う。
文庫本に収録されている辻村深月の解説を読んで、ようやく、この小説のラストが胸にストンと落ちた。
イノセント・デイズ
2018/07/16 11:04
かかわり
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりにガツンとくる小説に出会いました。
近しい人たちに買って読んでみて!と言える作品ではないでしょうか。
ここからは個人的な見方になります。
幸乃の生い立ちから自分がつらい思いをしたからこその人を思いやる優しさ。
子どもの頃の近所の仲間。
幸乃の優しさを利用するモノ達。
失いたくない気持ち=独占欲。
相手に依存してしまう弱さと少しの闇。
そのすべてを一人で受け止めようとする幸乃。
弱かった子どもの頃を大人になった仲間が少しずつ克服していく姿。
受け入れようとしない幸乃。
自分の身内を助けたいと思う当たり前の感情と
こどもの頃の仲間を信じる友情と愛情。
人の性格や感受性は生まれてからいくらでも変化していく。
その個にまわりの人々がどのように関わっていくのか
自分ではどうすることもできない人間関係の中で形成されていく人格。
いつくるかわからないその日
焦燥感と絶望感
物語を読み終わると脱力感が尋常じゃないですが、
自分が関わる人たちをきっと大切に思えるようになる
そんな傑作です。
イノセント・デイズ
2017/08/10 10:05
衝撃
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よす - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公、と言っていいのだろうか。主軸となる少女、女性の価値観は賛否両論あるかもしれない。彼女に救いをと願いながら読まずにはいられない。
ただ、孤独を極め、貫き通した姿は批判なんてできない。